巻藁3本斬りに初成功!!

 船木が公開練習として選んだ場所、NPO法人無外流・吹毛会本部道場。「無外流」とは、江戸時代中期に開かれた剣術の流派。池波正太郎の小説『剣客商売』の登場人物である秋山小兵衛が使うことで有名だ。船木は集中力を高めるため、1カ月ほど前からここで居合道の稽古を開始。この日の公開練習に至った。
 報道陣が同場所に駆けつけた時には、すでに船木は居合道衣に着替え、稽古をスタート。真剣を握りしめ、何度も素振りを繰り返していた。塩崎雅友伝承部次長指導のもと、ポイントとなる部分の修正をすると、いよいよ試し斬りだ。まずは巻藁1本。背筋を伸ばし、集中力を高めると、一気に真剣を振り落とす。「ザンッ!!!!」。見事に斬り落とすことに成功すると、お次は巻藁3本に挑戦。3本は今まで成功したことがないらしく、「リベンジですね」という塩崎次長の声が掛かると、船木の表情もキリッと引き締まる。そして、「……ザンッ!!!!!!」。成功だ!! これには船木も「信じられない。3本を成功したのは初めてなので嬉しいです」と笑顔。多数の報道陣の前で初めての試みに挑戦し、それに成功。船木の集中力の高さが垣間見られた一瞬だった。


「格闘技と通じるものがあります」

「トレーニング場所を車で転々としていると渋滞とかに巻き込まれ、集中力が途切れつつあったので、『集中しよう』と思ったのがきっかけです。座禅も考えたんですけど、居合は動きながら集中できるので」という理由から居合道を習い始めた船木。「他のトレーニングもあるので、回数は来られなかったけど、その分、やる時は集中してできました」と充実したトレーニングであったことを説明した。さらに、格闘技との共通点も見出した船木。「しっかり(巻藁が)斬れると手首に衝撃はないんですね。気が付いたら斬れている感じです。パンチも一緒なんですよね。相手が倒れるパンチは、力が入っていない時のパンチ。格闘技と通じるものがあります」と、感覚として手応えを感じている様子だ。


23年前のデビュー戦を振り返り…

 集中力の高さを見せた船木だが、プレッシャーとなると話は別なようだ。「早くこのトンネルから抜け出したい」と苦笑いを浮かべると、1985年に15歳という若さでプロレスデビューした時のことを振り返り、「あの時は『このままデビューしていいのか?』という不安がありました。できることが限られていた中で、できることを精一杯やりました。そして、今もあの時と似た感じがあります」と語った船木。しかし、「怖さはありません」と強調する。「骨折、頭を打って脳震盪……一通り経験してきていますし、勝敗に対しても怖くはありません。7月の復帰発表から物凄く早かったです。早く試合がしたいです」と意気込んだ。
 船木はこの日で練習を切り上げ、疲労を取って当日を迎えるという。2007年大晦日、7年間のブランクを経て、遂に船木誠勝が復活する!!■

 

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»プロフィール:船木誠勝

お見事! 巻藁3本斬りに成功! 凄まじい集中力を見せた


船木の公開練習と同時に行われた桜庭の公開練習の模様を記者から伝え聞くと、「それなら自分はこれ(居合)でよかったですね(笑)」と笑顔

ファーストコンタクトがどうなるか想像してもらうと、「桜庭選手は、思いっきり突っ込んでくるか、見るか。2つに1つでしょう。自分もそうです」とコメント

大晦日『Dynamite!!』まであと4日。この日見せた集中力を桜庭戦でも見せてくれるだろう!

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