5月4日、全日空ホテル/HERO'S一夜明け会見

――今の心境を教えてください。
桜庭 新しいところで、一所懸命、頑張ります。よろしくお願いします。
――練習場所は、どこになりますか。
桜庭 …。
前田 それはK-1が責任を持つだろう。
谷川 ええと、練習場所は、K-1オフィシャルジムにありますし、トータルワークアウトさんやゴールドジムさんとも提携していますので、どこでも。和田良覚レフェリーのジムもありますし。本人はジムを作る予定なので、それまでは場所を提供したいと思います。
――試合の予定は?
桜庭 えー、そこまで詳しい話はしていません。今のところ、8月をどうやってかわそうかと。それで、一杯いっぱいです(笑)。
――HERO'Sに上がることになった一番の理由と印象は?
桜庭 谷川さんに好き、好きと言われて、僕も人間なので好きになってしまいました(笑)。HERO'Sは、いろいろな選手がいて、やってみたい選手もできたんので、楽しそうだなと思いました。
――闘いたい選手とは?
桜庭 ブラックマンバ!
――PRIDEに対しては、どんな気持ちがありますか?
桜庭 PRIDEに対しては、ホントに感謝の気持ちしかありません。高田道場に関しても、感謝の気持ちだけです。
――道場では、どんな選手を育てたいですか?
桜庭 ブラックマンバみたいな選手です!
――谷川プロデューサー、ブラックマンバ選手との対戦もあると。
谷川 まず体重が違うし、ミドル級トーナメントを勝ち上がっていますので、8月は無理です。話し合っていきたいですけど、もっとたくさん、いい選手はいますから。
――桜庭選手は、85kg級でしょうか。
桜庭 多分、その体重でやります。適正体重で、減量もない方がいい。
――ライトヘビー級のトーナメントへの出場は?
谷川 個人的には出てもらいたいんですけど、まだ話はしていません。
――桜庭選手としては、どうでしょうか?
桜庭 ブラックマンバ選手だったら、即、受けます!!
――道場は、いつ頃?
桜庭 今年中にできればいいなという感じですけど。
――引退までのこの先のプランは?
桜庭 基本的には、ノアの百田(光男)さんを目標にしていますので、まだ、どんどん行きたいです。一つひとつ、いい試合ができればいいかなと思います。
――PRIDEのイベントを確立した功労者であるあなたは、無差別級への出場とか、期待されていたと思います。ファンへ向けて、一言ありますか?
桜庭 こないだ新聞を見て、無差別の話が選考漏れして、行き場がなかったのもあるんで。ノアに行こうと思ったんですけど、それも難しい感じで(笑)。昔、長州(力)さんが新日本プロレスを辞めて、全日本プロレスへ行って、活気付いた。それを僕がやりたい。それで、仲良くなってほしいなと思います。
――今後、PRIDEのリングに上がる可能性は?
桜庭 僕は両方に上がりたい。そのときのキッカケもあると思いますけど。その前に、仲良くなってもらいたいのもあります。
――決断をしたあとに、高田さんと話をされましたか?
桜庭 “男だ”って言われました(と親指を突き出す)。
谷川 それは今回では、ないでしょう(笑)。
桜庭 辞めた時点では話はしましたが、今回は榊原さんと話をしました。■


前田日明スーパーバイザーのコメント


「彼のような選手は、大事にしていかなければいけない。彼は、総合格闘技がメジャースポーツとなるための一番、最初の選手。悪戦苦闘してきたからこそ、日本に総合が根付いたと思います。自分らは、総合の取っ掛かりからしてきて、メジャースポーツとして努力、邁進してきました。自分らがいなくなっても、後を継いでやってもらいたい。ただ選手でいるうちは、100%のポテンシャルでやってほしい。彼はとくに、こういう状況で、こういう試合をするのは大変だなと思って観ていました。それでも勝ってきましたからね。もっと伸び伸びとやってポテンシャルを存分に発揮してもらいたい。総合の奥深さを出せる人ですからね。使う側も、うまくやっていきたい。100%の力を出せる状態でマッチメイクするのが、本来の役目。それに気をつけてやっていきたい」

谷川貞治FEG代表取締役のコメント

「先月に入りまして、3月末に高田道場との契約が切れて、円満退社したという噂を聞きました。フリーでいると聞きまして、知り合いの方を通して食事でもと思っていましたが、待ち切れなくて本人に連絡させていただきました。これは過去にK-1から、シカティック、佐竹、ミルコ、ハント、モーリス・スミスと歴代のファイターたちがPRIDEさんへ行ってしまったという思いとは別のことです。PRIDEさんとは、今は交流がないのですが、ペイパービューで試合を観させていただいていました。

 プロデューサーとしての立場から、“ああしたい、こうしたい”というのが私のなかにありまして、フリーとなった彼にそういうことも話したいと思っていたからです。久しぶりにちょっと会って、最初は具体的な話はしなかったのですが、最後にそういう話をしました。その時点では、HERO'Sという気持ちは、10%もなかったと思います。ただ、悩んでいるように見えました。そのときは、弁護士と相談してほしいと言われて、別れました。

