韓国でかつてない格闘技熱!

 復帰決定後の秋山成勲が、日本国内での会見に初めて出席するということで注目が集まったこの日の会見。はじめに、前田日明HERO'Sスーパーバイザー(以下、SV)、谷川貞治FEG代表が登壇し、10・28『OLYMPIA HERO'S KOREA 2007』開催にあたり、現在の韓国国内での格闘技に対する国民の熱の高さや秋山復帰に関する経緯を改めて説明。
 まずは谷川代表が先日の9月27日に韓国・ソウルで行われた『FieLDS K-1 WORLD GP 2007 IN SEOUL FINAL16』がイベントとして大成功を収めたことについて触れ、「2万人収容の会場に本当の多くのお客さんが集まり、チケットもほぼ完売でした。いま韓国での格闘技人気が本当に高いことを実感しました。今回のHERO'Sは地元の韓国人選手がK-1よりも活躍できる総合格闘技ということで、チケットも早い段階で完売するのでは」と、早くもK-1韓国大会を超える成功を予想。
 前田SVも「HERO'Sは韓国やアメリカなどをはじめとする世界中で大会数を増やし、すべての階級で真の世界王者を決めるべく努力してまいりましたが、FEG KOREA Inc.設立により、再び韓国でHERO'Sが開催できることは本当に嬉しい限り」と喜びを表した。
 会場となるジャンチュン体育館はソウル市内にあり、収容キャパシティーはおよそ7000人。K-1を超えるチケットのプラチナ化は必至だ。
 また、現時点で今大会最大の注目を集めている秋山成勲の復帰について谷川代表は、「昨年末の『Dynamite!!』の試合での一件のあとに審判団と協議した結果、最低でも半年の出場停止という処分を秋山選手に課していました。その後、審判団が秋山選手とヒアリングを行い、本人から反省の態度、また試合に対する闘う姿勢が多分に見受けられた、と。そして前田SVからも『ぜひ、チャンスを』というお話があった。そういった中で、私は7月や9月のHERO'Sでの復帰戦というのも考えましたが、ファンやマスコミの皆さんの意見を取り入れた結果、今回の韓国大会が一番いいのではないかという判断を下しました。また、韓国の格闘技ファンからの要望も非常に強いので」と復帰決定までに至る経緯を改めて説明。
 前田SVも「当時はルールが不備だったことで秋山だけでなく主催者側にも責任はある。あの才能を腐らせるのはもったいない。アンフェアーな部分はリング内で清算すればいい」と復帰を後押しした。秋山自身も謹慎中はいつでも試合ができるように欠かさず練習を行っていたようで、今回の念願の復帰に際してコンディション的に何ら問題はなかったようだ。


世界中から強豪参戦!

 気になる今大会の出場予定選手だが、現在のところ秋山成勲、デニス・カーン、ユン・ドンシク、金泰泳、キム・ミンス、ミノワマン、大山峻護、ベルナール・アッカ、キム・デヴォンの9選手を発表。対戦カードについては鋭意交渉中とのことで、来週早々より決定次第、随時発表していく予定。全10試合程度となる模様で、谷川代表いわく「豪華なイベントにするべく、世界中から強豪を参戦させるつもり」と、具体的にメルヴィン・マヌーフなど大物ファイターの投入も示唆した。
 そして、本会見には参戦予定選手にラインナップされた秋山成勲、金泰泳、ミノワマン、大山峻護、ベルナール・アッカの5選手が登壇し、それぞれ意気込みを語った。■

金泰泳
「HERO'Sの韓国大会に出場するチャンスをいただきまして、ありがとうございます。緊張感のあるシリアスな試合をしたいと思います。押忍」

ベルナール・アッカ
「アニョハセヨ。前回の試合で痛い思いをしまして、ちょっと休暇をいただきましたけど、心も体も万全に準備が整っておりますので、あとは素晴らしい試合ができればと思っておりますのでよろしくお願いいたします!」

大山峻護
「試合はちょうど1年振りなんですけど、昨年の11月に親友で、いつもセコンドにも就いてもらっていた小斉武志を亡くしまして、今回は彼の思いも背負って一生懸命がんばりたいと思っています」

ミノワマン
「まだ対戦相手のほうは決まってませんが、久々の韓国での試合になりますので韓国のファンの皆様と国境を越えたいいフィーリングができたらいいなと思います」

秋山成勲
「昨年末の試合で、多大な迷惑をかけたことに対して関係各位、皆様方、そしてテレビ局の皆様方、スポンサーの皆様方、ファンの皆様方、最後に桜庭選手。本当に申し訳ありませんでした。自分としましてもなにをどうとかというわけではなく、精一杯リングの上で表現することがいま第一の目標として考えております。それが皆さんになにか伝わればと思い、がんばってリングの上に立って表現したいと思います」


「自分だけを信じてまっすぐに」(秋山)

 そしてマスコミからの質問は、やはり秋山の復帰に関する話題に集中した。以下、一問一答。

——ファンからの信頼を取り戻すにはどうやって闘っていくことが大事だと思うか?
秋山「昨年末から自分自身を見つめ直して、格闘技に対してもそうですし、ファンに皆様側に対してもそうですし、どのように自分を表現することが……認めてもらおうとは思わないですけれども、なにか『秋山って、こういう人間だったんだな』っていうものもそうでしょうし、なにか伝わるものがあればと思って自分なりに一生懸命考えていままでの時間を過ごしてきました。たしかにどんな試合をしたからといって、賛否両論いろいろあると思います。ですが、最終的に信じるのは自分自身だと思っていますので、それを信じた上で試合をすることにより、いろんな意見がある中で自分を信じてまっすぐに試合ができればなと思います」

