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★第9試合:5分3R
× 桜庭和志 VS ホイス・グレイシー ○
(日本/フリー) (ブラジル/グレイシー柔術)
3R判定3-0 ※30-27、28-27、28-27
    
  格闘技史に残る“伝説の90分”! 2人のレジェンドが再び相まみえる!

2000年5月1日、東京ドーム。「無制限ラウンド。レフェリーストップなし」という過酷なルールで、桜庭とホイスは90分間に及ぶ死闘を演じた。あれから7年──伝説の一戦が、『Dynamite!! USA』のリングで蘇る! 総合格闘技のレジェンド2人が生み出す、極上の闘い。ホイスのリベンジか? 桜庭の返り討ちか? 2007年6月2日、LAメモリアル・コロシアム。新たな伝説がこの日、生まれる!

 

試合内容

 会場は「この試合を待っていたんだ!!」とばかりに両者の入場前から大歓声が巻き起こる。「サクラバーッ!」、「ホイスーッ!」といった声援が入り乱れる。特に桜庭に対する声援は異常なほどで、客席には桜庭のTシャツを着たアメリカ人や日本人の姿も多い。先に入場はホイス。柔術衣を身にまとい、小走りでゲートを進んで行く。セコンドにはホイラーやホドリゴの姿が。会場は大歓声でこの伝説の男を迎え入れる。そしてあとから入場の桜庭は、いつもの『スピード2』のテーマ曲にのって、あの7年前の伝説の一戦と同じストロングマシンのマスクを被って入場!! だが今回は右半分がオレンジ、左がシルバーのツートンタイプ。そして両頬には日本とアメリカの国旗が縫い付けられている。そしてそのマスクを客席に投げ入れると、その下には右がシルバー、左がオレンジの逆バージョンのマシンマスクが現れる。さらにその一枚をふたたび客席に投げ入れると、また右オレンジ、左シルバーのマシンマスク! 合計3枚のマスクを客席に投げ、大歓声を浴びながら素顔でリングイン。会場は蜂の巣を突ついたような大騒ぎに! テーピングはルールで禁止となっているため、桜庭の右ヒザには黒いサポーターが着けられている。また道衣の着用も禁止されているため、ホイスは青のトランクス姿だ。両者のコール時には会場総立ちで歓声を送る。桜庭のセコンドにはシュートボクセ・アカデミーのフジマール会長の姿も。さあ、いよいよゴングだ!
 
 1R、両者距離を取りながら、相手の動きを計る。20秒経過、ホイスが桜庭の左ヒザを正面から蹴る。桜庭も左ローで呼応。そして桜庭の右ストレートがホイスの顔面を捕らえると、ホイスはバランスを崩した格好でマットにヒザをつく。この機に桜庭はホイスの左足を取りにいくが、ホイスは下から桜庭の顔面にパンチ、そして左足で踵落としを数発見舞っていく。このシチュエーションを嫌がった桜庭がホイスの左足を離すと、そのまま猪木-アリ状態へ。下からホイスが桜庭の右足に左ローを2発。しばらく猪木-アリ状態が続くなか、会場は「サクラバ」コールが巻き起こる。サイドに回った桜庭がホイスの左腕と左足を取りにいくが、ホイスは亀の体勢でこれを阻止。だが、桜庭は強引にホイスの左腕を取りにいくと、そのまま両者スタンドの体勢になり、あの7年前の試合を彷彿とさせる、ホイスを背後に、桜庭の上半身がロープの間からはみ出しながらのアームロック狙いのシーンに。しかし、ホイスの腕を取ることはできず、ラウンド終了のゴング。
 
 2R、ホイスが桜庭の左ヒザに蹴りを入れる。桜庭は左ローを蹴るがこれは当たらず。桜庭がタックルに入るがテイクダウンはならず。スタンドの状態でホイスがコーナーを背にしたポジションで両者間合いを詰めていくが、ホイスが牽制気味に右のハイキックを繰り出す。これは当たらず。桜庭が左ストレートを打ちながら、飛び込むが、そのまま差し合いの体勢となりロープ際で膠着状態に。展開がなかなか動かないため、会場からはブーイングが起こる。3分が経過、レフェリーがブレイクを命じて再開。今度はホイスから桜庭の懐に飛び込み、左右のヒザ蹴り5発をコーナーを背にした桜庭のボディに入れていく。桜庭は両足タックルを試みるが、ホイスはテイクダウンを許さず。
 
 3R、最終ラウンドということで両者拳を合わせてのスタート。またもホイスが右ハイを繰り出すが、これもヒットせず。桜庭は左ローを入れ、タックルに入るが、テイクダウンというよりはホイスが引き込んだ形でグラウンドへ。下からホイスが桜庭の右腕をアームロック狙いにいくが、これを桜庭は許さず。なんとかバックポジションに転じた桜庭は、スタンドで今度はホイスの左腕をアームロックに取りにいくが、またしても上半身がロープの間からはみ出してしまったため、膠着状態に。レフェリーが上半身をリングに戻して再開させると、その体勢のままコーナーへと移動し、身動きの取れなくなった桜庭にホイスはうしろから顔面への右フックを6発打ち込む。残り1分。桜庭が左右のストレート、ホイスが3度目の右ハイを繰り出すが、決定打のないまま残り時間が10秒に。急いで飛び込む桜庭をホイスはふたたび引き込んでグラウンドへ。桜庭はホイスの左腕を十字に捕らえんと試みるが、ここで試合終了のゴング。ホイスは両手を挙げて勝利を確信したポーズ。桜庭は何度も首をかしげる仕ぐさを見せるが、両者笑顔で抱き合う。
 
 判定は、28-29、28-29、27-30でホイスの勝利。父エリオ・グレイシーもリングに上がり、満面の笑顔でホイスの勝利を祝福。桜庭は静かにリングをあとにした。

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コメント

ホイス・グレイシー
「(試合内容には満足している?)満足しています。ルールに従って、そして勝った。(7年前と一番違った点は?)ルールかな? ラウンド数が違う。1Rずつ計算して闘った。(7年前と桜庭はどう違った?)今もとても危なく、そしてとても強い選手だ。一つでも間違いを犯していたらボクは負けていた。7年前歴史を作った。今回も歴史を作れたと思う。格闘技の歴史は一人では作れない。(もっと時間が掛かっても一本で勝ちたかった?)もちろん。判定で決まるのはイヤ。できることなら判定なしで闘いたかった。(もし桜庭選手がリマッチを望むなら)もちろん、また闘いたい。前回は日本、今回はアメリカ。次はもっと中立的なところで闘いたいね。例えば、イングランドとか。(これまでの7年間でMMAはどのように進化)MMAはドンドン大きくなった。これからも世界中でドンドン広まっていくだろう。(観客からブーイングも聞こえましたが?)観客に教えたいのは、KOや一本だけが結末ではない。ボクと桜庭の試合はテクニカルな試合なんだ。(DJの声は邪魔だった?)聞こえなかった。聞きたくないことは聞こえない性質なんだ。(エリオさん、今回の試合の感想を教えてもらえますか?)とてもいい試合だった。桜庭はとてもいい選手だ」

桜庭和志
「アスレチックコミッションに顔にワセリンを塗られて…。腕を取れるタイミングでワセリンと汗で滑ってしまいました。取りたかったけど、取れない自分が悪かったです」

 

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