 そのあとは、弁護士の方と2週間くらい話をして、最終的にはラスベガスから帰ってきた月曜日(5月1日)に連絡して、“どうですか?”と話したら、“一回、お会いしましょう”となりました。そうしましたら桜庭選手は、「HERO'Sに行きます」と。でも酔っ払っているようでしたので、本当かどうか分からなかったんですけどね(笑)。本人は、『明日(5月2日=火曜日)には、榊原社長に会ってきます』と言っていました。個人的に僕が感じたのは、桜庭選手は酔っ払っていたので目が真っ赤だったんですけど、動揺はしていたように思いましたね。でも彼は、『明日、覆面を被って上がりたい。吹っ切れると思います』と言われていて、電光石火で上がる準備をしました。演出を含めて、TBSさんやスタッフにも当日の朝に伝えて。榊原社長にも電話をしましたが、留守番電話でした。

 桜庭選手からは、PRIDEさんや高田道場さんの不満は一切、聞いていません。それよりも、これからの格闘技人生の中で、迷われていた転機で、こうなったのだと思います。彼のことをよく知っている皆さんは、お分かりになると思いますが、決してお金で動いたということもありませんし、心機一転、新しい闘いの場を求めようと決めて、決断されたのだと思います。昨日は、一杯いっぱいだったのですが、今後はHERO'Sや『Dynamite!!』に出ることになれば、桜庭選手も36歳、37歳ですか? 残りの格闘技人生も完全燃焼できると思います。

 昨日、出場選手に直前に伝えたら、さすがにみんな驚いていて、刺激を受けていたようです。より活性化したリングになると思います。終わったあとも、まだ迷っていますと言っていましたが、来てくれましたからね。詳しいDSEさんとのやり取りに関しましては、不明のことが多いので、弁護士の方に聞いてください。とにかく僕は、ラブコールしか送っていません。大好きだと言っただけですから。誤解されるかもしれませんが、引き抜きとかではありません。向こうからしてみれば、違うのかもしれませんが、プロデューサーとして輝く存在にしたい、そういう思いからこうなっただけです。

 驚くほど短期間で決まったことですので、まだ準備はしていません。これから話し合って、道場も作っていくと思いますし、8月には上がってもらいたいですけど、まだトーナメントの話もしていません。とにかく、盛り上げていきたいですね」


上杉昌隆・弁護士のコメント


「彼は悩みに悩みました。悩み死にするんじゃないかと心配するくらい、悩んでいたんです。まだ悩んでいますからね。高田道場さんとの契約が切れて、フリーになって、どうするのか悩んでいて。私の友人も含めて、話をしたんです。彼は、とにかく格闘技全体を盛り上げたいと思っている人ですからね。

 PRIDEでは一つの役割を果たした。最後にやれることは何かと思ったときに、格闘技界を変えたいと思ったのではないでしょうか。みんな仲良くやってほしい、『Dynamite!!』みたいな交流でもいいですし、そういう思いが強いんです。榊原社長と私は、いろいろな話をしまして、本当に誠心誠意やっていただきましたし、PRIDEに残ってほしいともおっしゃられていました。

 ただ桜庭選手は、新しいステップのなかで、フレッシュに闘うには、新しい桜庭を見せるにはどうすべきか、悩んだすえの決断だと思います。その気持ちをお伝えして、最後は桜庭選手の気持ちを尊重されたのではないかと思います。最初は、こういう展開はあり得ないと思っていたはずです。これまでの人生のなかで、一番、長い一カ月だったのではないでしょうか。

 桜庭選手は、リングを広く捉えています。PRIDEにも上がりたいことでしょう。これをいいキッカケに変われればと思っています。(悩みに関して)彼は、これまでPRIDEでやってきて、HERO'Sに行けば、悲しむ人もいるのでは悩んでいました。(契約の問題は?)DESさんと本人は、直接、契約はしていません。あくまでも高田道場との試合の契約になっていました。現在はフリーですし、契約は問題ありません」

8・5『Sammy Presents HERO'S 2006』実施概要
5・3『Sammy Presents HERO'S 2006』試合結果

ときおり笑顔を見せて会見に応じた桜庭。HERO'Sでの試合が、いつになるのか楽しみだ

会見の冒頭では、桜庭が参戦するに至った経緯を谷川FEG代表が説明

前田スーパーバイザーも、桜庭に大きな期待をかけている

報道陣からは多くの質問が寄せられたが、いつもの“サク節”と笑顔で応じた桜庭
会見には、桜庭、前田SV、谷川FEG代表が出席
「桜庭会見」のビッグニュースに、多くの報道陣が集結した
昨日のタイガーマスク姿から一転、素顔で出てきた桜庭。8・5『HERO'S』出場はあるのか? サクの動向に注目だ!!

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