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『SoftBank presents Dynamite!! USA in association with ProElite』(6月2日=現地時間、アメリカ・『ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム』)で、ホイス・グレイシーとの再戦が決定した桜庭和志。“伝説の90分”から7年。再び相まみえるホイスに対して、桜庭は何を思うのか? 初の海外での試合について、10万人収容の会場についてなど、大いに語ってもらった。
(写真:インタビュー後、都内の武蔵小山商店街にて撮影)

グレイシー? 特別な存在……ではないですね

photo ──『Dynamite!! USA』でホイス・グレイシー選手との再戦が決まりました。まず、2000年の伝説となったあのホイス選手との90分間(2000年5月1日/東京ドーム)を今、振り返ってみると、あの闘いは桜庭選手にとってどういう試合でしたか?
桜庭 忘れました!(笑)。
──あっ、そっ……そうですか(笑)。あの一戦以来、一気に桜庭和志というファイターが大ブレイクを果たしたわけですが、そういう意味でも、思い出深い試合なのかなぁと思っていたんですが……。
桜庭 これといった思い出はなぁ~んにもありません(笑)。ただの試合ですよ。でも、つらかったことは確かですね。あと2Rくらいはできそうな感じだったんですけど、その後(イゴール・)ボブチャンチンとも試合をしたじゃないですか。さすがにあの時は頭がボーっとしていましたね。
──90分間も闘うことができた要因はなんだと思いますか?
桜庭 う~ん……普段、練習も2時間ぶっ続けでする時もあるんで、そのペースでやっていたら90分闘っていた……って感じですね。
──1993年にUFCが始まり、そこからグレイシーという名前が世界的に知れ渡って、グレイシー一族は世界中のファイターの目標みたいな存在になりました。桜庭選手にとっても、グレイシーというのは特別な存在ですか?
桜庭 特別な存在……ではないですね。
──2000年5月にホイス選手を目の前にした時も特に意識した部分はなかったですか?
桜庭 全然何もなかったですね。一選手、というイメージしかないです。相手に対してビビッたといえば、(クイントン・)ランペイジ(・ジャクソン)とか(ケビン・)ランデルマンとか、あのへんはビビリましたねぇ~。リング上で相手を見た時、「こいつ、やっべぇ~なぁ! どのくらい力があるんだろう!?」と思いました。
──ランペイジもランデルマンも筋肉ムキムキですからね。そして今回、7年の歳月を経てホイス選手との再戦が決定したわけですけど、桜庭選手が再戦を受けた理由というのは?
桜庭 それはですね……やっぱり、谷川さんのしつこさですね(笑)。何回も何回も言ってくるから、「もう、分かりました。やりますよぉ……」って(笑)。
──ストーカーばりのラブコールを受けましたか(笑)。今回、ホイス選手はリベンジに燃えてくると思います。迎え撃つ桜庭選手のモチベーションというのが気になるんですけど。
photo桜庭 ボクの場合は、ただ普通に練習して試合ができればいいんですよ。ひょっとしたら、当日会場に入ってリングで対峙したら、なんか特別な感情が出てくるかもしれないですけど。でも、感情を入れたらダメです。感情を入れると、いっぱいいっぱいになっちゃうから。普通に冷静に闘ったほうが、普段練習していることができますし。ボクの場合は、いかに練習の時の気持ちで試合に臨めるかが大事なんです。
──ホイス選手は40歳、桜庭選手は今年38歳。7年前と現在を比べて、お互い変化した部分ってどこだと思いますか?
桜庭 やっぱり、やってみないと分からないですよ。ただ、お互い7年前とは違う技術もいっぱい身に付いていると思います。そういう部分もお互い見せられると思うし、いい試合を見せられると思います。
──今のホイス選手の印象は?
桜庭 申し訳ないんですけど、分からないんです。格闘技のビデオとかってあまり見ないんですよ(笑)。対戦相手が決まったら、その選手のビデオは3~4回くらい見るんですけどね。ホイスのビデオはまだ見ていないです。家で格闘技のビデオを見るのがイヤなんですよね。家で見るのは、最近だと、BOφWYとかDEAD OR ALIVEとかなんです(笑)。ちなみに、ボクの今回の試合のテーマは『NO.NEW YORK』(BOφWYの代表曲)です!
──そのココロは?(笑)。
桜庭 次の会場はロサンゼルスですよね?
──ええ。
桜庭 NO.NEW YORK(ニヤリ)。


歳も歳ですし、短いラウンドでお願いします(笑)

──今回の開場は1984年のロサンゼルス五輪の時の会場となったLAメモリアル・コロシアム。10万人が収容できる大会場です。桜庭選手は、5年前に国立競技場で行われた『Dynamite!』(2002年8月28日)で、9万人の観衆の前でミルコ・クロコップと闘った経験がありますよね。
桜庭 ええ。
──10万人の大会場で、しかもアメリカで試合をするということに関してはどう感じていますか?
photo桜庭 意外に思われるかもしれませんけど、会場に10万人の観客が入っていても、リングに上がって試合をしたら分からないんですよ。リングの中しか見えない。あとは、リングからちょっと離れたリングサイドくらいしか見えないんです。しかも天井はないんですよね?
──ないです。
桜庭 天井がないからお客さんの声もあまり聞こえないんですよ。天井があったらこもるから聞こえるんですけどね。国立競技場でやった時も、あまり聞こえませんでしたから。
──リングの上ではあまり観客の多さは感じないもんなんですね。
桜庭 あまり感じませんね。
──海外で試合をするのは初めてですよね?
桜庭 初めてです。まあ、練習でブラジルに行くよりはましですね。アメリカにはその半分の距離で行けるんで、移動時間が少ないから全然大丈夫です。
──アメリカのファンはアグレッシブな分かりやすい試合を好むと言われています。アメリカのファン向けに桜庭選手が考えていることはありますか?
桜庭 まったくないです(キッパリ)。
──そ、そうですか。では、桜庭さんはマスクで入場することが多いんですけど、その狙いはズバリなんでしょうか?
桜庭 恥ずかしさを消している部分がありますね。リングに上がってしまえば何ともないんですけど、リングまで歩いていくのがちょっと恥ずかしいんです。
──ストロングマシンだったりタイガーマスクだったり、この前(3・12HERO'S名古屋大会)はマスクド・スーパースターだったり、毎回マスクが違いますよね。
桜庭 昔好きだったプロレスラーのマスクをかぶっているんです。まあ、分かる人に分かればいいなっていう(笑)。今回も一応、考えているんですけど……多分、アメリカのファンには分からないかなぁ(苦笑)。あとは、普通にマシンで行くかですね。マシンだったら、昔のホイス戦を見てくれたファンには分かるでしょうし(2000年のホイス戦ではセコンドとともにスーパー・ストロング・マシンのマスクで入場)。
──なるほど。それでは最後にホイス選手にメッセージを!
桜庭 もう無制限ラウンドの試合は止めよう(笑)。歳も歳ですし、短いラウンドでお願いします(笑)。■photo

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