やはり、バックボーンであるアマレスが一番の拠り所になるのか、この日、KIDが公開練習で見せたのは、長年培ってきたアマレスを主体としたスパーリングだった。前半は感覚を確かめるように、丁寧にタックルの入り方をチェック。体が温まってくると、テイクダウンからグラウンドの攻防に移り、関節技を披露した。それもそのはず、KIDは母校・山梨学院大の監督に誘われ、ここ2カ月程、同大学でのレスリング特訓を敢行。1週間おきに山梨に滞在し、グレコローマンスタイルとフリースタイルの練習で、レスリング漬けの日々を過ごしてきた。1週間を山梨でレスリング特訓に励めば、次の1週間は東京に戻ってきて打撃の特訓。そして、また山梨へとのハードスケジュールで、大晦日決戦に備えている。

 だが、対戦相手の須藤対策については「もう少ししたらビデオで見る」と、これから練ることを告白。昨日、須藤が公開練習で新技の“GFW”という技を開発したという情報にも「特にないです(笑)」と苦笑いを浮かべるのみだ。しかし、須藤が「上になっても下になっても逃がさないようにする」といったニュアンスのコメントを出したことについては、「俺は逃げない」と強気なコメントで切り返した。

 体調は万全だ。1週間前にはインフルエンザの予防注射を打つほど念を入れて、コンディションを整えている。また、現在の体重は64キロぐらいとのことで、須藤との体重差が気になるところだが、「毎回そうだし、それを気にしていたら中量級でやるなってなっちゃう」と意に介さない。K-1ルールの試合で魔裟斗と闘った昨年と違い、今年は本職の総合ルールの試合ということで、気分もそれほどナーバスにならずに試合に臨めるようだ。

  「気分良く新年を迎えたい」と語った須藤に対して、KIDは「まだ、あんま新年のことは考えてない(笑)」と、何から何まで正反対の2人。今年の格闘技界に中量級ブームを巻き起こした『HERO'Sミドル級世界最強王者決定トーナメント』の決勝戦、大晦日に頂点に立っているのはいったいどちらなのか?■




アマレス特訓の成果を存分に披露


須藤の寝技に対して質問を受けると、「俺もできる」と言い返したKID。これ見よがしに関節技を報道陣に見せつけた


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