――昨年11月の韓国大会以来の出場になりますけど、コンディションは万全ですか。
高谷 バッチリです。11月から今年の2月くらいまではケガもあって限られた練習しかできなかったんですけど、5月のHERO'Sが終わったあたりから全体的に追い込む練習ができた感じですね。
――慧舟會の合宿に参加するなど、つい最近までは合宿に次ぐ合宿を繰り返していたそうですね。
高谷 だから今回のオファーのタイミングはバッチリでしたね。
――体調がベストに戻ったということは、この8ヶ月はいいブランクだったわけですね。
高谷 そうですね。いまは完璧です。

――その状況で急転直下、トーナメントへの参戦が決定しました。オファーを聞いたとき、率直にどんな感想を持ちました?
高谷 途中からということになるんですけど、途中から出させてもらって感謝してますね。もう感謝感激です。ベスト8に恥じないファイトをしたいですね。
――では、一回戦のときはどのような感情を持って見ていたのでしょうか。
高谷 悔しいというのと、出ていない自分が恥ずかしいみたいな。とにかく会場で見ているのが恥ずかしかったですね。周りの人間から「オマエ、何でそこにいるの?」って見られてたと思うんで。そういう目を今回で一気に跳ね返したいですよね。

――その今回の相手ですが、一回戦で門馬秀貴選手をKOしたJ.Z.カルバン選手に決まりました。まずはカルバン選手の印象から聞かせてください。
高谷 率直な感想はゴツい。あとはパウンドがうまいのかな? とりあえず一番強そうなヤツと今年もやれるんで感無量ですね。でも試合が終わるのがちょっと早かったんで、あまりよく分からなかった。だから、これから資料を見てって感じです。
――確かに門馬選手は14?もの減量が影響したのか、一方的な内容になってしまいましたからね。高谷選手の場合は、どのような作戦を持って試合に臨むつもりですか?
高谷 僕はいつも通り。もう殴るってだけで。練習では打撃も寝技も両方やってますけど、試合では自然と打撃が出るんじゃないかなと思います。

――昨年は須藤元気選手に三角絞めで敗れてしまいましたけど、そのへんの寝技対策も万全と考えていいですね。
高谷 そうですね。いまは過去最強の高谷裕之です。
――となると優勝の自信はもちろん…。
高谷 本当にコンディションがいいんで、できると思います。殴り倒す自信もありますし。

――一回戦では外国人選手の活躍が目立ちました。それもあって今回は、より日本人選手にかかる期待が大きいんですけど、そのへんのプレッシャーというのは感じますか。
高谷 それはないですね。周りのことは、まったく気にならないです。
――周りのことは気にならないということですけど、ちなみにKID選手のオリンピック挑戦については、どう思いました?
高谷 ビックリしました。
――……それだけですか(笑)。
高谷 まあ、もし僕が同じ立場だったら防衛戦をするんじゃないですかね。ボクシングでも防衛するのが一番難しいって言うんで。でも、オリンピックって言っても、よく分かんねえな。マジメにスポーツをやったことねえし(笑)。

――そんなことはないでしょう(笑)。では高谷選手にとってのオリンピックは今回の最強王者決定トーナメントだと思いますけど、ベルトに対する思いというのは、どのようなものがあるんでしょうか?
高谷 修斗のときもランキング1位までは行ったけど、ベルトというのは巻いたことがない。だから一回巻いてみたいですね。また違う世界が見えると思うんで。
――修斗からHERO'Sに闘いの場が変わったことで、心境の変化みたいなものはありました?
高谷 親戚の人とかに認めてもらったから、そういう人たちには心境の変化はあったのかな(笑)。テレビってすげえなって思いますよ。今まではクソみたいな扱いだったんで。

――そんななか自分の中でも成長したなって気持ちもあるのですか?
高谷 う〜ん、変わってないんじゃないかな。俺自身は変わってないけど、テレビってすげえなって(笑)。
――テレビのおかげで周りが変わったわけですね。となると、やはり声をかけられる回数も増えたでしょう。
高谷 そうですね。声をかけられると、やっぱり嬉しい。でもこの前、いきなり高校生に呼び捨てにされて、ちょっとカチンと来た(苦笑)。タイムを計りながら走っている最中だったんで、立ち止まれなかったんですけどね。でも、そういうのもしょうがねえのかなって思っています。
――ただ本音では「"さん"くらい付けろ」って感じですよね(笑)。
高谷 まあ(笑)。というか、生まれて初めての経験なんで。今までだったら絶対にぶっ飛ばしてたけど、我慢しなきゃいけないんだなって。俺も大人になりましたね(笑)。
――プロ意識の現われでしょう。
高谷 プロ意識と言われると、どうだろう。俺は低いんじゃないかな。まあ、とりあえずナメられないように、というだけで。
――でも殴り倒すというのは、観客のことも意識してのことなんじゃないですか?
高谷 全然そんなこと考えてない(笑)。ただ殴りたいから殴ってるだけだから。

――なるほど。では話を戻しましょう。ベルトを巻いたあとのビジョンというもので、何か見えているものはありますか?
高谷 たくさん防衛して、いろんな強い人とやりたいですね。強いヤツは世界にいくらでもいるんで、だからベルトを獲ってからがすべての始まりかな。
――そのために準々決勝までは、どのような調整を積む予定ですか?
高谷 和術慧舟會と慧舟會の千葉支部の二箇所で、うまいことやっていこうかなと思ってます。
――一回戦で敗れた門馬選手は慧舟會所属です。敵討ちという気持ちもあるんじゃないですか?
高谷 それはありますね。門馬選手のぶんも、ボコボコにしてやろうと思います。とりあえず8ヶ月ぶりの試合だし、日本での試合も久々になるんで暴れたいですね。だから見る人は、久々の僕を楽しみにしておいてください。■



>>『Sammy Presents HERO'S 2006 ミドル&ライトヘビー級世界最強王者決定トーナメント準々決勝』実施概要

>>高谷裕之 プロフィール
呼び捨てで自分の名前を呼ばれ、一瞬、ムッとしたと笑う高谷。この人には、“さん”をつけよう(笑)


ケガで試合ができなかった高谷だが、ほぼ完治。万全の体勢で、ミドル級トーナメント準々決勝へ臨む
打撃が得意な高谷は、次の試合も殴り倒すと宣言。門馬を圧倒したカルバンとのファイトは楽しみだ


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