桜庭和志、メルヴィン・マヌーフ、宇野薫、ビトー“シャオリン”ヒベイロ、所英男、宮田和幸…など、次々と豪華な面々が決戦の地である名古屋入り。『OLYMPIA HERO'S 2007開幕戦~名古屋初上陸~』(3月12日、名古屋市総合体育館レインボーホール)へ向けて、各選手がモチベーションを高めている。そんななかで注目されたのは、山本宜久VS柴田勝頼だ。山本の秘めた思いに、緊張感がはしった。


船木氏との確執を語る


「船木さんとは、良くも悪くも、19年前の僕の気持ちがありますから…」
 山本は、柴田勝頼をマンツーマンで教える船木誠勝氏との因縁について、ポロリとそう本音をこぼした。その具体的な内容を明かすことはなかったが、「僕がこの業界に戻ってきたのは、彼と闘うためですから…」と山本は語る。
 じつは山本は、前田日明スーパーバイザー(SV)の『リングス』で新弟子としてデビューをはたしたが、その前に新生『UWF』に半年ほど練習生として在籍。そこで船木氏との因縁が生まれ、一度は離れていたという。何があったのかは決して口を割らなかったが、山本にとっては「『船木誠勝』という言葉しか当時の記憶に残っていない」というくらいの衝撃的な事件があったようだ。柴田は、この事件の顛末を船木氏から聞かされているみたいで、「何があったのかは知ってますよ。内容? 言っていいのかな…。でも…やめておきます」と笑い飛ばした。
 山本は「向こうはチームが二人。柴田がやられたら、誰が出てくんのって感じですね。船木さん? そのために(肌を)黒くしているんじゃないの」と、船木氏を引っ張り出すプランがあることを明かした。これを聞いた柴田は、「べつに…、それについて何を言っていいのかな…」と軽く受け流す。他人事というよりも、相手にしたくないといった気持ちだろうか。


柴田のプロ意識をダメ出し

 山本は、柴田のそうしたプロの姿勢にも苦言を呈した。
「プロレスでは威勢がよく、こっちにきたと思ったら『頑張ります』とか『相手は誰でもいい』なんて優等生みたいな発言ばかり。彼は27歳でしょう? まだ若いしプロレスラーらしく、ビッグマウス発言でもしたらどうですかね。熱いものを投げかけてほしいですよ」
 これに対して柴田は、「プロレスをやっているときは、そんなにビッグマウスを吐いていないんですけどね。俺のことを知ってるのか知らないのか、よく分からない(笑)。でも、そういうビッグマウスって、昔のプロレスラー体質を引きずっているみたい。今はそういう時代じゃないんだけど」と返した。
 山本が「ボコボコにしてやります」と発言すれば、柴田は「ならば俺はボッコボコにします」と応戦。二人の対決は、時間が経つごとにヒートアップしていく。


柴田の体脂肪率は7%に!!

 山本の柴田批判は終わらない。
「1年ちょっと総合の練習をやってきて、教える人も船木さん。引退した人と現場でやっている人間とは、まったく違いますよ。僕は桜庭さんとも、出稽古で集まって練習していますから。プロレスラーは体を大きくするもの。でも体重を落としてきて、何を目指しているのかが分からない」と山本は、首をひねった。
 柴田はこの日、会見のときよりも、ますます精悍な顔つきに変貌。体脂肪率は、船木氏の指導の元、すでに7%まで落ち、練習漬けの毎日を送ってきたようだ。
 どちらの主張や方法が正しいのかは、試合が終わってみなければ分からない。だが一つだけ言えるのは、どちらも絶対に負けられない理由があることだ。
 日本の総合格闘技ブームの火付け役となった『UWF』は、世代を超えて、こんなところにも因縁を撒き散らしていた。その結末やいかに――。■

>>選手のコメント

» 『OLYMPIA HERO'S 2007 開幕戦 〜名古屋初上陸〜』実施概要

船木との確執をいきなり告白した山本。3・12名古屋大会はどうなってしまうのか…!?
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船木の元で練習に励んだ成果をやっと見せる時が来た。しかし、事態は思わぬ方向へ

ph03柴田を倒し、現在の師匠である「船木さんを引きずり出す」と宣言した山本
ph04対する柴田は、山本の挑発的な発言をすべて受け流した


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