■宇野vsジダ、勝負のポイントはテイクダウン

　やはりこの日の注目は、ミドル級決勝トーナメントに出場するJ.Z.カルバン、宇野薫、アンドレ・ジダの3選手（ビトー“シャオリン”ヒベイロは欠席）。
　昨年度王者のカルバンは、初戦の相手であるシャオリンが13日に行われた公開練習で「足の爪先から頭のてっぺんまで自信が漲っている」と発言したことに対し、「なら、オレはそれ以上の自信があると言いたい」と反撃。「昨年とは経験が違う。経験値が上がっているので、いい闘いを見せられると思う」と余裕の笑みを浮かべた。
　ベスト4唯一の日本人、宇野は初戦のジダ戦に集中している様子だ。シャオリンが「テイクダウンできれば宇野がジダを倒すだろう」と予想していたことを伝え聞いた宇野は「そう言っていただけるのは光栄なんですけど、倒すところまでいけるかが今回のポイントになると思います。テクニカルな部分を度外視して必死にしがみついてでも倒す。そして自分のスタイルに持っていきたいですね」と悲壮感を漂わせつつコメント。
　対するジダも「俺の得意な打撃で勝負したいと思っている」と発言しており、やはりテイクダウンされる前に宇野を仕留めようというプランのようだ。勝負のポイントとなるテイクダウン合戦に注目しよう。

■KID「寝技で下になっても大丈夫」

　そして、スーパーファイトでビビアーノ・フェルナンデスと対戦する山本“KID”徳郁は「早くやりたい！　みたいな感じです（笑）」と久々の総合の試合が待ちきれない様子だ。
　KIDは、柔術で世界選手権優勝、ブラジル選手権優勝、パン・アメリカン選手権優勝など数々の柔術の大会で実績を残してきたビビアーノと対戦するにあたり、ブラジル人選手のベッチーニョを相手に寝技の特訓に励むなど対策も万全。「寝技で下になっても大丈夫」と余裕を見せると、さらに「ベッチーニョはビビアーノと同じ地区の出身らしいんだけど、『地元では試合をしないんだ』って言っていましたよ。その地区はすごく強いヤツがいっぱいいるらしいんだけど、『地元ではやらなくて、アメリカばっかでやっている』って。だから、大したことない（笑）」と楽勝ムードを漂わせた。
　またKIDは、報道陣からミドル級トーナメント優勝予想について問われると、「日本人が勝ってくれれば嬉しいけど……、かた〜くいけば、シャオリンじゃないっすかね？」とシャオリン優勝を予想した。

■柴田「予定調和をぶち壊したい」

　日本人プロレスラー対決となる桜庭和志vs柴田勝頼にも質問が集中。笑顔を携え会見場に姿を現した桜庭は、いきなり「（公開練習をしたのが）6日前ですよね？　6日間で何も変わったことはありませんよ（笑）」と報道陣を笑わせるなど、いつもどおりのマイペース。改めて柴田の印象については「やはり一発があるので、パンチには気を付けないといけないなと思いました」と語った。
　対する柴田も「今回はベストコンディションに仕上げることができました。落ち着いていて、今は気持ち的にゆとりがあります」と、こちらもリラックスした様子でコンディションの良さを窺わせた。試合について聞かれると「力みすぎず、当日は暴れ回りたいと思います」と意気込み、「あとのことは考えないで、というか考えさせないで、予定調和をぶち壊したいと思います」と力強く勝利を誓った。

■ヒクソンの弟子がミノワマン食いを宣言

　また、こちらも注目の一人、HERO'S初参戦のミノワマン。いささか緊張しているように見受けられたが、「すべてが違っていて、新鮮な感じで面白いです。転校したり、会社に入社したり、バイトを始めたりした時と同じ感じです」と緊張感を楽しんでいる感じだ。
　試合当日は、HERO'Sファンに「『あっ、こんなヤツもいるんだ！』とか『あっ、こんな格闘技もあるんだ！』とか、新しい風、感覚を見せたい」とコメント。当サイトの『HERO'S☆VOTE』で実施中の「9・17HERO'Sで注目する選手は？」でもダントツの1位。ミノワマンは我々にどんなファイトを見せてくれるのか？　ぜひ期待しよう。
　一方、ミノワマンの対戦相手、ヒクソン・グレイシーの弟子であるケビン・ケーシーは、今回が「プロとして初めての試合」と発言。しかし、「打撃の練習にも時間を掛けました。対応できると思います」と、ヒクソン直伝の寝技だけでなく、打撃に関しても相当な自信を持っている模様。「ヒクソン・グレイシー・アカデミーの代表として来ているので恥ずかしくない試合をしたいです。ミノワマンは有名な選手なので、勝って日本のファンに私の存在を知ってほしいと思います」とミノワマン食いを宣言した。■

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