header
    
 

title
 チェ・ホンマンとの世紀の対決が決まった、ブロック・レスナー。『SoftBank presents Dynamite!! USA in association with ProElite』(6月2日=現地時間、アメリカ・『ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム』)では、どんな闘いを見せるのか? 現地取材インタビューをお届けする!

『大きな夢を持て』と言いたい

photo――ブロックさん、子供の頃のあなたの話を聞かせてください。
レスナー オレは、小さな町の酪農場で育った。子供時代はとても素晴らしかったね。兄が二人いたんだけど、ともにスポーツ系でね。それでスポーツに興味を持ったんだ。レスリングを5歳で始めた。牛から牛乳を搾ったり、肥料を運んだり、牧草を作ったり、すべてが好きだったね。親はいつも働いていたから、手伝わないといけないと思ったんだ。
――大変だったんですね。
レスナー 別の生活を知らなかったからね。必ず何か仕事があったし。幼い頃から責任感があったんだ。7歳でトラクターを運転していたよ。今の時代は14歳から車の運転を習っている子供がいるよね。親父がオレを信じてくれたことに感謝しているし、親父もオレが手伝うことで助かったと思う。オレは手伝えて嬉しかったね。金にはならなかったけど(笑)。今の自分があるのは、昔からあんなに責任を持つことができたおかげだ。
――小さい頃から才能があったのでしょう。
レスナー 昔から一番スキルのある、速いレスラーじゃなかった。ただ、何をやらないといけないかをちゃんと理解していたのは事実だ。ウェイトルームでも、練習でもね。だから若い頃から、対戦相手より強さはあったよ。農場での仕事で努力をすれば、いいことがあると分かっていたんだ。仕事が終わるまで自慢するな、という諺があるくらいだからね。すべてやっていることに意味がある。仕事が終わって、満足のいく仕事ができたことが大事なんだ。なんでも中途半端にできるけど、いくら自分の仕事が好きな人でも、来年になればいい結果が出るとは限らない。それを若い頃から農場の仕事で分かっていた。何時間もウェイトルームやジャンプロープやレスリングマットに向かっていた。他の人と自分の差を付けたかったからな。オレはお前らとは違うぞってことを。だから、家のなかでも中途半端なことはやらない。小さな町にいるのは悪いことじゃないけど、違う人生を送りたかった。失敗することを恐れてはいない。これは大きいと思う。成功するためには、まず失敗を経験しないとな。どんな子供にもそう言っている。どんな国でもな。子供にサインをするときは『大きな夢を持て』と書くんだ。成功したければ、境界線から出なければいけない。

なぜか自分のなかに“怒り”がある

photo――なぜMMAへの転向を決意したのでしょうか。
レスナー まだ29歳だし…なんでかな、昔から体を動かしていないとダメなんだ。レスリングにしても、アメフトにしても、そういう精神なんだよ。実際にMMAが大きく普及していて、レスラーから成功しているファイターを見て、自分もレスリングスキルを活かしたいと思ったんだ。ただレスリングだけじゃない。他にムエタイ、柔術なども1年以上、練習している。
――何かが始まりそうですね。
レスナー そうだ。いよいよ次の章が始まるな。アマレス、アメフト、プロレスをやって、これからはプロの格闘家としての姿を見てほしい。怖いことはないね。いつも違うことをやるのが好きだからな。リングに入って、闘って金をもらう。単純なことだ。でも、まったくナメていない。MMAを習うのは好きだし、こんなに自然にできたことはない。6月2日は大勢の観客の前でリングに入るよ。
――心配する人もいますが。
レスナー 今でも『あいつはアメフトにも入れなかった』と言うヤツもいるが、自分でやってみろと言いたい。オレは実際にやってみたら、「経験が足りなかったからヨーロッパでプレーしてほしい」と言われたんだ。しかしオレはミネソタ・バイキングスのためにプレーしたかったから、やらないと決めたんだよ。
――闘いに飢えていますか?
レスナー MMAは金がいいからってのもあるけど、ケンカもしたいんだよ。昔はたくさんできたけど、今はケンカをすると訴えられて高くつくからな(苦笑)。なぜか知らないが、自分のなかに“怒り”があるんだ。今は誰でもすぐに弁護士を呼ぶけど、昔みたいに己の拳だけで解決できたらいいな。たとえば借金でも、今はすぐに裁判に持ち込むが、叩き潰してから金を取り戻すべきだ。そう思わないか? なにかが曲がっているなら自分で直すっていう、それが最高じゃねえか!?(笑)

