4月24日、K-1オフィシャルジム/秋山成勲、公開練習

「永田選手が柔道対策をしている? だったら、道衣を着なかったらどうなるんですかね?」
 そうコメントし、秋山成勲が不敵に笑った。5・3『HERO'S』で行なわれる永田克彦との一戦は、柔道家とレスラーによる珠玉の異種格闘対決として注目を集めている。その永田の近況を報道陣から公開練習の席で訊いた秋山は、唐突に心理戦を展開したのだ。

「たしかに僕には柔道に対するこだわりがありますし、道衣を着た僕を見たいという方の気持ちを考える部分もあります。だけど、たまには着ないでもいいかなという遊び心もありますし、それ以上に勝つために最善を尽くしたいという気持ちです」
 04年の大晦日にプロデビューを果たして以降、秋山が道衣を脱いだ試合は一度としてない。ところが今回は、敢えてそのこだわりを捨てるかもしれないというのだ。

 現在、秋山は道衣を着た状態での練習と脱いだ状態での練習を、半々の割合で行なっているという。コメントにあるように、まだ本人のなかでどうするか決めかねている部分もあるのだろう。それでも、この駆け引きは永田陣営に大きな動揺を与えそうだ。
「レスリング銀メダリストの永田選手と、柔道家の僕。柔道VSレスリングという形になるのは当然だと思いますが、僕はそれプラス殴り合うつもりです。あくまで、これは総合の試合なので」

 この試合を、ただの異種格闘技対決では終わらせない。道衣を脱ぐ可能性を示唆したことに対する決意表明のように、彼はあえて打撃戦を挑む姿勢を強調した。彼は今、山田武士トレーナーと二人三脚で打撃の強化に励んでいるという。3月の石澤常光戦の前にも山田トレーナーとの公開練習でハイレベルな打撃を見せていた秋山だが、この日はさらに鋭さを増していた。右ストレート、左フック、ヒザ蹴り、パウンド…。寝技で勝負を仕掛けるためにやっている、付け焼刃レベルの打撃ではない。そのどれもが、相手を確実にKOしそうなインパクトを残していた。

 この秋山の打撃には、プロボクサーの福島学や、川尻達也や野地竜太といった総合格闘家の指導も務める山田トレーナーでさえ感心しきり。目を細めながら、賞賛の言葉を並べ立てていた。
「秋山君は、他の選手と格闘センスが違う。僕のところに練習に来ているそうそうたるメンバーが、みんな彼にぶっ飛ばされていますから。理想としては、寝ないで勝負を決めたいですね。打撃で誰も敵わず、たまらず組み付いたら投げ技やヒザ蹴りが飛んでくる。彼をそういう選手にしていきたい」

 タレントのみのもんた氏から金色の練習用グローブをプレゼントされたこともあり、秋山は充実した打撃の練習を積んでいるようだ。永田戦では、思わぬ決着が待っているかもしれない。

 道衣を着ないかもしれない。打撃を使う。勝率を1%でも上げようと努めている秋山だが、やはり彼の心の多くを占めているのは柔道家としての誇りのようだ。
「永田選手が僕を投げると言っている? 本当ですか!? でも、どうなんでしょうかね(笑)。別に投げてきてもいいですけど、投げられないと思いますよ。それに、投げたところで勝負が終わるわけではありませんから。でも、そう言われると投げの勝負もしてみたくなりますね。自信? 僕、柔道家なんで(笑)」

 道衣を脱ごうが、打撃で勝負しようが、自分はあくまで柔道家である。柔道家・秋山の驚異的な強さは、5月3日からさらに轟くはずだ。■

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>>秋山成勲:プロフィール

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秋山が付けている金のグローブは、タレントのみのもんた氏からプレゼントされたもの。「from mino」とグローブの付け心地を訊かれた秋山は「いい革を使っている。すげー気持ちいい」と、ご満悦だった


「道衣を着るか着ないかは、その試合ごとにつねに考えています」と、秋山。5月3日、彼が初めて道衣を脱ぎ捨てる!?
山田トレーナーの指導のもと、秋山のパンチはさらに切れ味が増していた。「威力が衰えることなく、さらにコンパクトにパンチが打てるようになった」と、山田トレーナーも高い評価を付けている
秋山はタックルを仕掛ける山田トレーナー目掛けて、何度もヒザ蹴りを見舞っていった。これも、永田戦での大きな武器となりそうだ


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