谷川代表がHERO'S軽量級設立の可能性を示唆

 会見にはまず、谷川貞治FEG代表、前田日明HERO'Sスーパーバイザーが登壇。谷川代表は早速、9・17『OLYMPIA HERO'S 2007~ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦~』横浜大会のスーパーファイト、山本“KID”徳郁VSビビアーノ・フェルナンデス(5分3R/63kg契約)の決定を発表すると、63kgという契約体重について「ビビアーノ選手は、柔術ではこの階級で一番強い、若手バリバリ、将来性のある選手です。元々、KID選手は63kgで闘っていた選手なんですが、最初K-1 MAXへのオファーを出した時、K-1 MAXは70kgという階級でやっていたこともあり、KID選手には70kgという階級でオファーさせてもらいました。それからK-1 MAXの中で総合をやりながらHERO'Sの誕生につながっていったわけなんですが、そのHERO'Sもミドル級(~70kg)という階級に須藤元気選手、宇野選手、所選手、宮田選手といういい日本人がいて、その中でKID選手は初代王者に輝いたと。KID選手は前日計量で63kg、64kgという体重で闘っていたんですね。計量前に飯食って、水飲んで体重を増やしていた。今考えるとよく優勝できたなと思います。KID選手自身、『適正体重とはあまりに差がある』ということを言っていましたが、確かにそのとおりだと。ですので、今回は63kgで闘うことになりました」と説明。
 さらに谷川代表は「KID選手や元気選手の活躍もあり、ミドル級は非常に安定したソフトになりました。今後、中量級だけでなく軽量級。何kgに設定するかは分かりませんが、KID選手がいれば、軽量級という階級を設けてもいいんじゃないかと思っています」と、HERO'S軽量級設立の可能性も示唆した。
 前田SVもこの軽量級構想について「特にアジアには60kg、50kgに強豪がひしめいています。ムエタイなんか特に強い選手はライト級を中心にいます。山本君が挑戦しているレスリングでもその階級にはロシア、イランを中心に素晴らしい選手がたくさんいます。可能性を持った階級だと思います」と前向き。「山本君にはその階級の中心選手として頑張ってもらえたらなと思います」とKIDに期待を寄せた。


「人間、ハンデがあるくらいのほうが強い」

 続いて、山本“KID”徳郁が登壇。KIDは「ビビアーノ・フェルナンデスって聞いて、体重も体型もオレと一緒で、あっちは柔術、寝技のプロフェッショナルって聞きました。結構、寝技系の相手ではこれまで闘った中でもすごいかなぁと思います。資料とか見たんすけど、寝技はすごかった。けど、自分は寝て勝負する気はないんで。いつもどおりやりたいと思います」と挨拶した。
 KIDと言えば、昨年7月に、レスリングで北京オリンピックを目指すためプロ活動の一時休止を宣言。今年1月の天皇杯全日本レスリング選手権では、1回戦を突破するも、2回戦で右肘脱臼及び内側側腹靱帯断裂の大怪我を負ってしまい今後の動向に注目が集まっていた。
 このことに対しKIDは「今はレスリングは様子見って感じで、チャンスがまだあるんだったらレスリングの大会も出たい。今は、怪我してから打撃とか総合の練習をずっとしていて、今やりたいことやっている感じ(笑)。またチャンスがあって、気持ち的にレスリングのほうに向いてきたらやりたいけど、それがなくなっても、レスリングの試合にはちょくちょくこれからも出ていきたい。怪我しちゃったけど、1月の試合、6年ぶりくらいにレスリングマットに上がってすげえ楽しかったし、レスリングで現役だった時の気持ちが出てきた。またマットに立ちたいなと思います」とコメント。「総合の練習をすると、やっぱ試合に出たくなって。総合をやりたくなった感じ、純粋に」と総合復帰に至った心境を語った。
 また、右肘の回復具合については「あそこまでやっちゃうと、100%までは戻らない」と明かしつつも、「人間、ハンデがあるくらいのほうが強い。水泳の北島(康介)選手もモモを肉離れしても優勝したし。それに、(相手に)ハンデちょっとあげたほうがいいかなと思うからね(笑)」と余裕の笑みを浮かべた。


「今は日本の軽量級を盛り上げたいです」

 また、報道陣から、谷川代表が軽量級設立の可能性について言及したことに質問が飛ぶと、KIDは「HERO'Sが始まって3年くらい? 今まで70kgでやってきて、とりあえず中量級のほうは盛り上げたかなと。軽量級の選手たちもいい選手がいっぱいいるし、ウチのジムにもいっぱいいて、そいつらのためにじゃないけど、オレは元々軽量級の選手だし、今度は軽量級に行って、軽量級に注目を集めたいなと思う。日本の軽量級に火を点けたい。試合の展開も早いし、見ていて面白いんですよ。ただ、みんな、見るチャンスがないだけで。今は日本の軽量級を盛り上げたいです。軽量級の確立がオレの役目ってわけじゃないけど、なかなか日の目を見ないいい選手にもチャンスができればな」とHERO'S軽量級設立を熱望した。
 対戦相手のビビアーノについては、「あぁ、あのぉ~、なんとかフェイバー……ユライヤ・フェイバーか(笑)。ユライヤ・フェイバーはあっち(アメリカ)のオレらの階級のチャンピオンで、そいつと(ビビアーノと)の試合を見たんすけど、結構、そいつ(フェイバー)のことをテイクダウンしてたり押していたんすけど、最後はヒジで(額を)割られちゃって。だから、全然、相手として役不足じゃないなと。相手としてつまんなくないなと思います。柔術の試合? 見ました。柔術はすごかったっすね」と印象を語ると、「今度の試合では、倒されない、寝技に行かないってスリルもあって楽しそう」と試合が楽しみといった様子だった。
「“ワクワクドキドキ”まではもうちょっと(笑)。今は"ワクドキ"くらい(笑)」と今の心境を語ったKID。1年4ヵ月ぶりのHERO'Sで快勝することはできるか!?■

»『OLYMPIA HERO'S 2007 ~ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦~』実施概要

»

»山本“KID”徳郁:プロフィール

KIDが帰ってきた! 9・17HERO'S横浜アリーナ大会に出場決定!!

photo
「KID選手がいれば、軽量級という階級を設けてもいいんじゃないかと思っています」。HERO'S軽量級設立を示唆した谷川貞治FEG代表

photo
前田日明HERO'Sスーパーバイザーも「山本君にはその階級(軽量級)の中心選手として頑張ってもらえたらなと思います」とコメント

photo
KIDも「オレは元々軽量級の選手だし、今度は軽量級に行って、軽量級に注目を集めたい」とHERO'S軽量級設立を熱望した

photo
「今度の試合では、倒されない、寝技に行かないってスリルもあって楽しそう」とビビアーノ戦について語ったKID。試合が本当に楽しみだ!!

Copyright (C) 2007 HERO-S Mail to:
Copyright (C) 2007 G.T.Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
当サイトで使用している写真およびテキストの無断転載を禁止します。