――昨年末の『Dynamite!!』でホイス・グレイシー選手と試合が組まれていましたが、腰を痛めてしまい、残念ながらドクターストップがかかりましたね。ケガの様子は、いかがなのでしょうか?
秋山 今は完治しつつあるというのが現状ですね。まだ完治まではいっていません。もともと、柔道時代から持っていたヘルニアが出てしまったんですけど、一度、年末の試合へ向けた練習で痛めてしまって。少し良くなったので練習を再開したのですが、また同じところを痛めてしまったんです。それで動けない状況になってしまいました。まだ完治はしていないんですけど、3月には間に合うかなという感じですね。
――練習を始めたのは。
秋山 ここ最近ですね。動き始めなので、腰をかばいつつやっています。全部が全部、すべて動けている状況ではないんですけど。
――大晦日は、何をしていましたか?
秋山 家で『Dynamite!!』を観ていました。会場には行きたかったんですけど、ケガをしていましたからね。でもいい試合ばかりで。とくに所選手が、頑張ってくれて。羨ましかったですね。自分があの場にいたはずなのにと、思って観ていました。

――ホイス選手は、どうでした?
秋山 思っていた以上に、強かったですね。寝技に関しては、やはりピカ一のものを持っていますし。所選手と自分とでは、全然、スタイルが違うから、どういう試合になるのか想像はできなかったですけど、また機会があれば組んでもらいたいですね。
――あとは、気になった試合はありましたか?
秋山 元気君とKID君の試合ですね。『HERO'S』ミドル級世界選手権に相応しい試合で、印象に残っています。ああいう試合を観ると、つい体を動かしたくなってしまいますね。ただケガをしていたので、それを治すことだけに頭を切り替えて。
――ケガを再発したときは、これから先、試合ができなくなるという不安はなかったのでしょうか?
秋山 それは当然、ありましたね。でも焦らずに、3月までに体を治すことだけに集中するようにしていました。そうすれば、早く治るかなと思っていましたし。
――腰の爆弾を抱えながら、これからも試合をしていくことになると思いますが、心掛けていることはありますか?
秋山 腹筋をやったり、周りの筋肉をつけて補強するようにしています。完全に治すには、手術をしなければいけませんので、そうなると1年は棒に振ることになる。そこから、また体を作ってということになれば、あまりにも僕には時間がないですね。

――そんななか、カラム・イブラヒム選手という強敵を迎えることになりましたが。
秋山 爆弾の導火線に火をつけるような相手ですよね(苦笑)。正直、体重もシビアになりたいと思っていたんです。できれば、僕の体重にできるだけ近づけてほしいと思っていたんですけど、10kg差ですか。これは、今の僕には大きなハンディを背負うことになりますね。身体能力も、皆さんが思うように、高いものを持っているでしょうし。
――よくオファーを受けられたというのが、我々の率直な感想ですよ。
秋山 体重だけではなく身長差もありますし、レスリングであれだけの結果を残した選手ですからね。総合格闘技の経験がないという穴を抜ければ、僕なんかよりもずっとポテンシャルはあるでしょう。あの筋肉と体の柔らかさをみれば、それは分かります。スピードも力もあるだろうし。

――一昨年の藤田和之戦で、イブラヒム選手は負けてしまいましたが、じつはまだ本来の実力はベールに包まれたままなのですよね。
秋山 短い試合でしたが、身体能力の高さは焼きついた内容でしたね。ラッキーパンチが当たったというのは、みんなが思っていることなのではないでしょうか。
――かなりの覚悟が必要になりますね。
秋山 腰のこともそうですし、すべてを考慮すると、大きな試合になりますね。組んだら僕なんかよりも、遥かに強いでしょうし。
――柔道とレスリングの投げ技の攻防が見られそうですけど。
秋山 どうですかね。柔道の投げとはまた違った形が、レスリングにはありますから。自分でも、どうなるのか予想もできません。
――柔道は、道衣を掴んでの投げが基本ですからね。
秋山 そうなんですよね。そういう意味では、レスリングに分があるのかもしれない。
――投げの攻防のシミュレーションは、あるのですか?
秋山 ある程度は、ありますけど、その前に腰を完治の方へ持っていきながら、考えていきたいですね。

――足払いなんか有効かもしれませんよ。
秋山 それも考えていますけど、多分、腰が強いと思うので倒れないでしょうね。でも他の技で倒すことはできると思います。
――投げ技の攻防も興味深いものがありますが、期待するのは秋山選手のパンチです。ホイス戦へ向けた公開練習では、柔道家とは思えないパンチを出していましたからね。前田スーパーバイザーも、絶賛していましたよ。
秋山 みんなに言われるんですけど、自分ではまだまだだと思っているんですよ。僕のなかでは、まだ納得していない。とくに相手は、僕よりも背が高い。手足も長いですし、どうやって闘えばいいのか迷う部分もありますよ。
――あとは、投げへの対処ですね。イブラヒム選手の練習を観たことがありますが、人間があんなに簡単に持ち上げられるのかと驚きましたから。
秋山 ええっ!? 観たことがあるんですか?
――公開練習をハワイでやりましたので。
秋山 それで、どうでした!?
――リフトをするパワーと体のバネは、信じられないくらいにありますね。
秋山 なるほど。そうでしょうね。
――頭から落とされたら、ヤバイですよ。
秋山 さすがに僕ら柔道家は、そこまでやられることはないでしょう。でも、その投げ技は警戒しなければならない。
――道衣は今回も着るのでしょうか?
秋山 着ますね。そうなると掴みやすくなるから、ハンディばかりですね(苦笑)。
――イブラヒム選手は、あの敗北のあとに、早く試合をさせろと悔しがっていたみたいですよ。モチベーションも高いと思います。
秋山 でしょうね、エジプトの英雄ですから。でも、そういうストーリーはみんなが持っていることですからね。僕だって、ありますし。
――とくに今年は、85kgトーナメントの予定も浮上しています。そうなれば、秋山選手はエースの期待がかかりますからね。
秋山 やるならばやるで、早く決めてほしいですね。外国人はみんな強いので、準備も必要になってきますから。
――総合格闘技は5戦をこなし、慣れてきたのでは。
秋山 でも、これからでしょう。慣れた部分はありますけど、まだやることはたくさんありますし。今年が勝負になると思います。■


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“エジプトの英雄”カラム・イブラヒムと対戦することになった秋山成勲。柔道とレスリングの投げ技の攻防は見物だ

「今年も『HERO'S』が韓国での開催を予定しているみたいなので、できればその大会にもまた出たいですね」(秋山)

腰はまだ完治していないという秋山だが、ハンディを克服する力を彼は持っている。3・15カラム・イブラヒム戦に期待しよう!!

 


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