ある意味、自分は“変態”やと思います(笑)

──まず、前回の試合となる7月の田村潔司戦を振り返ってみていかがですか?
金 初めて20分間闘ったことに対しては、いい経験だったなと思います。対戦相手であった田村選手には感謝しています。でも……、37歳にエクストララウンドをさせてはあかんやろと(笑)。FEGに対して、物申したいなと思います(笑)。
──過去、金選手が経験した中では、3分5Rが最長ですか?
金 そうですね。でも、総合の15分とK-1の15分とでは全然違いますし、田村選手との試合は流れもたくさんありましたから、お互いその流れを自分のほうにたぐりよせようとして攻めきった感じでしたからね。ほんと、我慢比べでした(苦笑)。まあでも、20分間の我慢比べは長かったですね(笑)。これ、喋る機会がなくてどうしても言いたかったんです(笑)。
──大会6日前に対戦が決まったわけですが、急なオファーにもかかわらず、田村潔司選手との対戦を引き受けた理由とはなんですか? 自信があったんですか?
金 基本的に自信はいつもないですよ。ある意味、自分は“変態”やと思いますね(笑)。いろんな選択肢があったんですけど、一番しんどい道を選んでしまうんです。
──その3週間後にはK-1香港大会のアジアGPトーナメントに出場して、戦闘竜選手と藤本祐介選手を相手にKO勝ちしました。
金 すっ、すみません(笑)。
──なんで謝るんですか(笑)。K-1でも活躍できることを証明したわけですが、金選手としてはHERO'SとK-1、どちらにプライオリティを置こうと考えてらっしゃるんですか?
金 ほんと無責任な言い方なんですけど、どちらにプライオリティを置こうじゃなく、その時の“ノリ”で決めます(笑)。香港でのアジアGPトーナメントに関しては、「打撃だけでもこれくらいできるんだ」ということを証明したかったし、田村選手との試合では鼻を負傷していたんですけど「こういう状態でどこまでできるかな?」という気持ちもあったので受けました。香港大会は、7月16日に田村選手と闘ってすぐの試合でしたから、恥ずかしい試合をして田村選手の評価価値を落としてもいけないと思いましたね。「あぁ、田村選手はこんな選手に負けたんだぁ……」と思われないように自分なりに責任感を持って、ある意味、田村選手に恩返しをするつもりで、試合に臨んだ部分はあります。
──すごくいろんなものを背負って出場されたんですね。
金 普段はおちゃらけていますけどね(笑)。まあ、ボクは格闘技者で、格闘技しかないんです。これしかないんです。だけど、「これしかない」というのはすごく大事なことで、ならばできることを精一杯やろうと考えています。


強い相手なら誰とでも構いません

──10・28HERO'S韓国大会への出場が決定しましたけど、韓国で試合をするのは初めてなんですよね。
金 そうです。
──今月1日に韓国で行われた記者会見では「初めての韓国での試合なので緊張している」とおっしゃっていましたが、今の心境というのは?
金 韓国に行ってビックリしたのは、思っていた以上に格闘技が盛り上がっているんですね。そんな中、格闘技生活17年で初めて韓国で試合をするということになって緊張していますね。
──その緊張はどこからくるんでしょうか?
金 「韓国のお客さんに楽しんでもらえるかな?」というところからですね。キャラと言いますか、ローキックを蹴って「バチーン!!」という音を会場内に響き渡せる。そういうところに“格闘家”金泰泳としてのキャラがあると思うんですけど、それが伝わるかどうか? それ以前にそれができるかどうか? 相手もまだ分かりませんしね。皆さんが喜んでもらえるような試合をするのが、プロとして非常に大事。ただ勝ちに行くために消極的な試合をするにはいかないですからね。不安な部分はいろいろあります。しかし、最終的には心も体もバランスのいい状態で当日を迎えられたらなと思いますね。
──心と体をうまく連携させると。
金 バランスの良さというのは、ボクの中で“○=マル”をイメージしているんです。心と体、不安な部分によって三角だったり四角だったりする状態をマルにしていくって感じですね。……って、なかなか言葉ではうまく伝えられないですね(笑)。まあ、これをキッチリとできるかどうかという不安もあります。あと、相手と闘う時も、自分はマルでいるようなイメージを持っていますね。HERO'SやK-1のように一流選手同士の闘いになると、崩れたもん負けなんですよ。ですから、マルのイメージを持ってバランスを意識して闘うんです。
──対戦相手は決まっていませんが、何か希望はありますか?
金 それは谷川代表が決めることなんで、谷川代表にお任せします。強い相手なら誰とでも構いません。
──分かりました。最後にファンへメッセージをお願いします。
金 韓国での試合が決まりました。相手が誰であろうが一生懸命にやって、金泰泳らしい、空手家らしい試合をお見せしよう思っています。そのために日々精進して頑張りますんで、応援よろしくお願いします。■

 

»『OLYMPIA HERO'S KOREA 2007』韓国大会概要
»金泰泳:プロフィール

格闘技人生17年! 初の韓国での試合に臨む金泰泳


「韓国のお客さんに楽しんでもらえるかな?」。韓国大会に向け緊張している様子だ


今月5日に行われた記者会見では「緊張感のあるシリアスな試合をしたいと思います」とコメント


「普段はおちゃらけています(笑)」。クシャっとなる笑顔が魅力的だ!

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