——谷川代表は桜庭選手にはどのように話をしたのか?
谷川「桜庭選手には秋山選手の韓国大会での復帰についての報告はさせていただきました。本人からは特にコメントはいただいていません。たぶん(コメントは今後も)しないと思いますね。私にもしないと思いますし、皆さんが聞かれてもしないと思います。桜庭選手に関しましては、昨年末のいわゆる事件が起こった時に、事実関係を調べましてそれに関する処分をおこなったことに対して非常に満足をしています。秋山選手個人に対する気持ちというものに関しては、闘ったファイター同士にしかわからない複雑な心境があると思いますが、それを僕が無理をして桜庭選手の気持ちを変えるつもりもないし、聞き出そうということもないと思います。おそらく二人がこれからも現役で闘っていくうちに必然と出会う機会があるかもしれないし、それがリング上なのかリング内なのかはわかりませんけども、もしかしたらないかもしれません。それはお二人の運命。それを人工的にプロデュースする気持ちはありません」

——秋山選手はあらためて桜庭選手に対してどういう気持ちを持っているのか?
秋山「年始にも話した通り、やはり桜庭選手に対してはいまも変わらず謝罪の気持ちでいっぱいです。何度か谷川さんのほうには直接会って謝罪をしたいということは伝えてあったんですが、なかなか機会が持てず今まできたというのが現状です。これからも桜庭選手に対してはそういう気持ちでずっといます」

——今大会では柔道衣を着て試合をするのか? また、これまでのように柔道を背負って闘う気持ちはあるのか?
秋山「柔道衣に関しては、毎回(試合前に)どうしようかと自分で決めるんですが、次の試合もそういうふうにさせてもらうと思います。そして、もちろん今までやってきた自分のバックボーンとして柔道というのは切っても切れない仲ですし、柔道を僕なりに広めたいと思っています。そのうえで背負わせてもらえるのであれば、自分の形として背負って闘いたいと思っています」

——ほかの選手は、秋山選手と同じリングに上がるということに関してどう思うか?
アッカ「秋山選手はボクがHERO'Sをファンとして観ていた時から拝見させていただいておりまして、素晴らしい選手だと思っておりますし、やはりボクの中ではマヌーフ選手に勝った人間は凄い人間なんで、そういう人と同じリングに上がれるのは光栄です」

ミノワマン「すいません、あんまりなんにも考えてないです」

大山「柔道界から格闘技界に転向してきた先輩として、やっぱり勝ち負けも凄く大切なんですけど、それ以上に大切なものがあるんだということをこれからの試合で感じてもらいたいなと思います」

「同じリングで闘うということで、僕はいつも思ってるんですけど、このプロ格闘技の格闘技者としては技術ももちろんですけど、僕達の仕事としては生き様を見せることが凄く大事だと思います。あとはもう(秋山は)11カ月謝り倒してるんで、秋山選手が試合で生き様を見せてくれればと思います」

 前田SVも「復帰までに関しては擁護してきましたが、ここから先はノータッチ。あとは本人が名誉を取り戻せるようにがんばってもらいたい。いろんなことを言う人がいると思うが、リングで自分の姿勢というものを見せてほしい」と、エールを送った。
 谷川代表は秋山の対戦候補として現在2〜3人のファイターをリストアップしており、これから秋山と話し合い早急に決定をしたいかまえ。どうやら「強豪」で「秋山とは初対戦」、「危険な選手」を候補として挙げているというが、はたしてこの注目の復帰戦で秋山は"己の生き様"、"自分の姿勢"というものをファンにアピールできるか? 10月28日、韓国大会はあらゆる意味で目が離せないイベントとなりそうだ。■

 

»『OLYMPIA HERO'S KOREA 2007』韓国大会概要


新たにベルナール・アッカ、ミノワマン、大山峻護の参戦が決定


前田日明HERO'Sスーパーバイザーは「ふたたび韓国でHERO'Sが開催できることは本当に嬉しい限り」と2度目の韓国大会開催実現に喜びの言葉


秋山成勲は改めて、ファン・関係者に謝罪の言葉。そして「いろんな意見があるなかで自分だけを信じてまっすぐに試合ができればなと思います」と語った
初めての韓国での試合となる金泰泳は「緊張感のあるシリアスな試合をしたいと思います」と好ファイトを約束
韓国へテコンドー留学したこともあるベルナール・アッカは「素晴らしい試合ができればと思っております」とコメント
1年ぶりの試合となる大山峻護。「彼の思いも背負って一生懸命がんばりたい」と亡くなった親友の分まで闘うことを誓った
HERO'S2戦目となるミノワマンは「韓国のファンの皆様と国境を越えたいいフィーリングができたらいいなと思います」」と意気込み

Copyright (C) 2007 HERO-S Mail to:
Copyright (C) 2007 G.T.Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
当サイトで使用している写真およびテキストの無断転載を禁止します。