第10試合
HERO'S特別ルール/10分2R
3Rドロー(判定決着なし)

ホイス・グレイシー

(ブラジル/グレイシー柔術) 
vs
所英男

(日本/リバーサルジム)

試合内容

“グレイシー一族最強の遺伝子”と呼ばれるホイス・グレイシーが、前回の『Dynamite!!』の曙戦に続き、参戦。当初、ホイスの対戦相手は秋山成勲だったが、ケガによるドクター・ストップで所英男に変更となった。約20kg近くの体重差がある対戦だが、「もともと重い選手と闘う予定だったから、問題ない」と所。『HERO’S』で文字通りのヒーローとなった所は、ハンディを勢いでカバーするつもりのようだ。
 1R、積極的に動いたのは所だった。上半身裸のホイスに対して、思い切り踏み込んだ右ストレートを打っていく。頭を下げたホイスは、組み付くと寝技へ引き込んだ。上になったのは所。ホイスは、ガード・ポジションの体勢へ。足を胴に巻きつけ、ロックした状態のクロス・ガードをキープするホイス。自分の足の道衣の先を左手で握ったホイスは、所をコントロール。さらに手のひらで、所の耳の辺りを何度も殴っていく。何とか立ち上がった所は、ホイスに組み付かれると足関節を狙う。だが、これは不発に。だが、すかさず所はパンチを当てると、ホイスは後ろに倒れた。さらに、パウンドで追い打ちをかけたが、紙一重で急所が外れる。鼻血を噴出すホイス。それでもホイスは、またしてもガード・ポジションに。  所は、ホイスを抱え上げてマットへ落とすバスターを敢行。膠着が続き、スタンドから再開。ここで所は、ホイスを投げるが、また同じガード・ポジションの体勢となる。
 2R、サイドキックを繰り出すホイス。所はジャブからリズムをつかみ、右ストレートをヒット。ホイスは、後ろに倒れながらディフェンスをした。ここで所は、胴回し回転蹴り。これをかわしたホイスは、サイド・ポジションを奪う。窮地に追い込まれた所だが、これを逃れるとスタンドでローキック。ホイスは組み付き、上に乗る。所は、足関節を狙う。ホイスはディフェンス。所は腕十字を仕掛け、またかわされる。バックを取るホイス。足関節を取りにいく所。体勢を入れ替えようとした所だが、ホイスは逃がさない。執拗にチョーク・スリーパーを仕掛けていくが、所は懸命のディフェンス。手に汗握る攻防が続く。所がガード・ポジションに戻したところで、ブレイクがかかる。
 最後の賭けに出た所は、パンチを打っていく。倒れるホイスにパウンドを連打。ここで時間切れとなり、規定によりドローとなる。 ■

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コメント
ホイス・グレイシー
「以前にも答えたように、どの試合も簡単ではない。今回も厳しかった。トコロはタフファイターだと思っていたけど、予想通りだった。鼻血? 骨も折れていないし、若干腫れているけど、それも闘いの一部だと思っています。トコロは前日の会見で話したように、躊躇なく積極的に攻めてくるところ。それが、彼を危険にしている。試合ギリギリで相手が変わって、戦術を変えなければいけなかった。一緒にトレーニングしたホイラーは、トコロと同じように動きが速い。だから、スピードがあるのは予想していた。道衣を脱いだのは、ホイラーが決めたこと。セコンドがグラウンドよりスタンドだと指示したって? それは誤報だよ。ポルトガル語の訳を誰かが間違えたんじゃないかな(笑)。今日の試合は、98点から99点あげられると思う。100点じゃないのは、引き分けに終わってしまったから。一つミスをしてしまったことがある。鼻めがけてキックをされて、そのあとのリアクションを間違った。トコロに対してたくさんパンチを出せた。それで、今は手が痛い。だけど勝てなかったので、マイナス1ポイントだ」

ホイラー・グレイシー
「ホイスはトレーニングのなかで道衣をつけないままやっていた期間が長かったし、トコロに対して着ない方が彼は極められないと思ったから」
所英男
「ZSTと一緒でタイムアップになったらドローということなんですけど、ホイス選手の強さを肌で感じて、胸を張れるかというのは微妙です。ガードポジションにいるときに極められてもいいから動こうと思ったけど、あまりにもプレッシャーが強くてあんまり動けない。自分に負けたという感じです。お客さんに声援をもらえるのはうれしいんですけど、まだまだ差があるなという気がしました。寝技で僕は今まで頑張ったというか勝負してきて、やっぱ、強いっすね。ホイス選手は。攻めたい気持ちはあったんですけど、行ききれなかったですね。勝機はあまり感じなかったですね。けど、おかげさまでいい経験させてもらったので、まだまだ伸びる気がしてしょうがないです。掌底? 終わってから頭がガンガンしてきて、このままダメなのかと思いました。冷やしてくれておかげさまで大丈夫です。まだちょっとぼーっとしていますけど、痛いですね。メインは冷やしていたから見れなくて、実況生中継をしてもらいました。だけど、単語ばっかりであまり分かりませんでした。セコンドから“行け”とか“(ガードを)割れ”とか言われているのが聞こえたんですけど、プレッシャーが強くて行けなかったです。どうしようという感じで。ZSTらしからぬ試合でした。右拳ですか? 1Rにパウンドを打ったら指が伸びたというか、痛めました。僕が目指している闘いは動きのある試合で、今日はそういう試合ができなかったので。僕はリングス見てZSTで育っているので、そういう試合をしたかった。十字が極まりかけるような場面もありましたけど、あれは殴るための作戦だったと思います」
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