チェ・ホンマンの危険な技が繰り出されるたびに、詰め掛けた報道陣から「おおーっ」「ええーっ!?」と驚愕の声が上がる。正道会館で行われた『FieLDS K-1 PREMIUM2006 Dynamite!!』(12月31日、京セラドーム大阪)へ向けたホンマンの公開練習は、まさにすべてが規格外、驚きの連続だった。


ボビーに顔面崩壊の危機?

「これから、禁じ手としている4つの技を公開します」
 ボビー・オロゴン戦へ向けた異例の公開練習は、それが始まりの合図となった。金泰泳トレーナーの指示でホンマンは、ヒザ蹴りを連発。一発、一発が重く、ミットを持つパートナーの体が宙に浮き、吹っ飛んだ。だが、「はい。では、そのまま当てずに、上段へのヒザ蹴りへチェンジ」と指示を送ると、パートナーの身長を軽く超える脅威のヒザ蹴りが左、右と繰り出されていった。まともに当たれば、悶絶必至どころか顔面崩壊の危機に陥る。「ボディへのヒザ蹴りはいいですけど、顔面に当たる蹴りは危険ですね」と、思わず金トレーナーもストップした。

 続いては、相手を持ち上げてマットへ叩き落す、投げ技のバスターを披露。この技は、ボビーと体格が似ているということで、正道会館の全日本ウェイト級準優勝者の地主正孝が務めた。地主が下から三角絞めを狙うと、ホンマンはそのまま高々と抱え上げる。

 道場の天井へ届くかと思われるほど、高く抱え上げられた地主は、真っ逆さまに落下。あらかじめ用意してあったミットの上へ落とされたため無事だったが、これが堅いマットの上だったら、大きなダメージを負うのは間違いない。


禁じ手がある方が面白い

 これが二つ目の禁じ手。そして、三つ目の禁じ手は、なんと両手で片腕を持って捻る行為だ。これまでK-1の大きなグローブで隠されていた巨大な手が、総合格闘技用のオープンフィンガーグローブになると、自由に動ける。雑巾を絞るように相手の腕を捻るだけで、かなりの力が加わる。通常の体格の選手ならば、これでタップを奪うことはまず考えられないが、ホンマンがやると危険な技となる。160kgの体重が加われば、腕は簡単に曲がってしまうことだろう。

 最後の禁じ手は、寝技でのアイアンクローだ。相手の上に乗ったホンマンが頭を強く握っただけで、大きな力が加わる。ボビーとの体格差を考えれば、小さな頭がリンゴのように潰される可能性もある。金トレーナーは、以上の4つの技を禁じ手とした。これらの技を使わなくても、「何パターンも考えられる」と金トレーナーは自信満々にコメントした。ホンマンも「禁止されている技があるけど、それも面白い」と、まるで楽しんでいるように笑った。


ボビーは大人しくした方がいい

 もちろん、試合である以上、ルールで禁止されていない、これらの禁じ手が使われる可能性はある。ホンマンによると、それは「相手が挑発してきたら使う」ものらしい。挑発というのは、試合だけではなく、記者会見も含めてのこと。ボビーが芸人魂を爆発させて、いつものように挑発したら、相手をリスペクトすることを重んじるホンマンの怒りの琴線に触れることとなるはず。そうなったら、ボビーの体が心配だ。できるだけ、ボビーは大人しくしておいた方がいいだろう。

「私を怒らせたら、彼は病院行きです。でも、大ケガをしても、病院へ行けば治してくれるから大丈夫ですよ」と口元を緩めるホンマン。スパーリングでも、相手の肩を壊し、タックルを難なく切ってみせた。初めての総合格闘技ルール挑戦となるが、もしかしたらK-1と同様に、とんでもない力を発揮するかもしれない。■


»『FieLDS K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!』対戦カード
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寝技でのアイアンクローは、体格差を考えると危険だ

ホンマンの顔面のヒザ蹴りは禁止技の一つ

相手を抱え上げての豪快なバスター(投げ技)。この技はあまりにも危険なため、禁じ手となった

相手の腕を雑巾のように絞るだけで、ホンマンの場合は必殺技となる
 photo総合用のグローブを初めて装着。だが、特注の4Lサイズでも合わなく、ハサミで切り刻んで強引につけた



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