10月23日、大阪・MBS社屋／『FieLDS K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!』対戦カード発表記者会見

　大晦日に京セラドーム大阪で行われる予定の今年の『Dynamite!!』は、『大晦日の結末が格闘技の未来を示す』がテーマとなっている。『Dynamite!!』シリーズは今年で5年目。大阪での開催は3回目を数える。過去、同イベントの大阪開催では、曙VSボブ・サップで平均視聴率21％を叩き出し、魔裟斗VS山本“KID”徳郁が大きな波紋を呼ぶ。そして昨年は、KID VS須藤元気で話題を呼び、『Dynamite!!』で注目を集めた選手が、その年の主役になるという方程式が出来ていった。まさに、『Dynamite!!』こそ格闘技の未来予想図といっていい。
　そんななかで今年の『Dynamite!!』も、名勝負になりそうなカードが決まった。谷川FEG代表は、「こんなに思い入れのあるカードはない」と語るカードは、HERO'Sライトヘビー級王者になったばかりの秋山成勲と総合格闘技のスーパースター、桜庭和志の初対決だ。周知のように、このカードは、今年のHERO'Sライトヘビー級準決勝で実現するはずだった。
　ところが桜庭は、練習中に古傷の首のヘルニアが再発。頭痛と吐き気を催し、ドクターストップがかかってしまう。秋山は「桜庭選手と闘えることに意味を持っていましたので、気持ちを切り替えることが難しかった」と無念の表情でコメント。幻のカードに終わるかと思われた。だが、秋山がライトヘビー級決勝戦でメルヴィン・マヌーフから逆転勝ちを収めると、「桜庭さん、大晦日で待っています」とラブコールを送る。この熱意に応える形で、今回のカードが決定した。
　会見には、秋山と桜庭が参加。それぞれが登壇すると、お互いに苦笑いでファイティングポーズを作った。まず桜庭が「秋山選手と闘う予定だったんですけど、それができなくて。リングサイドから観ていたら、いい試合をされていると思いました。本当に凄い試合をしていたので、それに負けないようにしたいです」と挨拶。秋山は、「やっぱり桜庭さんは憧れの選手。胸を借りるつもりで、ぶつかっていきたい」と、それぞれが抱負を語った。
　気になるのは桜庭の体調。本人の話では、医者からもGOサインが出て、「問題なく殴り合っています」と、すでに決戦へ向けて練習を再開しているという。ファンは、ホッと胸を撫で下ろしていることだろう。
　話題になったのは、道衣着用について。秋山は「これは、いつもギリギリまで悩むこと。最終的には直感で決めたい」と言う。前回のトーナメントでは、道衣を初めて脱いでケスタティス・スミルノヴァスの動揺を誘ったが、今回もまた駆け引きはあるはずだ。
　これに対して桜庭は、「僕も柔術は黒帯なので、道衣を着たらどうかなと考えています」とドッキリ発言。秋山は、「それは、それで面白いと思うんですけど、まだ道衣を着た選手とはやっていないので、興味はありますね」と色気を出していた。
　桜庭が相手の土俵で闘うとは思えないが、あえて不利の条件に飛び込んで名勝負をしてきた背景もある。どちらにしても、この対決は、今年の一番の旬なカードであると同時に、来年の格闘技を占う一戦になりそうだ。
　また谷川FEG代表が挙げた、出場予定選手の名前は以下の通り。山本“KID”徳郁、須藤元気、曙、武蔵、宇野薫、所英男、永田克彦、金子賢。KIDはレスリングでオリンピックを目指している最中だが、出場が決まれば大きな話題を呼ぶことは必至。そして、魔裟斗にも打診をするようで、例年にも負けないくらいのオールスターが揃うことになりそうだ。
　やっぱり、大晦日は『Dynamite!!』。続報をお楽しみに!!■


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