負けるとしても、KOか一本だ

photo――MMA挑戦を決めたときのファンの反応はどうでしたか。
レスナー 家族と親友が思っていることしか興味はないけど、自分で危険だと思ったらリングに上がらないね。負けるとしたらKOかサブミッションだろ? そんなに危険は感じないな。KOされたこともあるけど、オレはまだ生きてるじゃねえか。自分で決めていることだから、他のヤツが考えることには興味がない。自分の人生だからな。死ぬときは天国に行くつもりでいるよ。
――……。
レスナー 世の中は自分の仕事をキライなヤツが多いけど、オレは自分の仕事が好きだぜ。誰もいなくてもファイトをするよ。客がいなくて、今日は中止だと言われてもやるつもりさ。ファンに好かれればそりゃ嬉しいけど、100%自分のためにやっていることだからね。自分の天職だぜ、これは。
――練習はどうしているのでしょうか。
レスナー レスリングスキルを活かしたくて、マーティ(モーガン)に頼んだ。あとはグレッグ(ネルソン)にも依頼して、彼らの優れた経験を利用し、オレの立ち技、柔術を全部、合わせてもっといい自分を作り出しているところだ。自分の周りにはなるべくいい人を置く。いいコーチはいるし、いいトレーニング哲学もある。
――その哲学とは?
レスナー ファイターになること。それも、レスリングも使える多角的なファイターになることだ。リングに入って発揮するまでは分からないが、ヘビー級でオレよりレスリングができる奴はいない。それは分かっている。立ち技でオレに勝つヘビー級がいるかもしれないが、オレをテイクダウンできる選手はいない。改善するところ? それはあるだろ。リラックスした奴は一番、早くやられるからな。オレは自分に従う。ま、たまには嫁さんの言っていることにも気を付けないとな。でも、オレが再びリングに入ることを喜んでいるヤツは多いぜ。
――『Dynamite!! USA』で何を見せたいですか。
レスナー 何も証明するものはない。“オレは一番だ”って言いに行くわけじゃないんだ。ただ闘いたいだけなのさ。新しい記録を作りたいわけじゃない。好きなことをやって、それで金を稼ぎたいだけだ。試合が終わって、オレが立っていて、相手が倒れているシーンを毎日、想像している。ケンカっていうのは、メンタルがすべてといってもいいからな。ファイトが始まる前に負けることもあるんだぜ。頭の方で負けていれば、そうなる。オレか? メンタルで勝つことが多いな。俺のトレーニングスケジュールは、一般のトレーニングスケジュールとは違う。調整を一番に考えてる。リングに入って、すぐにバテるのはダメだし、ローキックをガードできなくてもダメだ。スタミナが足りなくて、何もできなくても意味がないからな。



ホンマンは立てないし動けない

photo――レスリングのテクニックは、どれくらい使うつもりですか。
レスナー オレは優れたレスラーなんだ。画面の下のテロップで「彼はこういうスタイル…」と見せるとき、「彼は優れたレスラー」だってどうやって分かったんだ? 誰かがそう言ったからか? それは、オレが証明して見せたからだ。オレはNCAA王者(全米学生レスリング選手権)だ。対戦相手はオレより背が高くて、体重もある。でも、オレはプロレスでも体格が大きい奴と闘って来たからな。ビビらないぜ。ホンマンは不利だと思うよ。
――彼に言いたいことはありますか?
レスナー オレが訊きたいのは、“そんなに大きいなら、なんでバスケットに行かなかったんだんだ?”ってことだ。オレが同じくらい体が大きかったら、バスケットにしたよ。あとは、6月2日、ホンマンは危険な目に遭うだろうな。ヤツは深い溝に入って、泳げなくなる。可愛そうなヤツだね。
――どんな闘い方をする予定ですか。
レスナー それは言わない。オレはKO、TKO、サブミッションで勝つ。技術が多角的になっているからな。ホンマンを倒したら、バナナの山盛りにアタックするゴリラみたいだな。どうしたらいいかホンマンは分かるはずがない。ホンマンは立てないし、動けない。オレは万力みたいに彼に付いているからな。ヤツはオレより経験があるとは思うけど、どんな目に遭うか分かっていない。オレにはスイッチがあるんだ。そのスイッチを入れたら、痛みを感じない、なんでもできてしまう機械のような気がするんだ。オンにしたら、刑務所行きだろうな。大学時代は2回くらいしか経験はないけど、今は自分でオンにできるようになった。スイッチを入れるぜ。オレのMMAデビューを6月2日、PPVで見ろよ。オレをライブで見たいか? 6月2日のメモリアル・コロシアムに来てみろよ!!■

Copyright (C) 2007 Dynamite!! USA Mail to:
Copyright (C) 2007 G.T.Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
当サイトで使用している写真およびテキストの無断転載を禁止します。