11月23日、ディファ有明/『ZST.11』

 大晦日に行われる一大イベント、『FieLDS K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!』への出場が期待されている所英男。昨年の同大会ではホイス・グレイシーと互角以上の勝負をして、一気に株を上げたことは記憶に新しい。今年も、所に大きな期待がかかるのは当然といってもいいだろう。

 そんななか、所はホームとなる『ZST.11』(11月23日、ディファ有明)に出場した。この大会は、ZST4周年記念として行われ、チケットは完売の大盛況。リングサイドにはK-1の谷川プロデューサーが視察に姿を見せ、その注目度の高さを感じさせた。

 所は、寝技のスペシャリスト、バレット・ヨシダと組み、タッグマッチに出場。ZSTのタッグマッチとは、いわゆるプロレスのようなツープラトン攻撃はないが、ピンチになればパートナーとタッチで交代できるという、ハラハラドキドキの面白いシステムだ。一本をとられた選手はその時点で試合から除外されるため、駆け引きも要求されるスリリングなルールでもある。対戦相手は「所だけ見に来ている女性ファンを黙らせる」と、気合の入った稲津航、佐東伸哉のタッグ。

 パンチ、キックともキレがある所は序盤から積極的に打撃戦に打って出る。スピードのある動きで相手を翻弄し、何度か一本まで惜しい場面を作るが時間切れ。無念のドローに終わったものの、好調ぶりを存分に見せつけた。

 勝って勢いをつけたかったが、存在感は示した所。視察していた谷川プロデューサーは、「『Dynamite!!』の出場予定選手? いや、確実に出てもらおうと思っています」と、腹をきめた様子。さらに、「対戦相手については、なるべく所選手の要望を聞いてあげたいですね。大物対戦にしたいです」とコメントし、会場をあとにした。

 所は10・9HERO'S横浜アリーナ大会で金子賢を破ってから絶好調だ。今年に入ってから『HERO'Sミドル級トーナメント』、『GT-F2』と連敗を喫していた所は、元・俳優との対戦という屈辱的とも言える試合に一度は首を横に振った。それでも対戦を決意したのは、年末への想いがあったからだ。前田日明ス−パーバイザーから絶対勝利を義務付けられたプレッシャー、本戦敗退の悔しさを金子戦にぶつけた。結果は1R一本勝ち。過酷な状況で真価を発揮した。

 さらに、11月11日のリトアニア大会でも、アルテミジェ・シテンコフに三角締めで一本勝ちと波に乗っている。異国の地でもしっかりと結果を残した。
 さすがに今回の試合後は、勝利できなかった悔しさをにじませた所。「試合は難しいな、というのをあらためて実感しました。反省しています」と、残念そうな表情を浮かべた。

しかし、話題が『Dynamite!!』に及ぶと、「今日の試合で勝って、マイクアピールをしたかったんですけど」と、前置きをおいた上で、「須藤元気選手と対戦したいですね。魅力的な選手ですから」と、こちらも出場に期待がかかる須藤元気にラブコールを送った。

 所から対戦要求をするのは珍しいが、それだけ須藤に魅力がある証拠。饒舌になっていった所は、「好きな選手です。やったらどうなるのか楽しみですから。それに…喰ってやろう、という気持ちも強いです」と、すでに戦闘モードに入っていた。二人は、ともにトリッキーなファイトスタイルが持ち味の選手。もしも、対戦が実現すれば、瞬きをするひまがないほどのスピーディーな試合が展開されることは間違いない。他の試合を喰ってしまうほどのベストファイトになる予感さえ漂う夢のマッチメイクともいえる。

 もちろん、まだ正式には決まっていないが、須藤がどんな返事をするのか気になるところ。谷川プロデューサーも、「僕と所選手は、同じ対戦相手を考えている」と匂わせたことからも、実現の可能性は十分にあるはずだ。須藤元気VS所英男は、ファン垂涎のカード。夢の対戦の実現は、『Dynamite!!』こそ相応しい舞台といえるのだが。■

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須藤との対戦を希望する所。果たしてこのビッグマッチは実現するのか

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「仕上がりはいいですね」と、谷川プロデューサーも絶賛。須藤元気との試合は実現するのか

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一本を狙う所。あと一歩というところでチャンスをものにできなかった

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タッグマッチは、時間切れのドローに。所は、何度も悔しそうな顔をみせた



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