先日、所英男VS永田克彦の雑草VSエリート日本人対決が発表されたばかりの『OLYMPIA HERO'S 2007 開幕戦 〜名古屋初上陸〜』(3月12日、名古屋市総合体育館レインボーホール)。谷川FEG代表が記者会見に出席し、注目の追加カードを読み上げていった。


カラム・イブラヒムの従兄弟が参加


 最初に発表したのは、宇野薫の対戦相手だ。宇野の相手には、エジプトのアリ・イブラヒムに決定した。イブラヒムという名前を聞いて、ピンとくるファンもいることだろう。彼は、エジプトでレスリングの英雄と呼ばれる、あのカラム・イブラヒムの従兄弟。アリは柔道がベースの選手で、総合格闘技のキャリアは10戦もあるという。カラムに総合格闘技を教えるほどで、まだ見ぬ強豪になりそうだ。宇野にとっては、試練の一番となるだろう。
 宇野は、「昨年、決勝戦で(J.Z.カルバンに)敗退した悔しさを胸に今年、一発目、いい試合をしたいですね」と気合いを入れる。負けてから自分のことを見つめ直し、より考えて練習をするようになったようだ。格闘技界のパイオニアとして、宇野にかかる期待は大きい。


ブラックマンバが再登場!!

 そして、次に発表されたのは、宮田和幸VSブラックマンバ。宮田は山本“KID”徳郁と同様に、レスリングでオリンピックを目指している最中だが、日本代表の権利を争う6月の全日本選抜大会への出場は、今のところ保留中だという。その理由としては、「レスリングの実力が落ちていないことが収穫で、あとは74kgの階級が世界的にどうなのかということもある」とのこと。ともかく、すべてはブラックマンバ戦が終わったあとになるのだろう。
 だが、ブラックマンバは所英男をKOし、宇野からダウンを奪ったこともある毒針(ヒザ蹴り)が不気味だ。レスリングの試合と練習をしたことで、その毒針の餌食にならなければいいのだが…。それについては、「ヒザをもらわないようなタックルを考えている。でも判定ではなく、一本を狙いたいですね」と、あくまでもプロとしての貪欲な姿勢をみせた。そして、「あの(入場の)衣装が気になる。怖いッスね」といって、記者を笑わせる場面もあった。


桜庭が推薦する強豪が高谷と対戦

 続いて決まったのは、高谷裕之VSアンドレ・ジダの喧嘩上等対決だ。
 高谷は、昨年のミドル級最強決定トーナメントで王者のJ.Z.カルバンに飛びヒザ蹴りを食らい、まさかのKO負けを喫してしまった。しかもケガを負ってしまい、長期欠場となったこともあり、今回が仕切り直しの一戦となる。「久しぶりの試合なので、キッチリと勝って、次につなげたい」と高谷。
 しかしジダは、名門シュートボクセに所属する強豪。桜庭和志がシュートボクセでジダと一緒に練習したこともあり、推薦があったという。復活を狙う高谷にとっては、またしても厳しい試練が待ち受けることになりそうだ。


ついにシャオリンもやって来る

 最後に発表されたのは、上山龍紀VSビトー“シャオリン”ヒベイロ。上山は、昨年のミドル級最強決定トーナメントでハニ・ヤヒーラに不覚をとったものの、K-1 MAXに参戦するなど、打撃にも磨きをかけてきた。
「ケガが治って、久しぶりの試合。かなりの強豪になりますが、勝つつもりでいますし、チャンスだと思っています。世界のトップ中のトップ。いつもは対戦相手の研究はしませんが、今回はちょっとだけしようと思っています」とコメント。上山が警戒するように、シャオリンは、総合格闘技ファンならば、ほとんどの人が知っている強豪中の強豪だ。柔術黒帯で、寝技に関してはこの階級で世界一とも言われている。
 谷川FEG代表も、「シャオリン選手は、この階級の中心人物になってくるかもしれません」と力説する。上山にとっては、早くも最大のピンチが今年の一発目に襲い掛かってきているとみていいだろう。
 以上、4試合が今回の追加カード。これで、所VS永田を入れて、5つの注目カードが出揃うこととなった。残りは、ヘビー級とライトヘビー級の試合を合わせて、計10試合となる予定。桜庭の参戦があるのかどうかも含めて、気になるところだ。■

» 『OLYMPIA HERO'S 2007 開幕戦 〜名古屋初上陸〜』大会概要
» 


3・12名古屋大会への参戦が決まった、左から上山、宮田、宇野、高谷。彼らの新しい闘いが、ここから始まる

ph
宇野は「(シャオリンの参戦について)実績も実力もある選手なので、どういう試合をするのか楽しみですね」とコメントした

ph
ブラックマンバの衣装が怖いという宮田。負けずにどんなコスチュームで出てくるのか注目だ!!(なんて…変なプレッシャーはやめましょう)

ph
眼窩底骨折のケガから復帰した喧嘩番長の高谷は、シュートボクセの強豪とどんな試合を見せてくれるのだろうか

ph
シャオリンと初遭遇する上山。ピンチだが、ぜひチャンスを生かしてほしい



Copyright (C) 2007 HERO-S Mail to:
Copyright (C) 2007 G.T.Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
当サイトで使用している写真およびテキストの無断転載を禁止します。