5・3『HERO'S』から開幕するミドル級世界最強王者決定トーナメントを前に、上山龍紀は不思議なほどリラックスしていた。しかも対戦相手は、高谷裕之や佐藤ルミナといった強豪を次々と撃破した、日本人キラーのギルバート・メレンデスである。それでも上山が余裕たっぷりなのは、2月のMAX日本予選で元ボクシング日本スーパーウェルター級王者の大東旭に勝ったことが影響しているようだ。

「MAXで1勝できたことは、大きな自信になりました。あそこに出ている選手は、みんな強いですから。あれ以降、練習でも動きに変化が生まれてきました」
 上山曰く、以前は正攻法のスタイル一辺倒だったところが、MAXで初の立ち技ルールを経験したことにより、トリッキーな動きも織り交ぜられるようになったという。正攻法がトリッキーを、トリッキーが正攻法をさらに活かす。そんなスタイルに、上山はかなりの自信を持っているようだ。実際、上山の仕上がり具合については、Team Kingsの盟友であるシドニー五輪レスリング銀メダリストの永田克彦も舌を巻いている。

「完成度が高くて、ものすごくいい感じです。僕とは10kg近い体重差があるのに、それを感じさせないですから。技術的な面が、ものすごくキレていますね」
 上山の過去の試合を振り返ると、10kgや20kgも体重差がある相手と闘ったことが何度もある。時には、100kg近いヘビー級ファイターと闘ったこともあった。つまり上山にとって、本職の総合ルールで同体重の相手と闘える今回の『HERO'S』は、ようやく本領が発揮できる場なのである。

「メレンデス選手は日本人キラーということですが、逆に強い相手と闘うことはチャンスだと思っています。楽しみですね。今までは大きい相手との試合ばかりでしたけど、今回は同じ体格なので自分の技術が存分に出せますから」
 そう言って、上山はさらに笑った。上山の持ち味といえば、流れるような動きから繰り出す様々な関節技。そして彼は、その武器をさらに活かすための秘密兵器を開発中だという。

「コークスクリューパウンドっていうんですけど、グラウンドで上になった時は、どうしても上体の力だけで打たなければいけませんよね? これは上体に溜めを作ることによって、至近距離でも強烈な一撃が打てるんです」
 寝技の選択肢が増えた。大東戦で、強烈な打撃も経験済み。しかも体重差というハンディキャップがないことも手伝い、メレンデス戦では過去最高の上山が見られそうだ。

「僕は初代DEEPミドル級王者になっているので分かりますが、ベルトは本当にいいものです。巻くと、気持ちいいんですよ。強さの象徴ですからね。あれは何回巻いてもいいものですから、『HERO'S』のベルトを手に入れたいですね」
 上山はベルトへの拘りを語った。それにしても、コークスクリューパウンドとは、いかなるものなのか。すべては5月3日のメレンデス戦で明らかにされる。■

>>『Sammy Presents HERO'S 2006』実施概要

>>上山龍紀:プロフィール

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インタビュー中、何度も「ベルトはいいもの」と繰り返した上山。プライベートでも付けていたいくらい、気持ちがいいという


あまり他のファイターに関する情報を気にしないという上山は、対戦相手のメレンデスについても「何人なのかさえ知らない」と、ほとんど関心がないようなそぶりを見せた

ベルトを愛してやまないという上山は、当然、現王者の山本“KID”徳郁に対しても高い評価を付けている。KIDと宮田和幸の一戦も、時間があれば観戦するつもりだという


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