兄・永田裕志からは「“よく考えて(プロ転向を)決めろ”と言われましたが、反対はされなかった。いろいろ相談に乗ってくれています」と永田
 これまで数々の一流アスリートがプロ転向を果たしてきたが、永田はその中でも最高レベルの実績の持ち主といえる。なにしろレスリングの日本人五輪メダリストのプロ格闘技参戦は、これが史上初。また永田は五輪(グレコローマン69kg級)以外にもアジア選手権、東アジア大会で優勝。全日本選手権は計6回にわたって制覇している。その凄すぎる実績に加え、実兄が新日本プロレスの永田裕志とあって、以前からプロレス・格闘技ファンにも名が知れた存在だった。

 そんな超大物だけに関係者の期待も高く、谷川プロデューサーによれば「大会のメインカードの一つになるような凄いカードを組みたい」と、デビュー戦にして『Dynamite!!』の“主役”の一人となることを予告。
 そもそも、永田はプロレス・格闘技の大ファン。アマレス時代から「いつかは(プロで闘いたい)という気持ちがあった」という。そしてこの7月、谷川プロデューサーに招待されて『HERO'S』を観戦したことがきっかけとなり、プロ転向を決意した。
「試合はもちろん、『HERO'S』の演出や盛り上がり、全てが素晴らしかった。自分もこの世界で勝負したいという気持ちになりましたね。アマチュアにはないモノが、ここにはあると思います」という永田。代理人を務める青木良氏によれば、現在はプロデビューに向けてU-FILE CAMPの上山龍紀とともに総合のトレーニングに励み、同時に坂口道場のコーチとして指導と練習に取り組んでいるという。打撃に関してはボクシングの元世界王者・川島郭志氏のジムで指導を受けてもいる。

 総合格闘技挑戦にあたって、大きなテーマとなるのはやはり打撃対策。「レスリングの間合いとはまったく違うので、攻撃も防御も打撃を強化しないといけない」と課題を語った永田だが、「組んだら倒せる自信はあります」と自信をチラつかせた。レスラーならではの強さを活かした闘いを狙っているようだ。戦法の中心になるのは、おそらくテイクダウンしてのパウンド。組み技出身者は殴る際に躊躇してしまうクセがあることが多いが、永田は「日常で人を殴るのと試合で殴るのは別物。その踏ん切りがつけられると思ったからプロになろうと決めました」と強い決意を見せた。
 対戦相手は現在のところ未定だが、レスリング以外の選手との“他流試合”になることは確実。永田自身「プロだからこその相手とやりたい。自分が目指すのは最強になること。とにかく強い選手とやりたいです」と語っている。K-1ファイター、柔術家など様々な強豪が集う『Dynamite!!』だけに、興味は尽きないところだ。

 永田は新日本プロレス所属としてアマレスの試合に出場してきたが、プロ転向に当たっても新日本所属のまま出場することになる。会見では開口一番「新日本プロレスの永田です」と挨拶、また締めていた赤いネクタイには「これまで日の丸を背負ってやってきたプライド」と「新日本プロレスの“闘魂”の象徴」という二つの意味があることを明かした。“日の丸”と“闘魂”、さらにはレスリングというジャンル、メダリストのプライド。様々なものを背負って12・31『Dynamite!!』のリングに上がる永田。試合内容の面でも闘いの意味合いという面でも、とてつもなくスケールの大きなデビュー戦となりそうだ。■

【情報・写真提供:FEG & K-1オフィシャルサイト】


『FieLDS K-1 PREMIUM 2005 Dynamite!!』実施概要
『FieLDS K-1 PREMIUM 2005 Dynamite!!』チケット購入

新日本プロレスのロゴがプリントされた旗を掲げて写真撮影に臨んだ永田。“キング・オブ・スポーツ”の名にかけても負けられないデビュー戦となる

代理人の青木良氏(右)のバックアップのもと、永田は残り2カ月、総合格闘家にシフトチェンジする

この日は永田の32回目の誕生日とあって、会見ではバースデーケーキも用意された。まさに節目の日、ろうそくの前で永田は何を願った?



“永田克彦参戦”のビッグニュースに、多くのマスコミが集結!

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