5月27日(現地時間)、アメリカ・カリフォルニア州・ステープル・センター/『UFC 60 Hughes VS Gracie』

 桜庭和志は、総合格闘技の老舗団体でもあるUFCの会場にいた。5月27日(現地時間)、アメリカのカリフォルニア州・ステープル・センターで行われた『UFC 60 Hughes VS Gracie』。この大会のメインイベントには、昨年末の『Dynamite!!』でも活躍したホイス・グレイシーが登場するからだ。桜庭が会場に現われると、ファンがサインや記念撮影のため押し寄せる。UFCのダナ・ホワイト社長らも歓迎ムードで、あらためて桜庭の人気が証明された。

 そんな桜庭が見守る中、ホイスがリングへ上がる。ホイスがUFCに参戦するのは、およそ11年ぶり。初期のUFCを支えた伝説のファイターの登場で、アメリカの格闘技ファンは大いに盛り上がる。

 ホイスの相手は、現ウェルター級世界王者のマット・ヒューズ。時間無制限、判定なしのルールを好むホイスにとって、5分3ラウンド、道衣を着てはならないUFCのルールは正直言って厳しい。それでも、あえて不利なUFCのルールに挑み、しかも現役バリバリの王者と闘うホイスの飽くなきチャレンジ精神には頭が下がる。決して安住の地には留まらない姿に、ファンや関係者、そしてファイターからも、尊敬の念を抱かれるのだろう。

 スタンドでヒューズの左フックやローキックを浴びたホイスは、最初のボディコンタクトでテイクダウンを許してしまう。すかさずアームロックを仕掛けられ、早くもピンチを迎えた。1万5000人の大声援を浴び、腕関節から逃げることに成功したホイス。ここで逆襲できればよかったのだが、その直後にバックマウントを奪われる。胴をしっかりと両足で挟まれ、身動きが取れなくなったホイスに、ヒューズは15発以上のパンチを落とした。ここでホイスは動きが止まり、レフェリーが試合をストップ。全米中の注目を集めた一戦は、4分39秒で、残念ながらホイスのTKO負けに終わった。

 観戦していた桜庭は、「ホイス選手が負けたことは、とても残念です。マット・ヒューズ選手のパワーを感じました。ホイス選手は減量でやや苦しんでいたようで、それでも敢えて不利だと言われているUFCに出場し、一番、強い選手と闘ったということは尊敬できる」とコメントした。桜庭ともに会場に訪れた谷川貞治FEG代表は、「今回の訪米の目的は、ホイス選手の応援です。それからUFCが、このステープル・センターというメジャーな場所で興行を行うということで、視察も兼ねて来ました。それに今後、K-1やHERO'Sがアメリカで大会を開いていくことに関して、大きなヒントになると思います。選手の交流に関しての話は、UFCのダナ・ホワイト社長と二日間、しました。ホワイト社長は、交流を強く望まれていましたね」と視察の手応えを持った様子。

 一方、UFCを運営するズッファ社のダナ・ホワイト代表は、HERO'SやK-1との交流、気になる選手の交換について、次のように話した。
「私は、いつもどのプロモーションとも交流していくと言ってきました。そして今日、ミスター・タニカワとサクラバがUFCにやって来てくれた。私はサクラバの大ファンです。今はまだ、サクラバがUFCに出場するという発言はできませんが、私はいつも彼に興味を持っています。もともとサクラバは、UFC-Jで名を挙げたファイター。彼は一度たりとも、退屈な試合をしたことがないエキサイティングな選手ですからね。

 そして私は、KIDヤマモト(山本“KID”徳郁)も大好きです。絶対に対戦相手を仕留めるスタイルで、とても強い。ミスター・タニカワから要請があれば、いつでもUFCの選手をHERO'SやK-1に送りたい。所属選手がお互いのリングへ上がって交流する。これも常に私が口にしてきたことです。ずっとこのように話してきても実現できないプロモーションがありましたが、HERO'SやK-1とは是非、交流したいと思っています」

 今後、HERO'SとUFCがどのような交流をしていくのか。日米二大メジャーの急接近に、世界中の格闘技ファンの注目度が高まるのは間違いない。■

UFCの大会を視察した桜庭は、ダナ・ホワイト社長にも大歓迎で迎えられた
会場にも中邑真輔も来ていた。桜庭とツーショット
谷川FEG代表もホイスの応援に駆けつけた
現ウェルター級世界王者のマット・ヒューズと対戦したホイス。不利なルールの中、蹴りで牽制する
ホイスはアームロックを極められそうになるが、これは脱出に成功
アームロックから逃げたホイスだが、バックマウントを奪われたまま、パンチを連打されてTKO負け

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