まったく対照的な二人だった。
 連日、『FieLDS K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!』(12月31日、京セラドーム大阪)の対戦カード発表記者会見が行われているが、この日、谷川プロデューサーが発表したのは、金子賢VSアンディ・オロゴン。その二人が、記者会見に出席した。


シリアスな金子と笑うアンディ

 白いニット帽を深々とかぶった金子は、ややうつむき加減でカメラマンの前でファイティングポーズをとる。一方のアンディは、スーツ姿で現れて、笑顔を振りまいた。記者会見のときから、すでに試合は始まっているというが、それぞれの思惑があるのだろう。

 とくに金子は、タレント活動を休止してまでプロ格闘家の厳しい道へ足を踏み入れた。だが、現実は厳しい。前回のHERO'Sでは、所英男に敗北。試合前、前田日明スーパーバイザーの強烈な叱咤激励もあり、内外からの批判を一身に受けることとなった。
 そして今回は、「金子選手は、これまで胸を借りるくらいの選手たちが相手でしたが、今度は二人とも、ほぼ同じくらいのキャリア。等身大の真価が問われる試合になる」と、谷川プロデューサーが見所を説明した。

 金子が闘うアンディは、ボビー・オロゴンの実弟。今年のK-1MAXでデビューして、安廣一哉を相手に兄譲りの身体能力の高さを証明した。だが、キャリアはまだ1戦。しかも総合格闘技のHERO'Sルールに決定し、谷川プロデューサーが説明する通り、金子にとっては絶対に負けられない試合になったといっていい。
「練習は、ほぼ毎日、桜庭さんとやっています。打撃よりも、寝技に多く取り組んでいますね。チャンス? やるときは、いつもそういう気持ちを持っていますから。相手の印象? あんまりピンとこなかったですね」と金子は、戸惑っている様子で語った。これまで金子は、胸を借りる立場にいたが、今回はまったくの逆。かなりのプレッシャーがかかっているのが分かる。


金子が最後の試合になることを示唆!?

「偉大な選手が出る舞台ですから…、最後の大会、ラストチャンスのつもりで頑張りたいです」とポツリ。最後の大会発言に過剰に反応した記者が、「これで引退するつもりですか?」と厳しい質問が飛ぶ。すると金子は、長い沈黙…。そのあとに、「これからも格闘技はやっていきますが、そういう覚悟で闘います」と言葉を絞り出した。

 そんな悲壮感のある金子に対して、アンディはこれも兄譲り(?)の熱弁をふるった。

「前回、負けていたので、もうオファーがこないぞと兄に言われていて、諦めていたんですよ。そうしたら連絡があって。てっきりK-1ルールだと思って喜んでいたら、一昨日、総合格闘技ルールになると聞いたんですよ。驚きと不安ですよね」と、まるで人事のようにヘラヘラ笑い。K-1を始める前は、1年半前に兄とともにグラバカで寝技の練習をしたことはあるが、あくまでも体作りが目的。「今回は、来年のMAXへ向けての試合。だから打撃の練習しかしませんよ」と、不気味なリラックスムード。


兄・ボビーはなぜか音信不通…!?

 兄のボビーへの報告は、「電話したら携帯止められていた。なので、事務所にFAXを流しておきましたね。でも、連絡がないんだよな」と記者を笑わせた。金子の引退の覚悟で闘うという発言に対しては、「ボクにとっては重いな、それ。なんでボクのときなの? 違う人とやって、引退してほしい。ご自由にどうぞって感じだけど」と、憎たらしいコメントで高笑い。

 最後までシリアスな金子と、どこまでも明るいアンディ。はたして、どんな結末が待っているのだろうか。■


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引退覚悟で闘うことを決めた金子。アンディは「気楽に闘う」という

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「緊張しないでやってきたことを見せたい」と金子は厳しい表情

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アンディは、「今回のテーマは、枯木も山の賑わい」と謎のメッセージ




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