――いよいよ85kgのライトヘビー級トーナメントが始まりますが、今のお気持ちはいかがでしょうか。
秋山 ミドル級のトーナメントをずっとやっていたんで、そういうのを傍から観ていて、いいな〜っていうのがありました。ですから、やっとその舞台に立てるのが嬉しいですね。
――ワクワクしている感じですね。
秋山 でも、やることは一緒なんで、ワクワクと言うよりも気を引き締めて、っという感じですけどね。
――まだ決定ではないですけど、メンバーを見てどうですか。
秋山 いやー、すごいんじゃないですか。B.J.(ペン)もそうですし、ホドリゴもそうですし、カーロス・ニュートンもすごいし、マヌーフもとんでもないし、みんながみんな、すごい選手だと思うんで、どうにか頑張れればと思うんですけどね。
――誰と当たると思いますか。
秋山 いやー、どうなんですかね。勝ち上がれば、一番強いと言われるB.J.が上がってくるとは思うんですけど。
――一回戦のカードは、対外国人と谷川プロデューサーは言っていましたが。
秋山 外国人は強いっすからね(笑)。僕まだ、総合初めて2年しか、2年も経ってないのかな。一番、ひよっこなんで。桜庭さんとか大山先輩とかのほうがはるかに経験も豊かですし、試合数もこなしていますし。だからその分、しっかり胸を借りてやらないと。
――関係者は、秋山選手が、桜庭選手やB.J.ペン選手とともに優勝候補の一人だと思っています。
秋山 よかった〜。
――手応えはあるんじゃないですか。
秋山 正直、みんながどんな試合をしているか観てない部分もありますし。だから、自分が最後まで残らないと、と思いたい。
――谷川Pも桜庭選手と決勝戦で観たいと言っていましたが。
秋山 そうでしょうね。そうなればいいですよね。桜庭さんとそういう風になれば、それはそれですごく、自分でも面白いんじゃないかなと思いますけどね。客観的に見ても。だから、いいんじゃないですかね、そうなれば。
――モチベーションにつながりますか。
秋山 ええ。楽しいでしょうし、絶対。
――決勝戦を想像できますか。
秋山 無理ですね。まだ1回戦も終わってないのに。
――桜庭選手がまだ参加するか決定していないですが、並んでみての感想は。
秋山 ずっとテレビで観ていた選手なので、普通に「あ〜、本物や」って思って。そんな感じでしか見てないですけど。
――同じファイターとしてのオーラのようなものは感じますか。
秋山 どうなんですかね。みんな持っていますからね。だから、それを気にしてはいけないんですけど。
――印象としては。筋肉のつき具合であるとか、背丈であるとか。
秋山 想像していた感じでしたね。
――前回の試合で永田選手と対戦して、後ろ回し蹴りで決めました。試合後もおっしゃっていましたが、ルスラン・カラエフ選手との練習の時に食らって、これはいけると思って使われたんですよね。その練習時はどうでした。
秋山 メチャクチャ痛いですよ。それで肋骨にひびが入りましたから。治すことにももちろん専念しましたけど、自分のモノにできるんであればと思って。ルスラン選手に蹴り方を教えてもらいました。試合で出たのは、たまたまですよ、あれは。
――たまたまでKOはできないですよ。
秋山 本当にたまたまです(笑)。
――練習でも手応えはあったのですか。
秋山 手応えっていうか、当たればなんとかなるんちゃうかなって。2週間位でそのレベルまで持ってきました。
――ご自身が実際に体で受けてみて、コツがわかったと。
秋山 それも少しはありますね。間合いとかは、教えてもらったプラス自分もやられたってのが、すごく良かったと思います。
――相手が永田選手だったから、使えると思ったのですか?
秋山 いや。関係ないですね。永田選手の対策としてやった訳ではなく、自分の技のレパートリーが増えたらいいなと思ってやっただけです。
――その技でKOできた事はかなり自分のものになったな、といった感じですか。
秋山 まだ1回くらいじゃダメなんじゃないですか。これから当たるようになればいいですよね。
――今、他に取り組んでいることは。
秋山 今のところはないですね。完成度を高くしたり、打撃の部分の実力を上げたりとか。
――現段階では。
秋山 基礎トレーニングやって、寝技や打撃の練習したり。そんな感じで1週間回ってますけど。トータル的に。
――試合に向けては。
秋山 プラスα自分でできることを見つけて、マイナスはないと思ってるんで。何かまた新しいことを見つけたり、今までやってきたことを重複して、自分の形にするか。相手が決まっても、やってることは一緒なんで、なにかがすぐ身につく訳ではないと思うんですけど。
――対戦相手によっては、ファイトスタイルが全く違いますが。
秋山 違いますよね。でも、そこまで行く前に実力つけないと、自分も。試合までの期間にどれだけスキルアップできるか。
――しんどいですよね。
秋山 まーねぇ。楽なことはみんなやってないんで。
――ケガ、故障箇所の具合は。
秋山 今のところ、大丈夫です。ケガはどうなるかわからないんで、こればっかりは。今は全力で動ける体はできていますね。
――次はワンマッチですからね。その次が2試合ですね。練習方法も変わってきますか。
