1月1日、帝国ホテル大阪/『FieLDS K-1 PREMIUM 2005 Dynamite!!』一夜明け会見

 昨夜に獲得したばかりの『HERO'S』ミドル級世界最強王者決定トーナメントのベルトを手にしたKIDは、満面に笑顔を浮かべた。
「明けまして、おめでとうございます。今年も、いい一年が迎えられそうな気がしました」
 席について現在の心境を語ると、KIDは再び笑う。まるで少年のように無邪気で爽快な印象を、その場にいる多くの人間に与えていた。

 12・31『Dynamite!!』で須藤元気を破って王座についた興奮もあって、KIDは眠ることなくチームの仲間30人と朝まで祝勝会をしたという。会見の直前まで騒いでいたこともあって、さすがに疲れも見える。それほど、彼にとってはうれしい勝利だったようだ。極度のプレッシャーから解放されたKIDは、上機嫌に前夜の激闘を振り返った。

「最初はやりにくかった。こういう闘い方もあるんだなって。他の人と違うタイミングだったから。向こうの入場曲に合わせてリングで踊ったこと? ダンスバトルだね。これじゃ負けねぇぞって感じかな(笑)」
 報道陣の笑いを誘い、KIDはさらに世界一に輝く直前のシーンの心境を告白する。
「最後の右フックは何回も一緒のパターンがあったから、タイミングを合わせただけ。だけど、あれで当たると思っていなかった。次の次くらいだろうと。その後のパウンドで、けっこう(須藤の意識が)飛んでた。向こうが止められて意外そうだった? 一瞬だけ飛んで、その後にバッと起き上がったから、覚えていなかったんだと思う」

 ほんの一瞬の攻防ながら、KIDはフィニッシュシーンを鮮明に記憶していた。淡々と、そして冷静に。リラックスして決戦に臨んだからこそ、KIDは栄冠を勝ち取ることができたのかもしれない。
「俺が落ち着いていた? 自分に言い聞かせていたからね。“俺の方が絶対に強いぜ”って」
 自分の力を疑うことなく、堂々と覇道を歩む。当然、今後もKIDは我が道を進む構えだ。
「1週間くらい休んで、それからまた気合を入れ直す。K-1 MAXの王者になりたいか? それはもちろん。みんなが狙っているから」
 新年早々、KIDは壮大な野望を打ち上げた。『HERO'S』とK-1 WORLD MAXの“二冠王”になる。06年のKIDは、そんな金字塔を打ち立てるために闘うのだろう。2月4日には、『K-1 WORLD MAX 2006 日本代表決定トーナメント』(さいたまスーパーアリーナ)が控えている。中量級の選手が注目を集めている今、MAX の第一弾は2006年のスタートとして勢いに乗る大会となりそうだ。

気になる出場予定選手は、谷川プロデューサーによると、大晦日に大東旭から文句なしのKO勝ちを収めた魔裟斗の参戦が、ほぼ決まっているという。しかも相手は、『HERO'S』でKIDを追い詰め、K-1ルールで05年日本トーナメントファイナリストの新田明臣を破ったイアン・シャファーを予定。谷川プロデューサーは、「魔裟斗選手は試合後、すぐに東京に帰り、今日(1月1日)の早朝から走っています。『Dynamite!!』の試合は実戦練習で、本格復帰は2月4日と考えているようです」と魔裟斗の様子を報告した。『Dynamite!!』では緊急参戦で試合に臨んだ魔裟斗だが、2月4日は今回以上に強さを増した姿が見られそうだ。

 この他、2・4MAXでは日本選手8名参加のトーナメントと、レミギウス・モリカビュチスやブアカーオ・ポー.プラムックがワンマッチを行なうという。谷川プロデューサーは「トーナメントはこれまでのメンバーを総とっかえするくらいの気持ちで、新しい選手にチャンスを与えたいですね」と構想を明かしており、ニューヒーローが続々と誕生しそうな気配も見せている。
 06年の第一弾興行から、K-1にはサプライズの予感が漂う。今年は、いったいどんなドリームマッチが見られるのだろうか!?■

1週間ほど休息を取ってから、KIDは再び闘いを見据えた日々に戻るという。次に彼が上がるリングは…


“永遠のロックアーティスト”矢沢永吉の熱唱を打ち上げパーティーで流されたVTRで見たというKIDは、「アップしていたので、生で観られなかったけど、カッコよかったですね」と興奮していた

『Dynamite!!』で大東を一蹴した魔裟斗は、大会翌日から2月4日を見据えたトレーニングを行なっているという。2006年の王座奪還に向けて、抜かりはない


谷川プロデューサーによると、2006年はWORLD GPシリーズが国内外で8回、WORLD MAXシリーズが4回、『Dynamite!!』が1回行なわれ、協力関係にある『HERO'S』も年4興行を予定しているという

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