■谷川代表「勝者をヒクソンにぶつけたい」

　毎年恒例となった大晦日の格闘技イベント『Dynamite!!』の開催が正式決定。今年も大阪で格闘技史上最大のイベントが行われることとなった。
　会見の冒頭、まずは谷川貞治FEG代表取締役が、今年で5回目となる『Dynamite!!』開催決定にあたり、「格闘技は人気のある一方で、正念場を迎えていると思います。今年の年末格闘技イベントがどうなるかは分かりませんが、やはりこの『Dynamite!!』が頑張らなければ、日本はおろか、世界中の格闘技界も元気がなくなるという自覚を持っております。格闘技界を代表して、原点である“打倒・紅白！”というものを忘れずに、今年は歌もバラエティも好調だと聞いていますので非常に強敵だと思いますが、多分今年もTBSさんに長時間放送枠を割いていただくと思いますので、それに応えるべく頑張りたいと思います」と決意表明。
　また視聴率に関しても「今までの記録を塗り替えるくらい、大きな目標を持って、新鮮で且つ一般の人にも興味の持てる試合をたくさん組んでいきたいと思います。これから1カ月間に渡り、連日のように記者会見をして、みなさんを驚かせていきたいと思いますので、ぜひ期待していてください」と語った。そして『Dynamite!!』の決定第一弾カードとして、桜庭和志vs船木誠勝を発表。
　この両者の対決に対し谷川代表は「2人の戦績を見ましたけど、戦績の分だけ歴史があります。他の選手とは重みが違います。2人にしかできない試合を見せてくれると思います」と期待を寄せ、「年末はヒクソン・グレイシー選手の試合も組みたいと思っていまして、もちろん現在も交渉中です。ただ、もしヒクソン選手がFEGが主催するHERO'S、『Dynamite!!』のリングに上がってくれるとしたら、年末ではなく来年早々の試合に出てもらいたいなと思っています。そして、私個人の気持ちとしては、この2人（桜庭vs船木）の勝者をぶつけたいなと。もちろん我々のリングで実現させたいんですけど、もし実現できずにヒクソン選手が他団体のリングに上がることになっても、この2人をその団体に送りたい。そういう気持ちがあります」と、桜庭vs船木の勝者とヒクソン・グレイシーを闘わせたい意向があることを明かした。

■桜庭「テーマは“みちのくNO.1決定戦”（笑）」

　そして会見には、対戦の決定した桜庭と船木が登壇。それぞれ試合への意気込みを語った。

【船木誠勝】
「（復帰を）発表しましてからすごく慌ただしい日々を過ごしていまして、あっという間に残り2カ月。今日、このように会見を開いていただいて、桜庭選手本人も来てくれて、いよいよ大晦日に桜庭選手と試合ができるんだなということをすごく実感しています。7年ぶりの復帰戦になるんですけど、まったく7年ぶりという感覚にはなっておらず、すごく自然な感覚で今日もここに出席しています。練習に関しても久しぶりにやっているという感覚がまったくなく、これが本来の姿なんだなという気持ちで毎日を過ごしています。自分が一度引退してから7年間の間に、総合格闘技はいろいろと進化したり成長してきた部分があると思うんですけど、その技術の進化とともに“闘いの本能”というか、本当の意味での“魂のぶつかり合い”という部分が段々薄れていっているような気がします。ですので、大晦日のリングの上では、“魂のぶつかり合い”を桜庭選手とできたらいいなと思います。自分は“やるかやられるか”の試合しかできません。桜庭選手も意識を失ってもまだ殴り続ける人間なんで、そういった闘いを見せられると思います。大晦日の大会も一つ減り二つ減り、最後にこの『Dynamite!!』しかなくなってしまいました。消えそうになった灯をもう一度燃やして、次の世代、次の闘いに繋げていきたいと思います」

【桜庭和志】
「船木さん、よろしくお願いします。船木さんは青森出身、ボクは秋田出身ということで、今回のテーマは“みちのくNO.1決定戦”でよろしくお願いします（笑）。一生懸命頑張ります」

　続いて質疑応答が行われた。以下、一問一答。

──桜庭選手にお聞きします。改めて、船木選手に対して、どのような思いがあるのでしょうか？
桜庭　できれば、次回から会う時は東北弁で話したいと思います（笑）。
──どんな会話をされますか？（笑）。
桜庭　「どっさぁ、ゆっさぁ」と。
──試合はどんな内容にしたいですか？
桜庭　正直、船木さんに関する情報がないので、船木さんが一発目にどういうふうに出てくるのか、あとでこっそり聞こうかなと思うんですけど（笑）、ちょっと想像できない部分があるので、試合展開は想像できません。
──そういう意味では、“未知の闘い”みたいな部分が普段よりも大きいですか？
桜庭　みち（未知）のく？　“みちのくNO.1決定戦”です（笑）。
──船木選手にお聞きします。9月の柴田勝頼戦での桜庭選手の印象を教えてください。
船木　ちょうど柴田のセコンドについていたので、目の前で桜庭選手の試合を見たんですけど、結構手堅い攻め、受け流し方もしっかりしていたので、そういう部分にハマりたくないなと思いました。ある程度、自分の頭の中で、桜庭選手のクセといいますか、そういったものが少し出てきましたので、それに対応できるように今、トレーニングをしております。
──両選手にお聞きします。あと2カ月、特別な練習とか合宿とかは考えていますか？
船木　技術的な部分は国内で。あとは精神的な部分ですね。集中力を高めたいと思っているので、何か新しい形のものに挑戦して集中力を高めていきたいなと思います。
桜庭　ボクは明日からブラジルのシュートボクセに1カ月くらい練習して、帰ってきてからは日本で調整したいと思います。
──先程、谷川代表のほうから「勝者はヒクソン選手と闘わせてみたい」という発言がありましたが？
船木　ヒクソン選手が試合をするのであれば、自分は一回闘って負けていますんで、自分の気持ちとしては、桜庭選手がヒクソン選手の相手になってもらったほうがいいかと思います。自分個人の気持ちです。
桜庭　特に何も考えていません。次の試合を一生懸命頑張るだけだと思います。

■KID、魔裟斗、そして他団体選手も出場へ

　遂に開催が発表された大晦日の格闘技イベント『Dynamite!!』。まずは桜庭vs船木というレジェンドファイター同士の一戦が決定したわけだが、谷川代表によると「来週より他のカードも決めていく」方針のようだ。
　また谷川代表は、出場選手に関して「魔裟斗選手、（山本）KID（徳郁）選手ほか、大物スター選手のカードをドンドン決めていきたい。今までFEG主催の大会に上がってなかった他団体の選手が上がることもあるかと思います。それと、10・28韓国大会でMVP的な活躍をした選手は出したいですね。いろんな選手にチャンスを与えたい」と、HERO'S、K-1で馴染みのある選手だけでなく、多くの選手を選考対象とすることを明言。「出たい選手は前向きに考えるので、一緒に日本の格闘技を盛り上げましょう」と意気込んだ。果たして、今後どんなカードが発表されるのか？　『Dynamite!!』関連のニュースに注目しよう！
　なお、今大会のチケットは10月28日（日）朝10時より、HERO'S＆K-1オフィシャルウェブサイト＆携帯サイトにて先行発売スタート。歴史に残る一戦を見にぜひ会場まで足を運んでみよう！■

»『FieLDS K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!』実施概要
»桜庭和志：プロフィール
»船木誠勝：プロフィール