——優勝されたあとは、すぐに海外へ行かれてしまったので、聞きたい話はたくさんあります。まずナイキのCM撮影はどうでしたか。
秋山 すごく、カッコいいCMができるのではないでしょうか。様々なジャンルのトップ選手を集めて、コンセプトに沿って、動きのある感じのCMになると思います。
——秋山選手は、どんな役を?
秋山 僕は格闘技ということで、格闘技の色を出せるようにしています。でも、道衣は着ていないです。飛んだり、跳ねたり、殴ったりといった感じです。
——そのCMでタイガー・ウッズ選手やロナウジーニョ選手と共演ですか?
秋山 ウッズ選手はどうなるか分からないみたいですけど、ロナウジーニョ選手は僕の一日あとの撮影だったんです。スリーパーをかけようと思っていたんですけどね(笑)。でも、撮影はみんなバラバラでしたよ。
——優勝した翌日、テレビに出演。飛行機に乗って撮影へ向かわれたわけですけども、何を考えていたのですか。
秋山 気持ちをCMに切り替えて、ロナウジーニョに会えるかな、とか考えていましたね(笑)。普通にそんな感じでした。
——大会を振り返ったり、実感を噛み締めることは。
秋山 外国に行くんで、実感がなかったですね。世界が変わってしまったんで。日本にいれば、周りが言ってきますけど、海外の人は分からないじゃないですか。
——試合のシーンが、甦ったりはしてこなかったのですか。
秋山 あんまりなかったですね、意外に。夢でも見るかな、と思ったんですけど、そういうのもなかったですしね。
——ついに念願のベルトを手にしました。オリンピックのメダルとは、違うものなのでしょうか。
秋山 僕の中では同じもの、という喜びがあります。それくらいの価値があると思っていますね。
——ベルトを手に入れたではなく、手に入れてしまいました、と言っていましたが。
秋山 本当にそんな感じです。まだ総合を始めて二年しか経っていない自分が、と言う意味で、手に入れてしまいました、なんだと思います。まだまだ強くなっていきたいな、と思う気持ちもそうですね。獲ったぞ、という感じではないです。
——でも偶然ではありませんよ。
秋山 いろんなことが作用したと思うんです。運もあったでしょうし、周りのサポートもありました。全部のタイミングがよかったです。

——まずは準決勝を振り返ってもらいます。ケスタティス・スミルノヴァス選手はハードパンチャーでした。公開練習での変則的な右のフックが危ない、と感じていたのですが、どうでしたか。
秋山 桜庭さんとの試合を観て、すごい実力のある選手だな、と思っていました。簡単ではないな、と感じていたのである程度の警戒はしていましたね。右だけではなく左のパンチも警戒していました。桜庭さんをダウンさせたのは左のパンチなので。
——受けてみてどうでしたか。
秋山 ある程度、距離をとっていたんで、そこまでは。でも当たったらやばいな、とは感じました。
——あの試合の焦点は、最初の1〜2分を秋山選手がしのげるか、だと感じました。試合のプランとしてはどうだったのですか。
秋山 ある程度、距離をとって、すぐには組まずに行こう、という考えでした。力が強いんで力で対抗しなくても、という感じです。
——相手が来るのを待っていた、ということですか。
秋山 それと自分が行くタイミングが合えば、行こうとは思っていたんですけど。
——慎重に闘っている印象がありましたが。
秋山 それが距離をとった結果ですね。
——どのあたりから行けるな、と感じましたか。
秋山 どこかな。ローキックを蹴って右が当たったくらい、最後の最後ですね。
——そこでまさかのハイキックでした。狙っていたのですか。
秋山 練習ではやっていましたけど、当たればいいかな、という感じでした。
——ローキックで崩して、パンチを入れてのハイキック。理想的でしたね。
秋山 形としてはキレイでしたね。それが本当にうまいこと行っただけです。
——実際、スミルノヴァス選手はどうでしたか。
秋山 力強い打撃をするな、と感じました。体つきからも、そういった印象が強かったですね。
——直前に対戦相手が変わってしまい、モチベーションを保つのが難しかったのではないですか。
秋山 ある程度、切り替えをしなくてはと思っていましたし、しょうがないことだと自分に言い聞かせましたよ。
——道衣を試合で初めて脱ぎました。あの瞬間にひらめいたのですか。
秋山 常に準備はしていますからね。一回くらいトーナメントで道衣を脱ぎたいな、という気持ちがあったんです。みんなを驚かせることを一つやりたいな、と思っていましたから。それに、スミルノヴァス選手も柔道経験者と聞いたので。いろんなことが作用しました。
——スミルノヴァス選手も秋山選手が道衣を脱いだことに動揺していたようでした。
秋山 そうなんですか。そういうふうには見えなかったですね。
——彼の中でのプランが大分、変わってしまったようですよ。
秋山 そうですか。それならよかったです。
——道衣を脱いで闘う、というのは自分としてはどうでしたか。
秋山 そんなに違和感はなかったです。ちょっとスースーするくらいです。

——決勝では必ず着ていこう、と思っていたのですか。
秋山 最終的に負けても勝っても、着れることが一番だと思っていたんで。
——メルヴィン・マヌーフ選手は柔道経験者ではありませんでしたね。
秋山 それもいいように作用しましたね。ただ、掴まれて殴られる危険性はありましたから。それはデメリットだと思うんですけど、そういったことはあまり考えなかったです。
——決勝では大山俊護選手をボコボコにしたマヌーフ選手との対戦でした。怖さはありましたか。
秋山 それは普通に怖いですよ。怖さがないことはないです。
——特別な恐怖があったのではないですか。
秋山 すごいですからね。殴ってくるのがハンパじゃなかったですから。
——最初のラッシュが来たときはどうだったのですか。
秋山 凄いッスよ、本当に。圧力も凄いですし、全部が全部、凄かったです。回転もスピードも。
——あそこから立て直したのは、さすがは秋山選手ですよね。
秋山 いやー、よく立て直したと思います。でも、負けるって感じはなかったですね。どうにかしないと、という感じでした。
——なぜ弱気にならなかったのですか。
秋山 分かんないですね。そのときはそう思いました。ダメージもなかったし。蹴られたローの部分がちょっとダメージがあったくらいですね。蹴られたときは痛くないんですけど、あとで蹴られてたんだな、と実感しました。脳は全然、大丈夫でした。
——狙っていたのは腕だけですか。
秋山 そうなればいいかなと思っていました。殴っても勝てないですからね。
——抱え上げられたときはどうでした。
秋山 いや、別に。持ち上げられてもって感じでしたね。またうまく上になれれば、とは思っていました。
——しかしマヌーフ選手のように、あれだけのヒールもいなければ、あの場面から逆転した例もないのではないでしょうか。
秋山 そうでしょうね。自分としては出来すぎです。ダメージもなく行けましたし、本当によかったです。

——そして、今度は大晦日の『Dynamite!!』。相手は桜庭和志選手に決まりましたね。会見で桜庭選手と並んでみて、実感は沸いてきましたか。
秋山 まだ実感は沸いてこないですね。ただ、桜庭さんやと(笑)。ブラウン管を通して観ていた印象しかないですね。■

※以下、後編へ続く




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桜庭とのドリームマッチが遂に実現! 王者・秋山から目を離すなっ!!

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優勝した翌日はナイキのCM撮影があり、「ロナウジーニョに会えるかな♪」とすっかり気持ちは切り替わっていたそう


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ちょい不良(ワル)スーツでこの日もビシッ!





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