第13試合
HERO'Sルール/1R・10分、2R・5分、延長5分/85キロ契約

1R6分25秒、チキンウィングアームロック


桜庭和志

(日本/チーム桜畑)
vs ×
船木誠勝

(日本/ARMS)

試合内容

共にU系と呼ばれるプロレス団体に所属し、その後、道は違えど総合格闘技に活躍の場を移した桜庭和志と船木誠勝。日本総合格闘技界を黎明期から支え、業界に多大なる影響を与え続けた両者が大晦日の夜に相まみえる! 7年ぶりのカムバックの相手に桜庭を指名した船木は「(桜庭の)クセは見抜いた」と発言。これに対し桜庭は「ブラジルでクセを変えてきます」と切り返している。そして船木は、真剣の居合い斬りで巻藁3本を切断することに成功。桜庭を倒すためのヒントを掴んだのか。一方の桜庭は、『Dynamite!!』養成ギプスなる秘密兵器を使い、話題を独占してきた。この二人のレジェンド対決は、ただでは終わりそうにない。
 最初に入場をしてきたのは、船木だ。会場にお祭りの音楽が流れ、フードをスッポリとかぶった船木が登場。ロングのマントには、青森のねぶた祭り調のイラストが描かれている。そして、フードを外すと、ねぶたのマスクが。それをとると、船木が姿を現した。
船木の入場が終わると、今度は桜庭だ。ビジョンに桜庭がブラジル合宿へ行くときの様子が映し出され、アイスラッガーを投げるポーズに続き、『ウルトラマン』の曲が流れる。船木の顔写真がつけられた怪獣と闘う桜庭の場面が。見事に怪獣を退治すると、映像が終わり、ウルトラマンのマスクをかぶった二人が登場。それぞれポーズを決めると、マスクを取る。一人は桜庭で、もう一人はなんと下柳剛投手だった。
 1R、レジェンド対決の運命のゴングが鳴る。腕を上げて、しっかりとガードする桜庭。左ローキック、左ハイキックで探りを入れる。船木はジャブを放つ。サウスポーとオーソドックスに構えを切り替え、圧力をかける。タックルに入るフェイントをかける桜庭。船木は動じない。すると船木は、右ローキック。桜庭は右フック。ジャブで攻める船木。桜庭は、左ストレートから右アッパー。船木はガードする。桜庭は右ローキック。船木は右フック、左ストレート、右フックを放つ。その直後、ダッキングでかわした桜庭は、タックルへ入ってテイクダウンに成功。ガードポジションをとる船木。体を丸めて、ヒザ十字を狙う。鉄槌を落とす桜庭は、バックに回る。回転してガードポジションをとる船木。桜庭は鉄槌やパウンドを落としていく。上になって離れる桜庭は、寝ている船木の足を蹴る。そして、ジャンプしてのパスガードを狙う。足を蹴る桜庭は、サイドポジションを奪うと、腕を取りに行く。アームロックだ。一気に腕を引っこ抜くと、完全に極まってしまう。船木はタップの意思表示。桜庭が一本勝ちを収めた。

 マイクを握った桜庭は、「微妙な締めですみません(苦笑)。来年もいい年を迎えて、格闘技界を盛り上げましょう。僕らも頑張ります」と挨拶。閉会式で桜庭は、スペシウム光線のポーズをとって最後を締めた。■

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コメント
桜庭和志のコメント
――試合の感想は?
桜庭 7年ぶりでしたっけ? パンチもキックもうまくて焦りました。想像していた以上にローキックも強くて、身が引き締まりました。
――試合後に会話をしていたが。
桜庭 大丈夫ですか?みたいな。痛くしたって言われて、すいませんって(苦笑)。あとは僕らも年ですけど、もう少し頑張りましょうって言いました。
――『Dynamite!!』養成ギブスの成果は?
桜庭 体が軽かったですよ!!
――やりづらさはあったか?
桜庭 いつもと同じで変わらなかったです。グラウンドで顔面を殴ろうと思ったりもしたんですけど、船木選手のガードがうまくて。リングの上に上がって本物だ、と思いました。
――谷川プロデューサーはこの試合の勝者をヒクソン・グレイシーと対戦させるとコメントしていたが。
桜庭 全然、構わないというか、試合をしたことがないんで。でも、今は次の試合のことは想像できないです。
――大阪ドームでの試合で、去年のことを思い出したりは?
桜庭 いや、とくにないです。スッキリとした試合ができました。でも、試合の終わりが分からなくてすいません。アームロックして、クラッチした腕が外れなければいろいろ考えていたんですけど。
――入場のウルトラマンは…
桜庭 意味ないですね(笑)。やってみたかっただけです。無理やり繋げました。カラオケとかでウルトラマンを歌うと映像が流れて子供が喜ぶんですよ(微笑)。
――来年の目標は?
桜庭 今年は結構、ケガがなくて順調に練習ができました。来年もケガがないように、体に気を使いながら練習とか試合をしたいと思います。
船木誠勝のコメント
――7年ぶりの試合の感想は?
船木 試合前は普段と変わらなかったんですけど、試合中は桜庭選手の動きに金縛りに合ったようでした。自分が7年間で勘が鈍ったのと、桜庭選手のフェイントのうまさだと思います。あのアームロックのとり方は正直、忘れていました。やられた瞬間、もうダメだと思いました。
――総合の進化は感じた?
船木 気持ちを抜けない、仕切り直しもできないですね。バランスを崩したら相手のペースになってしまう。そこが発達したな、と。僕にできた攻撃はジャブとヒザ十字に行けるか行けないかくらいで、防戦一方でしたから。今後、チャンスがあれば後先考えずに突進していく試合をしたいです。体のなかで使ってみたいという技術も出てきたんで、新しいことをやってみたいという感覚が多かったです。
――入場に関しては?
船木 コスチュームはデザイナーさんにお願いしました。ああいう形のコスチュームが出てくるとは思っていなくて、ビックリしましたけど。マスクは縁起がいいから被ったら、ということで。
――赤い色はなぜ?
船木 履きたかっただけで、あとはお任せです。
――花道からリングに向かうとき、感慨深かった?
船木 懐かしいというか、入場式で歩けているな、という喜びがありました。闘うというよりも…(涙を拭う)戻って来られた喜びが大きかったです。
――ファンからの声援は聞こえた?
船木 本当に嬉しかったです。
――復帰を望めばいつでもできたはずだが。
船木 帰って来てはいけないと思っていました。でも…帰って来てよかったです。
――今後は一選手として、真価が試されるが。
船木 次は誰でもいいです。それに場数も踏まないとですね。試合では動けなかったな、というのが正直な感想です。練習ではできるのに…時間がかかりそうだと感じました。
――ヒクソン戦で死んだ船木は今日、生き返れた?
船木 どうですかね。もう一度、生まれ変わる切符をもらえただけだと思います。桜庭選手が試合後、「歳ですけど、もう少し頑張りましょうよ」と言ってくれたんで。
――この試合で敗戦したことで、引退は考えた?
船木 そういうことはもうしないです。最初の引退は、自分のわがままですから。今回は絶対に逃げないです。
 
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