一体、どうなってしまうんだ。KIDと須藤元気の欠場が決まった、8・5HERO'Sミドル級世界王者決定トーナメント決勝大会。当初は一回戦の勝者5名、シードとして山本“KID”徳郁、須藤元気、そして残り1枠が主催者推薦枠となっていたが、二人の欠場により大幅な軌道修正を実施。3枠が推薦枠になるという、異例のテコ入れが施されることとなった。

 順を追って説明すると、まずKIDが08年の北京オリンピック出場を目指すためプロ活動を一時休止。そして昨年のファイナリストである元気も、古傷である首のヘルニアが再発したためトーナメントを回避することになったのだ。
「KID選手に関しては主催者としては残念な気持ちもありますが、彼のカッコイイわがままに付き合って応援していこうということになりました。元気選手についてはモチベーションも非常に高く、今年こそベルトを巻くという決意で3月から出場していたんですが、首のヘルニアが再発して左手が痺れているという状態です。大学のレスリング部時代に一度やっていて、そのときも1年休部したということなんで、今回は欠場という形を取ることになりました」と、谷川FEG代表が説明。

 昨年のファイナリスト二人がそろって欠場するということで、トーナメントの質を心配する声もあるかもしれない。だが、それを補うに十分な推薦選手が主催者サイドから発表された。
「KID選手らの欠場を受け、急遽ホームページ上で誰に出場してほしいかをファンの方に投票してもらいました。我々としてもファンの方の声を重視しようということで、投票の結果を踏まえ残り3枠の選手を決定しました。まず投票でダントツの一番人気だったのが所英男選手、そして2位が高谷裕之選手でした。高谷選手は昨年のベスト4ということで、文句なしの資格があると思っています。残り1枠はアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラやヴィトー“シャオリン”ヒベイロという声もありましたが、すでにトーナメントには2名ブラジル人がいるので回避。そしてレミギウス・モリカビュチスも鼻の手術であるとか、体調を万全に戻してからK-1 MAXの方での復帰を考えていますので、これも見送ることにしました。というわけで残り1枠の主催者推薦は唯一、KID選手の顔を腫らせたことのある安廣一哉選手ということで決定いたしました」

 HERO'Sミドル級の層の厚さを証明するように、ファイナリストの両者が欠場ながら、それに勝るとも劣らない出場選手が決定。となれば気になるのがトーナメント準々決勝の組み合わせだが、これも注目のカードが続出した。決まったのは宇野VSブラック・マンバ、所VSアイヴァン・メンジバー、高谷VSJ.Z.カルバン、安廣VSハニ・ヤヒーラ。外国人選手のレベルの高さが叫ばれるなか、日本VS世界がズラリとラインナップされることとなった。

「前回いい形で勝てたので、今回も強い選手ですけど一本を取りに行く試合をしたいと思います。KID選手については、オリンピックの方で頑張ってもらいたい。僕は一戦一戦ベルトに向かって闘っていくだけです。桜庭選手? 憧れの選手なので同じリングに立てるのが嬉しいですね。桜庭さんが以前、マンバ選手とやりたいと言っていたので作戦を聞きたいと思います(笑)」(宇野)

「一回戦でKO負けしているので申し訳ない気持ちもありますけど、こういう形で呼んでもらった以上は精一杯頑張りたいと思います。ファン投票1位については、そういう方の期待を裏切らないようにしたいです」(所)

「ベスト8からの出場ということで感謝しています。ベスト8の名に恥じないファイトをしたいと思います。今年も一番強そうなヤツとやれるので感無量ですね」(高谷)

 集中合宿に入っているため安廣は欠席となったが、残る日本人3選手はトーナメントに向けての意気込みを以上のようにコメント。外国人選手の勢いが目に付いた一回戦だが、準々決勝では日本勢の巻き返しが見られることだろう。果たして真夏の有明大会を制し、10月の決勝大会に駒を進めるのは誰なのか。注目のゴングは8月5日、午後4時に鳴らされる!

 なお、KID欠場に伴い、KID応援シートの購入者のみ、チケットの払い戻しが実施されることになった。だが、大会当日はKIDが来場し、リング上で挨拶。その上でチケット購入者には特製KIDグッズを配布し、午後2時からは握手会もおこなわれるので、当日は会場に足を運んだ方が断然お得だろう。■

>>『Sammy Presents HERO'S 2006 ミドル&ライトヘビー級世界最強王者決定トーナメント準々決勝』実施概要

まさに雨降って地固まる。KID、元気は欠場となったが優勝候補の宇野、試合内容にハズレのない所&安廣、一発KOが魅力の高谷と、準々決勝出場は日本勢は豪華ラインナップとなった

前田日明スーパーバイザーもKIDの五輪挑戦を全面的にサポートすることを約束。その上でミドル級トーナメントについては「自分は(優勝するのは)宇野君かなと思ってますね」とコメントした


ついにトーナメント出場8選手が決定。一回戦を超えるような激闘が見られるのは間違いないだろう

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