昨年の『Dynamite!!』でホイラー・グレイシーを撃破した所英男と、初参戦して話題になった“リアル・タイガーマスク”こと勝村周一郎が、ホームリングの『ZST.12』で、タッグを組んで出場した。当初、二人の出場は発表されていなかったが、直前になっての参戦表明というサプライズ。しかも、二人がタッグを組むというサービスに、会場のファンも大喜びだ。
　所＆勝村の対戦相手は、川名蘭輝＆宮川武明組。打撃なしのグラップリング限定のGT-Fルールで行われた。


■所と勝村が仲間割れ!?

　最初に飛び出した所は、いきなり川名を寝技に引き込みつつ足関節を狙う。ヒールホールドが極まりかけるが、川名がどうにか脱出。すかさず所は、フロントチョークの体勢に。これはガッチリ入ったが、相手のコーナーが近かったため、タッチで逃げられてしまった。このスリリングな展開に、会場がドッと沸く。宮川がリングに入ると、今度はバックに回ってのスリーパーが極まりかかるが、またしてもタッチで逃げられてしまった。
　さすがに疲れたのか、所は勝村にタッチを求める。しかし、これはお約束（？）のタッチ拒否。ならばと所は、川名の腕十字を仕掛けたが、三角絞めの逆襲を食らうことに。ここで勝村とタッチ。ようやく勝村の登場だ。
　勝村は、川名からマウントを奪う。すぐに腕十字へ移行。三角絞めを極めかけると、川名が宮川とタッチした。ここで所が登場し、アンクルホールドを極めかける。ここで川名とタッチ。最後も所が腕十字を極めかけるが、時間切れ引き分け。結局、所＆勝村は、相手のタッチワークのうまさに逃げられてしまった。


■HERO'S名古屋大会に参戦か

　勝利を逃した勝村は、「あまり動けませんでしたね。僕のケガもあり、練習があまりできなかったことが響きました。相手とのキャリアの差を考えると、極めなければいけなかったんですけど」と反省の弁。所は、この試合の前に渡米してバレットヨシダと一緒に練習を積んできただけに、「それを活かせなかったので悔しいですね」と、こちらも反省しきり。「活かしてほしかったんだけどね」と勝村が突っ込みを入れて、所が苦笑いをする場面もあった。
　気になるのは、二人の今後だ。3月12日には、『OLYMPIA HERO'S 2007 開幕戦 〜名古屋初上陸〜』（名古屋レインボーホール）が控えている。ここに所と勝村の出場があるのだろうか。
　所は、「大会があれば、ZSTもHERO'Sも出たいと思っています」と前向きに答えれば、勝村は「体調を見ながらになりますが、子育てに専念したい気持ちもあります（笑）。でも僕は声がかかるかどうか…。ZST中心ですが、チャンスがあれば出たいですね」とコメントした。
　今回のZSTは、チケットがすぐに完売するなど絶好調。その勢いで、所と勝村のZST軍団がHERO'S名古屋大会に乗り込んでくれば面白い。続報に期待したいところだ。■

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