秋山 変わってくるでしょうね。
――我々は、桜庭選手とライバル関係に見てしまうんですけど。どんな試合になると思われますか。
秋山 やっぱり、今までの試合プラスα、なんかこう、いいものを見せてもらえるんじゃないですかね。
――決勝で桜庭選手と当たっても道衣を着ますか。
秋山 決勝のことは頭にないんで、想像するのは大変ですけど、着ても面白いんじゃないですか。ホイス選手とも1回ありましたし。着れたら着れたで面白そうですよね。
――このクラスになってくると、実力が拮抗しています。道衣を着るメリット、デメリットについては。
秋山 でてくるでしょうね、絶対。細かい部分で。ハンデになってしまうとは思いますけど、でもやっぱり道衣はね、できるだけ着たいなとは思いますけどね。自分の中でこだわりってあると思うんで。でも脱ぐときは必ず来ると思うんで。小川先輩と吉田先輩がやったように、柔道着を使ってうまく攻められる人間とやるときは、どうでしょう。考えてるんですけどね。そのときに応じて。この前も脱ごうか考えてたんですけど。そのときの気分にもよりますね。
――この前は、なぜ着ようと思ったのですか。
秋山 この前に関しては、もめてたっていうか悩んでて、どうしようかなって思ったんですけど。まぁ、レスリング対柔道ってことで注目されていましたし、それで着なかったら格好つかない。自分も道衣は大好きですしね。そっちのほうがいいなって。柔道代表って気持ちがすごく強かった。これからもその気持ちをなくすことはないです。
――道衣を着ることのデメリットとは。
秋山 普通に立ち技でも寝技でも掴まれることじゃないですか。引っかかる分、どうしても逃げにくくなったり。この間は感じませんでしたけど、これまでの試合では掴まれることは多々あったので。使いにくいっていうか、逆に慣れてる部分だったんで。相手が裸で、道衣を忠実に使ってくる選手だったら、また変わってくると思うんで。ホドリゴだったら利用してくるでしょうね。
――今回のライトヘビー級トーナメントですが、狙いはもちろん優勝だと思います。ファンに何をアピールしたいですか。ミドル級と比較されるとは思いますが。
秋山 でかさ、じゃないですか。ミドルは小さい分、スピードがあって観ている人には新鮮。でも迫力に欠ける部分がある。ヘビーはミドルとは違う魅力があると思いますけど、ミドルに比べてスピードがない。でもライトヘビーは丁度、大きさもあってスピードもある選手たちなので、そういった面でファンが楽しめると思います。
――どんな技で勝ちたいですか。理想としては。
秋山 普通に関節技とれたりとか、柔道の技でとれることが一番いいですね。KOよりも。
――この前の後ろ回し蹴りよりも関節技のほうがいい。
秋山 どっちもいいんですけど、柔道やってた者としては、腕十字とかとりたいですね。関節技のバリエーションも少しずつ増えてきました。
――柔道には足関節技がありませんが、どうでしょうか。
秋山 練習しなければいけないところ。足関節はすごい武器になるんでね。逆に柔道家は狙われますからね。慧舟會ではそういった対応もしていますね。
――打撃に関してはレベルアップしていますよね。
秋山 素人から上がっただけ。玄人に上がらないと。
――柔道家の中では高いレベルだと。
秋山 そのレベルだとよくないんでしょうね。柔道家の中って括りだと。総合格闘家の中で、って言われないと。
――あと、どれだけやれば他の選手に追いつける?
秋山 時間は絶対かかると思います。できるだけ投げださず、我慢して我慢して一生懸命練習することが身になると思うんで。
――焦らずにじっくりと取り組むことが大事である、と。
秋山 それはもう、どんなスポーツ、選手にとっても一番だと思うんですよね。柔道自体も、基礎というか地味な練習が一番身になると思うんで。
――今までの練習の成果はいつごろ発揮されそうですか。
秋山 う〜ん、どーやろ。それは僕もわからない。解れば一番いいんですけどね。
――ここ何試合かは発揮されていると感じますが。
秋山 更に上を目指すために、練習をやり直さないと。
――ライトヘビー級トーナメント、優勝するためには何が必要ですか。
秋山 全部じゃないですか。打撃も寝技も、力も、スピードも。全部が揃っている選手が最終的に強いと思う。
――それが揃っているのは…。
秋山 現時点では、B.J.じゃないですか。他の選手を見ていないんで分からないですけど。闘ってみないと分からない。一つだけ言えるのは、みんなレベルが高いということ。一つでも多く勝てるように、頑張りますよ。■

>>『Sammy Presents HERO'S 2006 ミドル&ライトヘビー級世界最強王者決定トーナメント準々決勝』実施概要

>>秋山成勲 プロフィール


打撃のテクニックが向上した秋山は、ライトヘビー級トーナメントの優勝候補といっていいだろう

格闘家のファッションリーダーの一面ものぞかせる、秋山。今回も、肩を露出したシャツでバッチリ決めた
桜庭との試合が実現したら、とんでもない結末を迎える気がする。はたして、二人の試合は見られるのだろうか?



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