■勝村「三角絞めで勝ちたいです」
公開練習に先立ち行われた囲み会見では、所と勝村が揃って出席した。勝村は改めて、対戦相手のアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラの印象について「次元の違う存在」とコメント。
報道陣から、かつてノゲイラと対戦したことのある所に勝村へアドバイスするようリクエストが出ると、「とにかく捕まらないこと。首を取られたらパワーの差が出ます。首さえ取られなければ、まあ、勝村さんが勝つんじゃないですかねぇ……と勝手に思っています、ハハッ」と所は思いっきり他人事。とても盟友とは思えない所の態度に勝村も苦笑いだ。
しかし、勝村もノゲイラの必殺技ギロチンチョークには警戒することしきり。「ギロチン対策をしているんですけど、首に腕が回ってしまったらもう無理です(苦笑)。入ったらもう逃げられないので、入られないような練習をしています。いいのが入れば打撃で勝てるかもしれないけど、(佐藤)ルミナさんをはじめ先輩たちがギロチンで負けているので、自分の得意技の三角絞めで、絞めて勝ちたいです」と、改めて三角絞めでの勝利を宣言した。また、勝村が監修し、所が実演を務める総合格闘技技術解説本『総合格闘技入門』(池田書店/発売中)ではギロチンチョークも紹介されている。
下手な人には極めにくい技とのことだが、「今回の相手はそうじゃない」と勝村。「本の中ではギロチンからの逃げ方も紹介しているので、それを出せたら……」と自信なさげな表情で語っていた。
■所「諦めないで食らいついていく」
一方、ブラックマンバと再戦することとなった所は「『このタイミングでタックルに入れるんじゃないか?』とか考えるんですけど、ボクはレスリングはあまり得意じゃないし、その時の調子もありますから……。イメージはありますけど、やってみないと分かりません……」と、こちらも自信なさげだ。
勝負のポイントについては「テイクダウンに成功しても、すぐには(関節技は)取れないと思います。『Dynamite!! USA』でのユン・ドンシクさんみたいに、粘って粘って一本を取るのが理想です。アメリカで(メルヴィン・)マヌーフさんと練習して、『こんな強い人に勝てる人っているのかな!?』って思っていましたけど、ドンシクさんが一本取って、本当に感動しました。グラップラーはこうあるべきだと思いましたね。諦めないで食らいついていくのが勝負のポイントだと思います」とコメント。「(打撃を)もらわないとタックルに入れないし、タックルに行かなければもらってしまう。そういう職業ですから……」と、決死の覚悟でブラックマンバ戦に挑むことを告白した。
報道陣からの「勝村選手は『先輩たちのために絞めて勝つ』と宣言しましたが、所選手は?」との質問には、「ヒザ蹴りで勝つことは不可能なんで、ボクは自分らしく絞めか関節技で勝ちます(笑)」と、あくまで勝負にこだわる姿勢。「20代最後の試合なので、勝って30代を迎えたいと思います」と宣言した。
■所と勝村が公開スパーリング
囲み会見が終わると、いよいよ公開練習開始。まずは勝村が3分2Rのスパーリング。勝村は、スパーリングパートナーの仕掛けるギロチンチョークから脱出してからの多彩な三角絞めの入り方を披露した。
所は3分1Rのミット打ちを終えると、ZSTで活躍する奥出雅之を仮想ブラックマンバに見立て3分1Rのスパーリングを行った。身長のある奥出の打撃をかいくぐりタックルに行くなど、キレのある動きを見せた。
そして最後は所と勝村が公開スパーリングで激突。勝村がヒザ蹴りを何発も繰り出せば、所は執拗にギロチンチョークを狙う。お互いの今一番警戒している技を嫌がらせのように次々と仕掛けていく展開に、マスコミ関係者からも笑みがこぼれた。
決戦まであと1週間。所と勝村の仲良しコンビは揃って勝利することはできるのか!?■
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