秋山成勲の韓国での人気は、想像を絶するものがあった。空港では、韓国の報道陣が何人も待ち構えている。そのなかには、韓国の国営放送であるKBSのテレビクルーの姿まで見えた。KBSは秋山のドキュメンタリー番組を放映するという。
 秋山がこれほどまでに脚光を浴びているのは、11月5日にMAXと共同開催するHERO'Sで、韓国チームの総大将として出場することが決まった影響が大きいようだ。かつて柔道の韓国代表として闘っていた秋山が、02年釜山アジア大会以来3年ぶり、プロファイターとしては初めて韓国で試合を行なう。日本に帰化してからも華々しい実績を残し続けた彼が凱旋を果たすのだから、地元メディアが興味を寄せるのは当然と言えるかもしれない。

「ひさしぶりに韓国に来られて、気分がいいです」
 じつに晴れ晴れとした表情で、秋山は第一声を韓国語で発した。まさか韓国で試合をできると思っていなかったという感激が、そこにはあったようだ。
 もちろん凱旋試合であるからには、確実に結果を出さなければならないことも承知している。「年末の試合は視野に入っていません。とりあえず、目先の試合をクリアしないと」と、大晦日の『Dynamite!!』で行なわれるホイス・グレイシー戦を控えながら、秋山はしっかりと足元を見つめていた。経験豊富な奥田正勝を相手に、秋山が2戦続けて打撃で勝つという結末もあるかもしれない。

 それに加えて「今回は世界選抜との対抗戦ということですけど、韓国チームの全勝かな。全ての試合がキツいですが、韓国人が全員勝つと思っています」と、総大将として完全勝利を目指すことまで誓った。
 近年、韓国の格闘技界は急成長を遂げているだけに、それが実現する可能性は決して低くはないだろう。そして、その先に秋山が目指すものがあった。
「感謝の気持ちや愛国心を、闘っている姿で表現したい。こういった大会も、韓国で定期開催できるようになれば最高です。日韓友好の架け橋になれたらいいですね」

 日本と韓国という二つの故郷を持つ彼ならば、その大役を担えるだけの器は十分に備えているだろう。試合当日、11・5合同興行で秋山はいったい何を見せてくれるのか!? 韓国だけではなく日本でも、彼の一挙手一投足から、目が離せなくなってきた。■

選手のコメント

韓国チームの全勝を確約した秋山。12月31日の『Dynamite!!』ではホイス・グレイシーとの大一番も控えているだけに、快勝を期待したいところだ

韓国の金浦空港に降り立つと、地元TVメディアが秋山に殺到。あっという間に、周りを取り囲んだ


質疑応答のほとんどを、秋山は韓国で対応した。「日韓友好の架け橋になれたらいいですね」と、今回のテーマを語っている

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