第8試合
HERO'S特別ルール/5分2R延長1R/72キロ契約
延長R判定3-0
※10-9、10-9、10-9。本戦…19-19、20-20、19-19

須藤元気

(日本/ビバリーヒルズ柔術クラブ)
vs ×
オーレ・ローセン

(デンマーク/Untamed)

試合内容

 打倒KIDへ向けて、06年の大事な初戦となった須藤元気。試合前に須藤は、「みんなが驚くようなことをしたい。ある意味、格闘技破壊です」とコメント。謎が深まっていたが、「香港がヒントです」とも漏らしていた。そして、キョンシーダンサーズを従えて現れた須藤は、カンフー衣姿で登場。そして、そのまま試合をするつもりだ。一方のオーレ・ローセンは、ムエタイのファイター。打撃と寝技の対決が予想された。

 1R、左腕を伸ばし、体をユラユラとさせて酔拳のような動きで撹乱する須藤は、いきなり鋭い左ハイキック、後ろ回し蹴りを連発。ローセンが右フックで返す。これを予測していた須藤は、体勢を低くして足を取りにいくが、マウントを取られてしまった。右のパンチ、鉄槌を落としていくローセン。須藤は冷静に対処し、ヒールホールドを極めにかかる。だが、あと一歩というところで、回転するローセンに逃げられてしまう。立ちながらバックを奪った須藤は、崩れるようにして倒れながら足を狙う。だが、これもローセンがディフェンス。どうやら打撃だけの選手ではない。須藤のパウンドも凌いだ。

 2R、カンフー衣の上着を脱いだ須藤。どうやら本腰を入れて、仕留めにかかるようだ。軽いステップを踏むと、タックルへ。テイクダウンをすると、一瞬にしてマウントポジションを奪う。片ヒザを腹の上に乗せ、パンチを落としていく須藤。嫌がって顔を上げたローセンの首をロック。あと一歩で極まりかけたが、ここからローセンが脱出した。一気に体力を使ったのか、やや須藤の動きは落ちる。猪木−アリの状態で、下になる須藤を目掛け、ローセンは何度もジャンプして攻撃。このときだけ一瞬、須藤の動きが止まってしまった。スタンドからの再開となり、須藤はバックブローを連発。テイクダウンからサイドポジションを奪ったところで、終了のゴング。勝負は判定となるが、0−0で延長戦へ突入した。

 延長ラウンド。まだ体力が余っているのか、ローセンはキレ味の鋭いハイキックを見舞う。須藤はタックルからテイクダウンに成功。猪木−アリ状態になるが、今度は上になった須藤が飛び込んでサイドポジションをゲット。パンチをコツコツと落としていったあと、三角絞めを仕掛けた。またしても逃げるローセン。ならばと須藤は、マウントポジションからパウンド攻撃へ。返されても、今度はオモプラッタへ移行。三角絞めも極まりかけるが、ローセンがディフェンス。最後も、三角絞めの体勢のまま、ローセンはタップをせずに時間切れ。判定で須藤が勝ったが、ローセンの健闘も光った。■


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コメント
須藤元気
「1Rに回転ヒザ固めを狙っていて、相手の体重がかかってバキッと音がしてしまって。やってしまったなと。正直、1Rが終わった時にどうしようかなと思っていて。以前、練習でも同じことをやってしまって。試合だから興奮して痛みはなかったんですけど、足が動かなくて極めきれなかった。3Rの横三角も、締めきれなかったですね。ローセン選手は柔術もしっかりやっているということで、ポジショニングもやってくるだろうなと想定していました。相手が強かったのもありましたけど、試合中にケガをしたのは始めてだったので。僕の格闘技人生で、素晴らしい糧になると思います。2Rは気持ちがヒザにいってしまって、足を効かすことができなかったんですね。得意な動きやテイクダウンができなくて、ドローになってから気持ちを切り替えて。今日の勝負は精神力でした。今日のために道衣を着て練習していたんですけど、着ているといつもの倍は疲れるので。ライトも強くて体力を奪われました。練習の時も、いつもの倍スタミナを使っていたのですけど。とりあえず、ああいったカンフー衣を着たりとか、強さ意外にもいろいろな人に見てもらって。格闘技の構造改革じゃないですけど、いろいろな切り口があるということに気付いてもらって、枠を壊して世のなか矛盾だらけのことがあるので。有機的秩序や、自然と生きる当たり前のことを忘れているので。KIDさんの試合を経て、学ぶことがありました。あの試合は結果は負けでしたけど、勝利の第一歩だったなと感じます。再戦はぜひやりたいですけれども、たぶんケガで5月は間に合わないと思います。何ヵ月かは治療の時間がかかるでしょう。でも、これで精神的な経験値が上がったので、僕にとって06年最初の試合は有意義で素晴らしい経験ができたと感じます」■
 
オーレ・ローセン
「試合のオファーがあったのは、およそ1ヵ月前。それから集中的にグラウンドのトレーニングをしてきました。チームに柔術のエキスパートがいたので、彼と集中的にトレーニングをしてきました。関節技も十分に練習してきたので、どうすれば技が解けるかは分かっていた。コーナーマンのアドバイスを聞いて、動くことができた。1R、2Rに関してはガムシャラに持っているものを全て出した。延長が決まった時点で、全てを出し尽くしていたのでスタミナ的も切れてしまった。だから、動きが鈍ってしまったのだと思う。須藤がヒザをケガ? そのことに関しては、全く気付いていませんでした。彼のコスチュームを初めて見た時にはビックリしたけど、エンターテインメントとしては素晴らしいことだと思う。カンフーの格好をした人と試合をしたことは、うれしかった(笑)。試合展開に若干の影響はあったと思う。自分がしっかり掴むことができずに滑ってしまった。それ以外は、とくに衣装で負けたということはないと思う」■
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