――ライトヘビー級トーナメントまで、あと1カ月となりましたが、現在のトレーニングの状況は。
秋山 前の試合が終わってから体をある程度、動かしている状態です。お盆は実家に帰っていましたが、戻ってからはすぐに普段どおりのトレーニングを再開しました。
――前回の金泰泳戦は不完全燃焼でしたね。
秋山 そうですね、本当に申し訳なかったです。
――試合内容、流れとしては打撃あり、一本を狙っていく姿勢あり、完璧な内容だったと思うのですが。
秋山 流れ的にはうまいこといったとは思うんですが…自分がスッキリしなかったら観客もスッキリしないだろう、と。その点は本当に申し訳ないなと思います。自分の気持ちをスッキリさせるには、もう一度やりたい、と言うしかないですけどそれは置いておいて、次の試合でしっかり見せたいですね。
――フィニッシュできる打撃を意識した練習もしてますか?
秋山 はい、寝技への布石とかではなく、打撃は打撃でしっかり倒せるように、という気持ちはありますね。
――さて、念願のタイトルがあと2勝と目の前まで来ていますが、今の心境は。
秋山 あと2勝といってもすごい2つなので、『遠くにあるもの』だと思わないと。近くにあるって意識しない方が僕はいいと思っています。それよりも毎日の練習であったりだとか、ちょっとした食べ物であったりだとか、本当に細かい部分に気を使うようなことが多いですね。
――ライトヘビー級は決勝トーナメントに日本人が3人残りました。
秋山 順当じゃないですか。今のベストの4人が残ったと思います。
――そして対戦相手はなんと、桜庭和志選手に決定しました。以前、『絵的にも決勝で当たりたい』と言われてましたが。
秋山 そうなればとは思ったんですが……、仕方ないですね。3分の2の確率じゃないですか。だから聞いた瞬間も、『桜庭さんなんだな』と思っただけで特別なことはなかったです。あとの2人と当たっても『そうなんだ』と思うだけで、いつもの感触ですね。
――桜庭選手は総合ブームの火付け役的な存在です。そのパイオニアとしての桜庭選手の印象は。
秋山 そういった部分では経験もあり、実績もあり素晴らしいな、と尊敬の目で見ています。
――おいしい相手だな、と思ったりは?
秋山 そこまではないですけど、素晴らしい選手ですから。楽しみだな、とは思います。
――技術的にどう捉えてますか。
秋山 打撃も寝技もしっかり出来る。昔は寝技が多かったんでしょうけど、今は打撃もしっかりやっていますし、キックも素晴らしいものを持ってますから。トータル的にレベルの高い選手だな、と思いますよ。
――試合でここに注意しないと負けてしまう、というポイントはありますか。
秋山 …どうやったら負けるは考えていないです。分からないですよ。
――勝つことを考えていると。
秋山 例えば寝技でも勝てるチャンスはあるでしょうし、打撃でも当たれば倒せる自信はあるんで。立っても寝ても、という感じですね。
――桜庭VSスミルノヴァス戦は、どんな印象でしたか。
秋山 自分に置き換えることはほとんどなかったんです。一ファンとして見ている部分が多かったんですが、賛否両論あったじゃないですか。選手として不安な部分もありましたから、そういった視点でしか見ていないです。壮絶な大逆転劇といった部分では素晴らしい試合だったとは思うんですが、ああいった試合ではやっぱり選手の身体のことを気遣ってしまうんです。見ていて結構、痛かったですからね。僕らは試合を殺し合いではなく、スポーツとしてやっているので。その境目は難しいところなんですけど……。明日はわが身だと考えて、練習をしっかりしなければいけない、という心の引き締めにはなりました。
――逆ブロックの大山VSマヌーフ戦はどう予想しますか?
秋山 マヌーフも凄いですし、大山先輩もちゃんと実力のある選手ですから。大山先輩は前回のマヌーフ戦でカットしましたからね、今回は絶対にリベンジするつもりでしょうし。どちらが来ても面白い試合になると思います。
――マヌーフはスピードもありますし、現役のキックボクサーですが。
