開会式後の第1&第2試合では総合格闘技ルールの試合が行われた。まず、第1試合に登場したのは、所英男。相手はリングスで村浜武洋と対戦経験のあるガブリエル・リムレイだ。『HERO'S』での活躍によって、K-1ファンの間でもその存在は認知されているようで、所が入場してくると大きな歓声が飛んでくる。そのファンの声援の勢いに乗っかるように、試合は一方的に所のペースで進む。
 所がタックルで、まずテイクダウンをとることに成功する。1度は返され、リムレイに立たれてしまい、猪木ーアリ状態でローキックを足に受けるが、再びテイクダウンに成功すると、自分のポジションを下に移して三角絞めを極めると、リムレイはこれでタップアウト。1R1分12秒という秒殺劇で、K-1MAXの初陣を飾った。

 続いて、第2試合に登場した秋山成勲は、ボクサーのマイケル・ラーマと対戦。総合の練習は6カ月前からちょこちょことやっていたというラーマだが、本格的に始めたのは1カ月前では、秋山の敵ではなかった。序盤、余裕があるのかハイキックまで見せた秋山だったが、組み付いたら、そこは本職。高々とラーマを持ち上げて、マットに叩き付けるとすかさずマウントポジションを奪い、こだわったというパンチを放っていった。ラーマも下からパンチを放ったり、体を起き上がらせたりと、必死に抵抗を試みるが、次第に秋山のパンチがラーマの顔面を捉え始め、レフェリーが試合をストップさせた。こちらも、1R2分47秒という短時間での圧勝。出場が予定されている、11月5日の『HERO'S 2005 in SOUL』に向けて、仕上がりの良さを感じさせた内容となった。

 一方、所の狙いは大晦日の『Dynamite!!』出場。今回の勝利が強烈なアピールになったことは間違いない。所は試合後のコメントで、「ボブ・サップが相手でもいい」とまで言うほど、大晦日出場を熱望。秋山もまた、昨年デビューした思い出のイベント『Dynamite!!』への出場を希望している。果たして、所&秋山の勇姿は大晦日の大阪ドームで見られるのか?

 また、 第3&第6試合にはイアン・シャファーとレミギウス・モリカビュチスが登場し、K-1ルールによる試合を行った。まず、第3試合に登場したシャファーの相手は今年の『K-1 WORLD MAX』日本予選でリザーバーから準優勝を遂げた新田明臣。この日本人のベテラン選手を相手にシャファーは、序盤から臆することなく攻め込む。
 『HERO'S』で宮田和幸や山本KIDを苦しめた打撃はやはり本物。1R怒濤の如く攻め込むと、一気にダウンを2つも奪ってしまう。終盤は新田がローキックを連発し、なんとか流れを引き戻そうとしたが、結局シャファーの勢いは止められず。判定3-0で、シャファーが勝利をもぎ取った。

 また、元々キックボクサーであり、以前よりその打撃センスの良さから『K-1 WORLD MAX』登場が期待されていたレミギウスは、第6試合に登場し、正道会館の安廣一哉と対戦した。
 1R、レミギウスは試合が始まると、一気に攻め込み、左フックで安廣からダウンを奪取。この後、ローブローを入れてしまい、試合は一時中断してしまうが、ペースはレミギウスが握ったまま。1R終盤には再びダウンを奪取。特にこの日のレミギウスは左フックがよく当たり、さすがの安廣も終盤にローキックで反撃を見せるのがやっとで、ほとんどがレミギウスにされるがままだった。結局、2Rにも2ダウン、3Rも2ダウン、3R合計で6つのダウンを奪い、圧倒的な力を見せつけて判定勝ち。
 しかし、これだけ圧倒的な勝利を収めながらも、試合後のコメントで「前田さんとZSTに感謝したい」と律儀さを忘れないレミギウスであった。K-1ルールでK-1ファイターに快勝した、シャファー&レミギウスの次戦が期待される。■

試合後のコメントとKIDと元気の挨拶はこちら!


得意の関節技で完勝した所。試合後にはリングサイドにいた前田日明スーパーバイザーと何事か話をしていた



打撃特訓の成果を見せるかのように、ハイキックやパンチで序盤は攻めた秋山。最後もマウントパンチでラーマを葬った




新田に判定勝ちしたシャファーは試合後に韓国大会出場をアピール。KIDとの再戦も希望した



総合ルールの時同様、K-1ルールになってもレミーガの打撃は健在。会場からは「レミーガ!」という黄色い声援が飛んでいた。いつの間にか知名度も上がったのだ




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