■巻藁3本斬りに初成功!!
船木が公開練習として選んだ場所、NPO法人無外流・吹毛会本部道場。「無外流」とは、江戸時代中期に開かれた剣術の流派。池波正太郎の小説『剣客商売』の登場人物である秋山小兵衛が使うことで有名だ。船木は集中力を高めるため、1カ月ほど前からここで居合道の稽古を開始。この日の公開練習に至った。
報道陣が同場所に駆けつけた時には、すでに船木は居合道衣に着替え、稽古をスタート。真剣を握りしめ、何度も素振りを繰り返していた。塩崎雅友伝承部次長指導のもと、ポイントとなる部分の修正をすると、いよいよ試し斬りだ。まずは巻藁1本。背筋を伸ばし、集中力を高めると、一気に真剣を振り落とす。「ザンッ!!!!」。見事に斬り落とすことに成功すると、お次は巻藁3本に挑戦。3本は今まで成功したことがないらしく、「リベンジですね」という塩崎次長の声が掛かると、船木の表情もキリッと引き締まる。そして、「……ザンッ!!!!!!」。成功だ!! これには船木も「信じられない。3本を成功したのは初めてなので嬉しいです」と笑顔。多数の報道陣の前で初めての試みに挑戦し、それに成功。船木の集中力の高さが垣間見られた一瞬だった。
■「格闘技と通じるものがあります」
「トレーニング場所を車で転々としていると渋滞とかに巻き込まれ、集中力が途切れつつあったので、『集中しよう』と思ったのがきっかけです。座禅も考えたんですけど、居合は動きながら集中できるので」という理由から居合道を習い始めた船木。「他のトレーニングもあるので、回数は来られなかったけど、その分、やる時は集中してできました」と充実したトレーニングであったことを説明した。さらに、格闘技との共通点も見出した船木。「しっかり(巻藁が)斬れると手首に衝撃はないんですね。気が付いたら斬れている感じです。パンチも一緒なんですよね。相手が倒れるパンチは、力が入っていない時のパンチ。格闘技と通じるものがあります」と、感覚として手応えを感じている様子だ。
■23年前のデビュー戦を振り返り…
集中力の高さを見せた船木だが、プレッシャーとなると話は別なようだ。「早くこのトンネルから抜け出したい」と苦笑いを浮かべると、1985年に15歳という若さでプロレスデビューした時のことを振り返り、「あの時は『このままデビューしていいのか?』という不安がありました。できることが限られていた中で、できることを精一杯やりました。そして、今もあの時と似た感じがあります」と語った船木。しかし、「怖さはありません」と強調する。「骨折、頭を打って脳震盪……一通り経験してきていますし、勝敗に対しても怖くはありません。7月の復帰発表から物凄く早かったです。早く試合がしたいです」と意気込んだ。
船木はこの日で練習を切り上げ、疲労を取って当日を迎えるという。2007年大晦日、7年間のブランクを経て、遂に船木誠勝が復活する!!■
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