大阪市内のホテルで調印式に臨んだ須藤とKID。和やかなムードの中にも、緊張感が潜んでいた
 名勝負として記憶に残っている、魔裟斗VS山本“KID”徳郁。昨年の大晦日の『Dynamite!!』で実現したこの対決は、瞬間最高視聴率31.6%という脅威の数字をマークし、中量級ファイターの底力をアピールした。そして、今年の大晦日に行なわれる『Dynamite!!』でもKIDと須藤元気の対戦が実現。『HERO'S』のミドル級最強決定トーナメント決勝戦として、二人がタイトルを争うことになっている。
 大阪の『ホテル阪急インターナショナル』で行なわれた調印式に出席したKIDと須藤は、緊張感が漂うなか、お互いが対戦誓約書にサイン。続いて、今の心境を語った。

「こうして中量級の選手が、試合をするのは5年前にはなかったこと。時勢を感じます。これも、KIDさんや他のファイターたちのおかげだと思っています」と須藤は、感謝の言葉を並べた。対するKIDは、「勝っていい新年、いい正月を迎えたい。今は、コンディションを最高に持っていくことだけを考えている」とコメント。2カ月先ということもあり、まだ殺伐とした雰囲気ではなかったが、印象を聞かれるとうっすらと対抗心が輪郭を現した。
「実際は目を合わせていませんが、KIDさんの調子は良さそうですね」と須藤が牽制。KIDは「印象? うーん(といって首を傾げる)。前から練習で会っていたからね。いざ闘うとなると、違う雰囲気ですね」と軽く返した。目を合わせなかった理由を突っ込まれた須藤は、「闘いは、すでに始まっているということです。相手が誰であれ、いろいろと考えてやっているので」と心境を明かす。

 これに対してKIDは、「俺は気になって見ちゃう」とニヤリ。「KIDさんは、いつも通り、野性味のあふれる試合をすると思います」と須藤が展開を予想すると、KIDは「決勝戦だからレベルの高いところを見せないと。いっぱい動きますよ。そんじゃー」と目を光らせる。すでに闘いは始まっているようだ。
 調印式が終わると、それぞれが個別会見に応じた。まず最初に現れたKIDは「メイン? プレッシャー? べつに。大阪ドームで試合をするので、何番目で闘っても気持ちいい」と昨年同様、緊張は微塵も感じさせない。ただし、須藤のトリッキーな闘い方に対しては「人それぞれだから、べつに人のことは気にしていない」と言いつつも表情を変えた。
「ただ、俺はああいう闘い方はできない。好きじゃないし、したくない。へんな攻撃をしてくるけど、ワンパターンだから分かる。後ろを向いたり、走り回られたら? 俺もやっちゃうかも」とジョークを交えつつKIDは、やんわりと否定した。

 続いて登場した須藤は、「いろいろな人がいたからこそ、こうなった。2年前、中量級として僕だけ『Dynamite!!』に出場して、そのときは110kg差のあるバタービーンと闘って。それが今は、同じ階級の選手と試合が組まれて、時の流れを感じます。それも、KIDさんのおかげです。昨年の『Dynamite!!』は、魔裟斗VS KID戦を観て、鳥肌が立ちましたから」と終始、KIDを絶賛した。同じトリッキーなスタイルについては、「KIDさんはオフェンス型で、僕はディフェンス型。作戦は言えませんけど、戦略を持って闘います。動きのある試合をしたいですね」とKID戦へ向けての抱負を語る。

 谷川プロデューサーは、「須藤選手とKID選手の試合は、昨年の魔裟斗VS KID戦に優るとも劣らない一戦。昨年の『Dynamite!!』は、平均視聴率が20%を超えましたので、今年はそれ以上を目指します。夢は平均視聴率30%で、打倒『紅白歌合戦』です」と手応えを持っているようだ。
 視聴率男のKIDも「視聴率は、よく分かんないけど…。曙VSボブ・サップが瞬間最高視聴率43%? だったら、そのくらいはいきたいね」と大胆発言。『Dynamite!!』のカードは、今後、じっくりと発表されていくようだが、須藤VS KIDの試合だけでも話題を独占しつつある。反響必至のすべてのカードが決まれば、平均視聴率30%も夢ではないかもしれない。■

【情報・写真提供:FEG & K-1オフィシャルサイト】


『FieLDS K-1 PREMIUM 2005 Dynamite!!』実施概要
『FieLDS K-1 PREMIUM 2005 Dynamite!!』チケット購入

『対戦誓約書』にサインする二人。ちなみにベルトに関しては「ただいま、素晴らしいベルトを製作中です。12月初旬には出来上がりますのでご期待ください」と谷川プロデューサー

「KID戦の入場パフォーマンスは、『和』をテーマにします。『和』とは、『和風』や『平和』の意味も含まれています」と須藤

「相手が謙虚? それはいつもだからね、べつに気にしていない。ありがとうって感じで(笑)」(KID)

これが2人がサインした『対戦誓約書』。筆跡にも両者の抜群の個性が現れている




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