ホイラー・グレイシーの引退試合の相手に選ばれた、所英男。この大役を任された所は、『FieLDS K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!』（12月31日、京セラドーム大阪）へ向けて、ヤル気満々になっているようだ。
■須藤さんが聞いたら怒るかも…
——『Dynamite!!』への出場が決まりましたが、須藤元気選手との対戦ではなくて不満そうですね。
所 ぜ、全然、不満じゃないですっ（汗）。ダダダ、『Dynamite!!』に出させてもらえるってだけで光栄なことですからっ!!
——でも、須藤元気選手と闘いたいと言われていましたよね。
所 闘いたいですけど、いざ、やるとなるとたぶん緊張してしまうんで。これくらいの方がいいのかなぁと（苦笑）。
——会見ではダブルヘッダーで闘いたいと言われていましたが、どういう形式ですか。
所 そうですね。勝ったら違う人の入場テーマが流れてきて…、須藤さんが聞いたら怒ると思いますけど（笑）。
——思わず言ってしまったということですか。
所 そうです。失敗したなと思っています（反省しきりの様子）。とりあえず、闘えたらいいなという感じでした。それくらい魅力的な選手だと思っているんで。本当はトーナメントを勝ち進んで対戦するのが一番いいんでしょうけど、僕、負けちゃいましたから…。
——須藤戦が流れてしまったと聞いたときはどうでしたか？
所 残念ですけど、須藤さんの体調もよくないと聞いていましたから。お互いに体調のいいときにやれるのがベストです。ケガをしている須藤さんに勝っても、本当に勝ったことにはならないですし、負けたらえらいことですからね。今はそういう時期じゃなかったんだなと思います。須藤さんとは闘えませんでしたが、ホイラー・グレイシー選手の引退試合という、すごく重大な役を任せてもらっていますからね。自分でも偉くなったもんだなぁってヒトゴトみたいに思います。
■一時期、燃え尽き症候群に陥って…
——ホイラー選手が、最後の相手に所選手を認めたということなのでしょう。
所 グレイシー一族と絡めるというのが、格闘家としてすごく誇りに思います。それがまた『Dynamite!!』ですから。どこでどうなったら、こうなれたんだっていう…すごいなと思います。
——昨年のホイス・グレイシー戦というのは、自分の中でどういった位置付けなのですか。
所 あれは結構、燃え尽き症候群になった部分もあるんです。最近はなるべく忘れるようにしています。ホイス選手と、あそこまでやったというのは自信になるんですけど、そのことばっかり考えていたらそれ以上は、成長しないと思いますから。
——試合後、周りの反応はすごかったのですか。
所 終わってすぐ実家に帰ったんですけど、そっちでもすごかったです。今年もそうなればいいんですけどね。
——そこからモチベーションが上がりにくくなっていたというのは、あったのでしょうか。
所 そうですね。どこか燃え尽きたところがあったんですね、今、考えると。練習でもありました。
——気持ちが入らないのですか。
所 入らないわけじゃないんですけど、以前みたいな闘志、「やってやるぞ」というのが一度、そこで薄れた感じはあります。ボーっとしていた感じです。
——それが今年の苦戦につながったということですか。
所 内容とは別なんですけどね。気が抜けてしまうくらい、ホイス選手の存在が大きかったということですね。言い訳ですけど。勝っていたら何もないですしね。振り返ってみると、そうかなと思います。言い訳ばっかりしていましたね、今年（苦笑）。
■僕より勝村さんのほうが心配です
——現在のモチベーションはどうですか。
所 今はもう、すごい燃えてるっていうか、『Dynamite!!』に出れるということですごく嬉しいです。
——心配よりも、やってやるという気持ち？
所 勝ち負けはあるんですけど、どっちにしても攻めて終わろう、という気持ちがあります。あとは同じZSTの勝村（周一朗）さんが心配です（笑）。ZSTのときも控室が一緒だったんですけど、「やりたくない」「誰とも試合したくない」というくらい緊張していますので。
——緊張するので、タイガーマスクになって出てきたいと話していました。
所 本当ですか。僕がそれを剥いでやりますけど（笑）。会場に出る前に。同じタイガーでも、知り合いとしては黒いマスクを付けた方がいいと思います。ブラックタイガーだと思うんです、腹黒いんで（笑）。
——今回、所選手はホイラー選手の最後の相手になります。ホイラー選手はどういった存在ですか。
所 アブダビコンバットの世界一を何回も獲っていて、その日本予選を僕は見に行っていたんです。その頂点にいる人ですからね。すごいレベルの選手だと思います。僕なんかを相手にしてもらえるというのが、すごく光栄です。体感したいというのはありますね。体感していたら終わってしまいそうですけど。
——打撃、寝技のどちらで勝ちたいですか。
所 欲を言えば寝技で勝ちたいですけど、勝てればなんでもいいというのが本音です。
——日本人でホイラー選手に寝技で勝つのはなかなか難しいですけど、そのあたりはどうなのでしょうか。
所 普通に考えたら、寝技ではやられるというのがあります。それくらいの実力の差はあると思います。すごく強いですから。
■大晦日は“インパクト”を残したい
——ホイラーの何が“強い”と思いますか。
所 うまいですよね。足の使い方だったり、ポジション取りだったり。でも総合なんで、寝技だけならすぐ終わっちゃうかも知れませんけど打撃もありますから。
——打撃がポイントになりますか？
所 どうなんでしょうかね。タックルとかなのかなとは思いますけど。
——昨年のホイス戦のように闘えば、勝てるような気がしますが？
所 また、あの試合ができるかといったら分からないです。今、肉体改造をしていて、進化をしている実感はあるんで。昨年を越える試合になればと考えています。放送は5時間34分あるので、いい試合をしたいです。
——放送時間が関係あるのですか。
所 みんなの試合が映ると思うんですけど、それで試合内容が分かると思うんで。その中で一番になりたいです。
——長い時間、映りたいですか。
所 う〜ん。時間よりもインパクトというか、いい試合がしたいです。会場に来てくれるお客さんや、テレビで観ている人に伝わる試合をしたいです。
——勝村選手も、今回は所選手と内容で勝負をすると言われていました。
所 勝村さんと内容勝負ですか。でも、僕らみたいな小さい団体から出た二人が、こんな大きな大会で一番いい内容の試合ができたら、すごく嬉しいですし、夢があると思います。『ZST大阪大会』、『ZST祭り』になればいいですね。他の選手には失礼ですけど、エヘヘ（笑）。■
»『FieLDS K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!』対戦カード
«所英男：プロフィール |
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大晦日はこんな“逆境ファイター”をみんなで応援しよう!!
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