3月1日、K-1オフィシャルジム/『Sammy Presents HERO'S 2006』(3月15日、日本武道館)所英男、公開練習

 公開練習に姿を現わした所英男は、予想以上に元気だった。2月の『ZST.9』でスタミナ切れを起こしたうえでのKO負けを喫してから、まだ2週間あまり。ところが彼は完全に気持ちを切り替え、3・15『HERO’S』に照準をしっかりと定めているようだ。
「肉体的なダメージはありません。精神的なダメージはありましたけど、試合が終わった後に1泊2日で湯河原の温泉に行ってリフレッシュしました。気持ちは切り替わっています。もともと、僕は勝ったり負けたりして上に行きましたから」

 そう言って、所は白い歯を浮かべる。『HERO'S』参戦以前の所が連勝街道を突き進んでいたのかといえば、じつはそうではない。思わぬ場面で手痛い負けを喫したことは、何度もあった。だが、彼は再起戦が行なわれるたびに劇的な勝利を収め、ファンを虜にしてきたのも所の魅力の一つだ。今の彼が置かれている状況は、まさにそれに近い。だからこそ所は、次の試合に向けてしっかりと気持ちを整理することができたのだろう。

 現在、彼は前田日明HERO'Sスーパーバイザーから「自分がグラップラーであることを忘れるな」とアドバイスを受け、復帰に向けてマンツーマンの指導を受ける日々を過ごしているという。ジャンピングスクワットやプッシュアップのような補強トレーニングを、50回ずつ何セットも行ない、基礎体力が向上し、動きのキレやヒザの締めつけが強くなったと語る。そして前田スーパーバイザー直伝の細かい“裏技”も、いくつも叩き込まれているそうだ。その結果、短期間で所の寝技は見違えるように上達したという。
実際、所は3分3Rで行なわれた公開スパーリングでトリッキーな技を休まず繰り出し、パートナーの奥出雅之から合計で8回もタップを奪っている。現時点で、今大会の所の対戦相手は日本人と外国人それぞれ1名ずつに候補が絞られている状況で、最終的な決定には至っていない。だが、いずれにせよ“等身大のHERO”が華々しく復帰を飾る姿が見られそうだ。

 そして復帰を飾った先に、所はある目標を見据えている。
「『HERO'S』と『ZST』で結果を残していって、年末の『Dynamite!!』に出場したいです。そこでKIDさんと闘ってタイトルマッチができれば、最高ですね」
 山本“KID”徳郁が保持する『HERO'S』ミドル級のベルトを、自分のものにしたい。所は、そのように自らの野心を打ち明けた。もしも実現すれば、ファン垂涎のドリームマッチとして話題を呼ぶことは確実だ。3月15日は、その野望を叶えるための試金石と言っていい。これまで何度も繰り広げられてきた、所による“崖っぷちからの奇跡”。それが、3月15日から始まる打倒KIDへの扉を開く鍵となる。■


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所英男:プロフィール


年末にKIDと闘うという目標を叶えるため、3・15 HERO'Sは絶対に負けられない一戦となる!

心身ともにすっかりダメージが癒えた所は、いつものように何度も笑顔を浮かべた。「今年は須藤元気さんとも闘いたいですね。あと“全試合出場”と06年の目標を言ったんですけど、撤回させていただいていいでしょうか? 先を考えると大変なので、試合を続けて最終的にそういう形になれば(笑)」

『ZST.9』でスタミナ切れを起こしてしまった所だが、この日は3分3Rのスパーリングを全く休むことなく動き続けていた


前田スーパーバイザーとの特訓でパワーアップしたという寝技を、所は惜しげもなく披露。切れ味鋭い攻撃を繰り出したが、奥出に2度ほど極められてしまう場面も。だが、それも攻め続けているからこその結果だろう

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