■ジダ戦への秘策!?　脇腹へのエルボー攻撃！

　公開されたスパーリングはグラウンド中心。宇野は好調をアピールするかのように、キレのある動きで漆谷の動きを制すると、スリーパーや足関節技でタップを奪っていった。ポジショニングの巧みさもさることながら、この日、目立ったのは脇腹へのエルボー攻撃。相手の上になると至近距離から相手の脇腹にねじ込ませるようにヒジを落としていった。ジダ戦への秘策なのか、宇野は5分を通じて積極的にヒジ攻撃を多用していった。

■WBC世界フライ級王者・内藤大助と合宿

　報道陣との囲み会見に応じた宇野は、「あっという間に日にちが経ちました。充実した内容でした」と満足した練習をこなしてきたことを語ると、「まだまだ、リングに立つまで気を抜かないでいきます」と気を引き締めた。
　大会まで5日となった今の心境について聞かれると、「3人ブラジル人で、3人とも強い。もう逃げ場はないって感じですね（笑）。やるしかないですね」と笑みを浮かべつつコメント。
　直前で相手がブラックマンバからアンドレ・ジダに変更となったことについては、「欠場するくらいの怪我をしてブラックマンバ選手も悔しいと思います。彼の気持ちも踏まえて闘いたいです。やりにくさ？　それぞれに個性があって、それぞれにやりにくいところもありますから、やりにくさはどっちもどっちですね」と語った。暴風雨のようなシュートボクセスタイルの打撃に対しても、「自分のスタイルを貫き通すだけです。今回のトーナメントはそれに尽きるんじゃないでしょうか？」と語り、選手変更の影響をあまり感じさせなかった。
　公開練習で多用していた脇腹へのヒジ攻撃について質問を受けると、「ルールで認められている攻撃ですからね。それが有効な攻撃なら使うべきだと思います」と返答。実戦投入をほのめかした。
　また、宇野は、プロボクシングWBC世界フライ級王者・内藤大助が行った1週間の合宿に帯同したことを告白。「練習メニュー？　内緒です（笑）。チャンピオンと一緒に練習するのは苦しかったですけど、力になりました」と充実した合宿であったことを語ると、「パンチも習いました」と現役ボクシング世界王者直伝のパンチを身に付けたことも明かした。

■井上和香さんから応援メッセージ入り国旗を授与

　そして、この日の公開練習ではサプライズが！　宇野の激励に訪れた、TBSのHERO'S中継のキャスターを務めるタレントの井上和香さんが公開練習終了後、ファンや関係者からの応援メッセージ入りの日本国旗を贈呈したのだ。これには宇野も笑顔。「ビックリしました！　こんなにメッセージを書いてもらってエネルギーになります」と喜びを露わにした。
　日本人で決勝トーナメントに残ったのは宇野のみ。「日の丸の深さと応援してくださる方々の重みを感じます。改めて日本人は自分一人なんだなと感じますし、日本人だから勝ちたいというより、あの3人に勝ちたいです」。強豪ブラジル3人を相手に、HERO'Sミドル級王者の称号を手に入れることはできるか!?■

»『OLYMPIA HERO'S 2007 ～ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦～』実施概要
»宇野薫：プロフィール