秋山 しかも寝技も出来るみたいですからね。強いな、と思います。大山先輩は堅実にしっかりとした試合をする素晴らしい選手です。もし自分が勝ちあがって、対戦できたらいい試合が出来ると思います。
――大山選手とは柔道衣を着ていきますか?
秋山 そのときは控え室で、『どうしましょうか?』と聞きますよ(笑)。
――やっぱり柔道家として一本勝ちにはこだわりますか?。
秋山 取れれば取りに行きますけど、そこまでのこだわりはないです。でも一本とかKOで早く終わった方が楽じゃないですか。しんどいですから(笑)。
――打撃も当たったら痛いですもんね。
秋山 痛い、痛い(笑)。痛くないほうがいいですよ。みんながそう思ってるんじゃないですか。殴り合いたい、と心から思うような人はいないでしょう。
――唯一の敗北であるジェロム・レ・バンナ戦。ヒザでKOされているわけですが、その経験は今の打撃に活きていますか。
秋山 打撃が必要だと思った一つのきっかけですね。あの経験は良かったと思います。
――今では定番となった『柔道、最高!!』ですが、この言葉に込める気持ちを教えてください。
秋山 僕が柔道衣を着ることで『柔道をやりたい』とか『総合格闘技をやりたい』と言ってくれる人が一人でも増えれば。それが今まで柔道をやってきた僕の役目だと思っているんです。それプラス、柔道に対しての恩返しが出来ればいいですね。そういう風に思う気持ちが言葉に出ているのかな、と思います。
――経験上、試合で出せる柔道技は何がありますか。
秋山 足技はほとんど出せるんじゃないですか。小内刈り、大内刈り、小外刈り、大外刈り、払い腰、支釣り込み足……、ほとんどですよね。
――桜庭選手に対しては、どんな技が出せそうですか。
秋山 倒して勝ちじゃないので、倒した後のことを考えないといけませんからね。桜庭選手はすごく器用で、色んなことに対応できそうですから。それに対応できるようにしたいと思います。これから考えます。
――では改めて、優勝への意気込みをお願いします!
秋山 やっと、ベルトを巻くことが出来るかもしれないところに来ています。もちろん自分が巻くことが一番なんですが、それより応援してくれる仲間に巻いてあげて、それを見るのが楽しみです。
――やっぱりチームの支えは大きいですか?
秋山 本格的にやっている人たちは少ないんですけど、気持ちの部分ではみんな一緒ですよね。そういった気持ちを捨てるわけにはいきませんし、仲間としてベルトを巻いてあげたいな、と思うんです。
――ところで、オリックスの清原和博選手とも親交の深い秋山選手ですが、8月29日にサヨナラ本塁打のプロ野球新記録を打ち立てましたよね。活躍に刺激されますか。
秋山 記録が出るたびに『おめでとう』とか、そういった言葉はないんですけどね、まだ現役ですから。それを言ってしまうとモチベーションが終わってしまう気がするので…。常にそれが当たり前だと思ってやって欲しいんです。2000本安打を達成して、本塁打500本打って、サヨナラの新記録を作って。でもまだ現役だから、もっともっと記録を更新して欲しい人なんです。そういうものを持っていますから。体はボロボロなんですけどね。僕なんかまだまだ恐れ多いですけど、僕が何かをすることで逆に清原さんの刺激になったりすれば、すごく嬉しいことですよね。
――また、大晦日の『Dynamite!!』ではセコンドをやってもらうとかは?
秋山 そうなれば一番、面白いですけどね。■

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秋山成勲 プロフィール


10・9『HERO'S』で遂に桜庭和志とのビッグマッチに挑む秋山。オフィシャル取材班が直撃した!!

前回の金泰泳戦を振り返りつつ、次戦へ懸ける意気込み、柔道への思い、また仲の良い清原選手に関しても語った

10月9日にはまた会場で『柔道、最高!』が聞けるのか!? 秋山のパフォーマンスに注目だ!!



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