4月22日、ホテルグランドパレス/『Sammy Presents HERO'S 2006 ミドル級世界最強王者決定トーナメント06 開幕戦』(5月3日、東京・国立代々木競技場第一体育館)対戦カード発表記者会見

 5・3『HERO'S』代々木大会で行なわれるミドル級世界最強王者決定トーナメント開幕戦への出場が発表されていた宇野薫の対戦相手が、ついに決定した。白羽の矢が立ったのは、なんとオーレ・ローセン。キックボクサーでありながら総合ルールでも真価を発揮する、欧州屈指のマルチファイターだ。

 ローセンといえば、3月の『HERO'S』で須藤元気を追い込んだことは記憶に新しい。須藤の変幻自在の足関節を封じ込めたグラウンドテクニックは、当時、前田日明HERO'Sスーパーバイザーが「持って生まれたものがある」と舌を巻いたほどレベルが高い。

 それだけではない。ローセンは続く4月にMAX世界大会開幕戦に出場し、アルメニアのドラゴと拳を交えている。判定で敗れはしたが、猛打を受けても怯むことのない姿に、ドラゴは「丈夫なうえに、強い選手」と高い評価を残した。

 今回の宇野戦で、ローセンは3ヵ月連続の試合となる。だが、連戦だからこそ宇野にとっては危険きわまりない。休息期間をほとんど設けないということは、ローセンは心も体も臨戦態勢のままということでもある。鋭利に研ぎ澄まされたローセンの闘争本能が、宇野の喉笛を引き裂いてもおかしくはない。

「ローセン選手は、打撃の選手でありながら総合でもポテンシャルが高い。本当に強い相手だと思います」
 須藤戦とドラゴ戦はチェック済みだという宇野は、ローセンに対する警戒を強めていた。鋭い眼光は、何か覚悟を決めているようにも見える。すると宇野は、前述のコメントの直後に次の言葉を付け足した。

「今回は、一本を取れるような試合をしたいです」
 宇野の最後の試合は、3月に行なわれたリッチ・クレメンテ戦。宇野の完勝と言っていい内容だったが、彼は判定決着に終わったことを試合直後から悔やんでいた。06年最初の試合を乗り越えたとはいえ、それだけでは満足しない。そんな宇野の志の高さが集約されたような一言だ。

「あの試合を改めて見たら、クレメンテ選手は強かった。僕が練習の成果を出そうとしている場面もありましたけど、それを封じ込められてしまいましたから。だから、落ち込むことはない。落とせない試合に勝ったのですから。でも、内容には不満が残っています」
 昨年度のトーナメントでは、第3位に終わった。加えて、今年はプロ10周年でもある。彼の今年に懸ける熱意は、これまで以上に激しい。ベルト奪取に向けた大事な一戦で、宇野は会心の勝利を狙っているようだ。

 また、この日は谷川プロデューサーから、アイヴァン・メンジバーと対戦予定だったレオナルド・フランカ・ノゲイラが、肩に手術が必要なほどのケガを負ったということで出場が見送りになったことが発表された。代わって、かつて所英男と引き分けたこともある和術慧舟會GODSの中原太陽が、メンジバーと激突する。これで所VSブラックマンバ、上山VSギルバート・メレンデス、門馬秀貴VS J.Z.カルバンといった既報カードと合わせ、開幕戦の5試合すべてが日本VS世界という構図となった。

 さらにスーパーファイトに出場する曙の相手に、あっと驚くファイターが候補に上がっていることを谷川プロデューサーが明かした。加えて2m、160kgという巨体を誇るアントニオ・シウバが、スーパーファイトで日本デビュー戦を行なうプランも判明。前田スーパーバイザーが絶賛したというブラジルの未知の強豪は、果たしてどのような人物なのだろうか?

 開催が徐々に迫り、魅力満点なカード・ファイターがさらに追加された5・3『HERO'S』。今年のゴールデンウィークは、これで決まりだ!■

>>『Sammy Presents HERO'S 2006』実施概要

>>宇野薫:プロフィール

>>オーレ・ローセン:プロフィール

★5・3『HERO'S』チケットはまだまだ受付中!
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昨年末に入籍したという宇野の左手薬指には、結婚指輪がキラリと光る。カメラマンから「手を出してください」とリクエストが飛んだが、宇野は恥ずかしそうに、やんわりと拒んだ

「一本を取れるような試合をしたい」と宇野。3月のリッチ・クレメンテ戦は、彼にとって大きな経験となったようだ

3月の『HERO'S』から、連続参戦を続けているローセン。その闘争心の高さは、尋常ではない



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