突然のことだった。8・12 K-1ラスベガス大会のリングに、プロレス界のスーパースター、元WWE世界ヘビー級王者のブロック・レスナーが登場したのだ。レスナーといえば、4月のK-1ラスベガス大会で総合格闘技への挑戦を表明し、HERO'S参戦をほのめかしたばかり。今度は、どんな発表があるのか注目が集まった。

「あれ、歓声が少ないな」と、マイクを握ったレスナーは、いきなりジョークをかました。
「2ヶ月前にFEGと契約し、K-1(HERO'S)のリングに上がることになった。そのK-1がここに、オレを招待してくれて嬉しいぜ。そして、試合ができるのは嬉しいね」と、総合の試合をすることをあらためて宣言した。そして、「オレを導いてくれる人、ホイス・グレイシーを紹介する」と叫び、今度はホイス・グレイシーがリングに登場した。レスナーと握手したホイスは、「レスナーは、とても技術のある選手だ。いろいろなテクニックを持っているよ」とコメント。二人は、最強タッグを組むことを約束した。

 そして、レスナーとホイスはその後、記者会見に出席。なぜ電撃の最強タッグを組むことになったのか、お互いの評価などを語り合った。

 まずホイスが説明する。
「FEGから"レスナーがHERO'Sに参戦して総合格闘技をするので、トレーナーをやってくれないか?"とオファーを受けました。彼はプロレスやレスリングでチャンピオンにもなっているし、アスリートとしての基本ができている。あとは、仕上げとしてサブミッションが必要。それを教えようと思い、受けることにしました。ヘビー級のチャンピオンになれる逸材ですからね」
 ホイスがレスナーの実力を認め、チャンピオンにするとまで断言した。お互いに多忙な生活を送っているため、まだトレーニングは開始していないようだが、「すぐにでも始める」とホイスはやる気満々だ。

 続いてレスナーが口を開いた。
「総合格闘技といえば、最初に彼の名前が挙がるほどベストのファイターだ。彼の父親のエリオさんが、総合格闘技の歴史を作ったようなもの。歴史を辿っていけば、ベストのなかのベストが誰であるのかすぐに分かるよ。彼らのベストのテクニックを学んで、HERO'Sでデビューできたら嬉しいね。トレーニングは家の近くでできるのもいい」

 すると隣にいたホイスが、「学んだことを、恩を仇で返すようなことはしないでね」と苦笑い。レスナーも、一緒に微笑んだ。気になるのは、いつレスナーがHERO'Sでデビューするか。これについては、谷川貞治FEG代表が答えた。
「レスナー選手は、ホイス選手と最強タッグを組むことになりました。時間をかけて育てたいので、半年は必要だと思います。アメリカにはボクシングも世界チャンピオンがいなくなりましたし、新しいヒーローが必要になってきていますからね。HERO'Sも10月にアメリカ大会を開催する予定でしたが、もっと完璧にするために来年の2月に延期します。場所は決定していませんが、西海岸を予定しています。年4回は、アメリカで開催するつもりです。ですからレスナー選手は、早ければ今年の年末になるかもしれませんが、来年2月のHERO'Sアメリカ大会が濃厚ですね」

 来年の2月は、まだまだ先だ。だがレスナーは、デビュー戦をまったく焦っていなかった。
「すでに総合の練習はしているが、新しいことに挑戦するのは簡単なことではない。レスリングからプロレス、アメフトに挑戦した経験があるからね。レスリングをやっていたから、テイクダウンを奪うことは自信がある。あとは、立ち技のパンチやキック、ディフェンスも学ばなければならないだろう。プロレスで有名になったように、総合格闘技でも有名になる。そのために、ホイスと一緒に練習していきたい」

 すぐにデビューして、話題を独占する力をレスナーは持っている。しかしレスナーは、単なる話題だけではなく実力でも相手をねじ伏せないと納得しない性格なのだろう。グレイシー最強の遺伝子を持つ男に、最強の肉体を持つレスナーが最高の技術を学べば、どうなるのだろうか。しばらく彼らの話題が、格闘技界を独占しそうな雰囲気になってきた。■

なんとレスナーとホイスが電撃合体を発表。一体、何が生まれるのか!?視察中の前田日明スーパーバイザーも、二人の合体に目を細めていた

8・12K-1ラスベガス大会のリングで、レスナーとホイスがタッグを組んだことを宣言。衝撃の発表をした

「いろいろな技術、可能性を受け入れたい」とレスナー。ホイスとのタッグが楽しみだ


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