4月25日、KILLER BEE/山本“KID”徳郁、公開練習

 5・3『HERO'S』へ向けた山本“KID”徳郁の公開練習は、午後4時30分からスタートする予定だったが、報道陣が『KILLER BEE』に着く前からすでに彼は動いていた。躍動感のある素早い動きは相変わらずで、ワンツースリーとパンチを打っていくと、パートナーがタックルに入る真似をする。するとKIDは、まったく隙のない動作で、このタックルを切っていった。

 時間に余裕を持ってジムへ着いたはずのカメラマンが、慌ててバッグから機材を取り出し、シャッターをおしまくる。体が動きたければ、予定なんか関係なく練習に突入する。本能に任せて自分のペースで行動する、KIDらしいエピソードといえた。

 宮田和幸との試合まで、あと8日と迫ったが、KIDは絶好調をアピール。今年になって花粉症にかかってしまい、苦しんだこともあったようだが、練習中は笑みさえこぼれた。
 一通り、練習が終わるとたくさんの報道陣がKIDを取り囲む。好調の理由を次のように語った。

「4月に入って、1週間くらい、山梨学院大学で練習してきた。山を走ったり、木が周りにあって自然のなかだと、やっぱ気持ちがいい。主にレスリングをやったんだけど、現役の奴らはやっぱりタックルが速い。でも俺も負けず嫌いだから、ムキになってタックルを切った」

 この時期にレスリング特訓をするということは、宮田対策に間違いない。上機嫌に話しているところを見ると、対策は十分のようだ。
「最初に総合格闘技を始めた頃は、レスリング出身の選手は俺くらい。キックや柔術(柔道)、ボクシングをベースにしている選手はいたけど、オリンピックや世界選手権まで行ったレスリングの選手はいなかった。これまでレスリングの選手とは闘ったことはないけど、オリンピックに行った人のパワーは知っている。緊張もするけど、楽しみの方が大きいかな。宮田さんだけじゃなく、永田(克彦)さんとも闘ってみたい。総合の経験がなかったのに、レミギウスを倒すなんて、やっぱレスラーは強いから」

 レスリング五輪選手の強さを素直に受け止めたKIDは、なぜか嬉しそうな表情をみせた。それは王者としてのプライドではなく、むしろこれから強い相手と闘えることの嬉しさなのだろう。何しろKIDは、自分の過去の試合をビデオで観て、「ここで行けんじゃんかよ」と自分に腹を立てていたからだ。「それは守りに入っているのではなく、慎重になり過ぎたんだと思う」と冷静に自己分析する余裕ものぞかせた。

「だから、今度の試合は、テイクダウンされないように慎重にはなるけど、行くところは行く(勝負する)。勝ちパターン? 具体的にはあまり持っていないけど、パンチかな」とKID。宮田が魔裟斗の元トレーナーに打撃を教わっていることを聞かされたKIDは、「べつに気にならない」と自分のペースを貫いた。

 今回の『HERO'S』は5月3日に開催されるが、他にもボクサーの亀田興毅の試合などが数日後に行われる。このことについては、「日本が格闘技一色になっていいんじゃないの。亀田選手は小さい頃からやっていて、若くて強い。でも今は、俺が主役だから」と“格闘技の神の子”らしいコメントを残した。
 宮田も絶好調だが、KIDはそれ以上のコンディションとモチベーションを持っている。5・3『HERO'S』は、史上かつてない激闘になりそうな気配が漂っているぞ!!■

>>『Sammy Presents HERO'S 2006』実施概要

>>山本“KID”徳郁:プロフィール

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KIDは、打撃の連打を繰り出したあと、必ずタックルを切る動作を取り入れていた。宮田対策は十分のようだ


「オリンピックの舞台に立つのは、凄いと思う。出られるならば、そりゃあ、出たい。でも、今は『HERO'S』が一番だと思っている」

「最近、小学生に“あ、KIDだ!!”と言われる。すごい、嬉しいね」(KID)


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