第5試合
1R10分、2R5分

1R 8:12 KO


三崎和雄

(日本/GRABAKA)
vs ×
秋山成勲

(日本)

試合内容

格闘技界の“大連立”によって、恐ろしいまでのスーパーカードが実現した。三崎和雄はスタンド、グラウンド、打撃、組み技あらゆる技術を使いこなすオールラウンド・ファイター。闘志を全面に押し出す闘いで、昨年はウェルター級GP優勝も果たしている。対するは『HERO'S』ライトヘビー級王者・秋山成勲。昨年大晦日、桜庭和志戦での反則による出場停止処分で大ヒールと化しているが、10月の復帰戦ではデニス・カーンをアッパー一発でKOするなど実力は世界最高レベルだ。カーンが敗れたことで、「この男とやりたいと思うようになった」という三崎は、この一戦を「本能や野生の勝負。生き物としてどっちが強いのか」と闘いだと語る。一方、秋山は会見や公開練習で謙虚なコメントに終始しているが……。

秋山はいつもと同じくサラ・ブライトマンの『Time to say goodbye』で入場。ステージでセコンドとともに正座して礼。だが観客からは大ブーイングが発生する。逆に三崎の入場には、凄まじい大歓声だ。おそろしく気合いの入った表情で、三崎はリングイン。

三崎が握手を拒否し、第1R開始。三崎コールの中、秋山が前進し、三崎が回るという展開。三崎は前蹴りで牽制しつつローキック。秋山もローを出しつつパンチを出していく。緊張感あふれる打撃の攻防の中、6分過ぎのところで秋山の右パンチがヒット! 倒れこむ三崎にパウンドを連打する秋山。だが三崎はこれを耐え抜き、立ち上がってみせる。今度は三崎が圧力をかけ、思い切った踏み込みのパンチからヒザ。秋山のパンチがヒットする場面もあったが、三崎は前へ。そしてロープを背負った秋山に三崎の左フックがヒット!! 倒れこむ秋山の顔面に右の蹴りを叩き込み、劇的なKOで三崎が勝利を飾ると、場内は総立ちの大爆発だ。セコンドはもちろん高田本部長も解説席からリングに駆け上がり、三崎と胸ぐらを掴み合いながらガッチリと抱擁! 興奮する三崎に祝福のビンタも入れた!

試合後、マイクを握った三崎は「お前は去年、たくさんの人と子供たちを裏切った。オレは絶対に許さない。でも、今日試合をして、お前の気持ちがオレにも届いた。だから、これからはリングの上でたくさんの人たちと子供たちに、誠意を見せて闘ってほしい」と秋山の目を見ながら語る。そして秋山がリングを降りると、三崎は「柔道最高! 日本人は強いんです! みなさん、10年間愛してくれてありがとうございました。オレはみなさんが大好きです!!」。ファンの期待を背負った一戦は、見事なまでの大団円となった。■


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コメント
三崎和雄のコメント
──試合を振り返ってどうですか?
三崎 内容よりも、このリングに上がることが一番重要だったので、まずはファンの皆さん、関係者の皆さんにお礼を言いたいです。内容は正直、プレッシャーの中でずっと練習してきたんで、この気持ちを誰にも言わずにリングに上がると決めてました。そういう重圧があったんで、リングに上がってもなかなか体が動かなかったんですけども、1発食って意識が飛んで戻った時に、「いくしかねえ!」とエンジンがかかった気がします。
──意識が飛んだんですか?
三崎 そう見えませんでしたか?(笑)。完全に飛びました。
──ここへ来る時、足を引きずられてましたが?
三崎 これはロー(のダメージ)ですね。(秋山選手は)非常にパワフルでした。
──秋山選手には凄いブーイングが、三崎選手には凄い歓声が起こっていましたが?
三崎 ブーイング起きてたんですか? 歓声だと思ってました。ここに来てくれてるのはあのイベントをずっと応援してくれてた皆さんだと思うし、僕はそのファンの皆さんにもらった以上のものを返す思いでリングに立ちました。
──フィニッシュは自然な流れの中でああなったんですか?
三崎 そうですね。自然な流れで。勝手に出てました。
──手応えは相当ありましたか?
三崎 う〜ん、当たった感触はあったんですが、僕はまだ続行のつもりでしたから、ノックダウンの感触ではなかったですね。
──その前の左フックはボディへのフェイントでもあったんですか?
三崎 最初からボディは見るからに効きそうな体だと思ってたんで、それが上手く噛み合ったというか。
──最後のメッセージは言おうと決めてたんですか?
三崎 そうですね。僕の彼に対する思いは、ずっと我慢して、リングで向かい合ってから言おうと思ってました。また、彼をリングに迎え入れたのは、そこまでのことは考えてなかったんですけども。向かい合ったことで魂というか、彼の奥にある深いものが伝わってきた気がしました。やっぱり、この男はリングの上でみんなの信頼を取り戻さなきゃいけないと感じました。
──そういう気持ちが伝わったから敢えて「柔道サイコー!」と?
三崎 僕も柔道やってたんで。柔道を使ってた相手に勝った僕も柔道経験者なので。あと、やっぱり子供たちに武道の精神を見直してもらいたくて言いました。
──秋山選手にひとことメッセージをお願いします。
三崎 そうですね……。ここで交わったのも何かの縁ですので、今度またゆっくり話でもしたいですね。相手は応じるか分かりませんけど……。
──試合前のインタビューで、秋山選手の野生の勘のようなものに注目されてましたが?
三崎 思った通りでした! やばい、怖いというか、危険を感じました。何を持っているのか……。たぶんそういうものが前半、僕の動きをストップさせたんでしょう。
──試合中、しきりにジャンプされてましたが?
三崎 相手はもの凄いスピードがあるんで、飛び込んできたらヒザを合わせようと思ったし、プレッシャーをかければ退がるという、その駆け引きですね。フィジカルな問題ではなくて、本能の探り合いですね。
──高田本部長からはなんと声をかけられたんですか?
三崎 なんだったかなぁ……(笑)。「お前、男だよ!」ですね。史上最高の褒め言葉です。
──今後は?
三崎 自分が行きたいと思ったところに行きます。変な垣根や、難しい問題もあると思いますが、格闘家として本物を伝えたいので、上がりたいところに上がるし、伝えたいことを伝えていきます。
──海外も視野に入れてますか?
三崎 それはもう全てですね。海外も関係なく。やっぱりそこで自分が何をしたいのかということを自分に問いかけて。
──今回、スパッツに「愛国心」と入ってましたね?
三崎 アハハァ! 見えました?(笑)。やっぱり僕は日本人として……、もちろんその、変な信仰心とかはないんですが、先輩たちが命を賭して、そのうえで自分の命があるわけですからね。自分の体に日本人の血が流れているということを、僕は常に誇りに思ってますから。日々、生きてる日本という国を僕は愛してます。
秋山成勲のコメント
鼻骨骨折&側腹靱帯損傷のため病院直行
 
 
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