気迫のこもったスパーリングを披露

 今年4月の『PRIDE.34』でゼルグ“弁慶”ガレシックから一本勝ちを収めた瀧本誠(吉田道場)が、大晦日、さいたまに帰って来る。多くの報道陣が集まるなか行なわれたこの日の公開練習では、同門である村田龍一を相手に気迫のこもったスパーリングを披露。3分×3Rのこのスパー、打撃こそ本気で当てないものの、オープンフィンガーグローブを着用し、いわゆる“最後まで”一本を取りにいくという実戦さながらの内容であった。
 石井大輔コーチからも「怪我をしないように! いい練習をすることを心掛けて!」と檄が飛ぶほどの激しい内容であったが、公開練習後に発表となった、『やれんのか!大晦日!2007』でのムリーロ・ブスタマンチ戦決定の報が瀧本のモチベーションを上げていることは間違いない。


「いつまでも語り継がれるような熱い試合をしたい」

 ムリーロ・ブスタマンチといえば、ブラジリアン・トップチーム所属の元UFCミドル級王者。“ブラジリアン柔術の匠”と呼ばれ、日本でも数々の激闘を展開。こと日本人選手相手に関してはいまだ無敗の強豪である。
 だが、瀧本はいつものように冷静な口ぶりで「急に試合が決まりましたが、ずっと練習はしてきてましたのでファンの皆さんに楽しんでもらえるような試合がしたいです」と淡々としたもの。ブスタマンチの印象について聞かれると、「ベテランで実績もあるし、どんな状況でも自分の良さを出してくるという感じがします。諦めないというか、試合の最後の最後まで粘ってくるタイプ。柔術の王者といってもパンチもキックも下手なわけじゃない」と、柔術テクニックだけでなく、トータルファイターとしての完成度の高さを認めた。
 くしくも“柔道vs柔術対決”となったこの一戦。同じ吉田道場の中村和裕が過去にブスタマンチに判定負けを喫しているが、「中村選手にいろいろ話を聞きながら練習をしています」とブスタマンチ対策に余念がないようだ。しかし「でもそんなに穴がなさそうですね(笑)」と苦笑いする場面も。
 普段から寡黙な男で知られる瀧本だが、この日の囲み会見では『やれんのか!大晦日!2007』に対する意外なほどの熱い想いが語られた。「開催を発表された時から『やれんのか!』に出たいと思っていました。でも本当に出られることになるとは思いませんでした。名前を出していいのかわかりませんが、あのPRIDEの最後の大会という意味合いがあるので、伝説となるような、いつまでも語り継がれるような熱い試合をしたいと思っています。プロとして総合格闘技を始めてから、PRIDE以外のリングに上がることは考えていませんでしたので、大変光栄に思っています」。
「吉田さんからは『頑張れよ』っていう程度のことぐらいしか言われてません(笑)。大舞台といっても僕は派手なパフォーマンスとかが好きではないんで、普通に入場していつもどおりのことをやります」と、最後まで“らしい”コメントに終始した瀧本。
 果たして瀧本はブスタマンチを破り、新たなステップを踏み出すことができるのか? この大晦日の大一番で瀧本が見せるのは、約8カ月の間、休むことなく続けられた練習の成果、そして今まで多くを語ることのなかったPRIDEに対する熱い気持ち。ズバリ、その“技”と“心”の部分だろう。■

 

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ブスタマンチ戦が決まった瀧本が『やれんのか!』への意気込みを語った

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