「やっぱり“華”が凄いんです」

──『Dynamite!!』への3年連続出場が決定しました。
所 格闘技をやっている者として、『Dynamite!!』に出るだけでも凄いのに、3年連続で出場させてもらえるということがすごい嬉しいです。光栄です。
──対戦相手は田村潔司選手です。田村選手の印象を教えてください。
所 ボクの中ではこれ以上ない人ですので、闘えるということが本当に嬉しいです。でも、田村選手と比べて、ボクの試合内容は凄い下なんで……、普段の田村選手のような凄い試合内容になればいいなと思います。
──所選手にとって田村選手は「憧れの人」だと聞きました。所選手にとって田村選手の存在というのは?
所 ボクの理想の格闘家というのは、「ヴォルク・ハンと田村選手を足して2で割ったような選手」と前から言っているんですけど、それくらい田村選手というのはボクにとって理想の選手なんです。
──具体的にはどういうところを理想としているのでしょうか?
所 ボクはリングスを見て育ったんで、田村選手がリングスに入ってからファンになったんですけど、大きな選手に向かっていく気持ちだとか、スピードと技術で大きい選手にもどんどん勝っていくところが理想なんです。
──ファン時代から憧れの存在だったんですね。
所 元々リングスは強い選手ばかりいたんですけど、田村選手はその元々いた強い選手たちとばかり当たって、それで勝ち上がって自分の存在を不動のものにされていて、格好良かったですね。
──田村選手の試合を初めて観たのはいつ頃ですか?
所 生で観たのは、文体(横浜文化体育館)でやったリングスでの試合ですね。何年前かは忘れたんですけど、山本宜久さんとやった2回目の試合ですね。
──1998年9月21日の文体大会ですね。初めて生で見た田村選手の印象は覚えていますか?
所 迫力が凄かったですね。もちろん山本選手の迫力も物凄かったんですけど、田村選手の迫力はもう……物凄かったです。
──ちなみに、所選手にとっての田村選手のベストバウトは?
所 後楽園での山本宜久さんとの試合(1999年6月24日/リングス後楽園ホール大会)とか、あとはイリューヒン・ミーシャとの決勝戦(1998年1月21日/リングス日本武道館大会)とか。あと、Uインターのときの(ゲーリー・)オブライトとの試合とかは印象にありますね。
──他の選手とは違って見えたんですかね?
所 もう、とにかく“華”が……。やっぱり“華”が凄いんですね。


「殴れるか? 躊躇する暇もないと思います」

──そんな憧れの人と対戦することになりました。今の心境を教えてもらえますか?
所 嬉しいっていうのと、物凄い強い人なんで、怖さはありますけど、でも楽しみのほうが大きいんですよね。試合なんで内容なく終わってしまう可能性もあるんですけど、凄く楽しみです。田村選手っていう偉大な選手にぶつかっていけるのがまず嬉しいですし、そういう人と勝負できる、リングに上がれるというのが嬉しいです。
──闘えるだけで満足ですか?
所 勝てたら最高ですけど、まずは「ぶつかっていこう!」って気持ちのほうが大きいですね。でも、やっぱり勝負事なんで何があるか分かんない。ブラック・マンバ戦とは違う……、「最後まで諦めずに勝つ!」っていう強い気持ちでいきます。
──試合になって、憧れの人を殴れますか?
所 やっぱりそこは、リングに立ったらプロなんで。憧れの人だろうが、友達だろうが試合が決まった以上はやらなきゃいけないことなんで。それに躊躇する暇もないと思います。届かないかもしれないですけど(苦笑)。
──18日に行われた記者会見では、とても緊張されていたように見えましたが?
所 田村選手の入場曲でちょっと緊張しましたね(笑)。「本当にやるんだな」って。「Uの血が流れている」って田村選手に言っていただいたんですけど、内弟子で育ったわけでもないので、いまいち胸張っては言えないし……。自分では言えないですし、嬉しい反面、苦しかったです。
──体重差は気になりますか?
所 気にならないって言ったらウソになりますけど、それ以上に盛り上がっている自分がいるというか。あとはもう、田村選手と闘いたい人だとか、田村選手の弟子の方たちに失礼のないような試合内容を見せたいです。


「また気持ちの弱さで負けることがあれば……」

──今年一年を振り返ってみてどうですか?
所 6月には『Dynamite!! USA』に出させてもらったりとか、3月の名古屋大会でメインをやらせてもらったりとか、いい経験はできたんですけど、やっぱりブラックマンバっていう選手に2連敗してしまいまして……。まあ、なんか毎年ですけど悔しい年でした。ホント、あそこで終わっています……。ただ、腐らず続けてやってきたんで、ちょっと精神的に強くなったと思います。
──“崖っぷち”という意識はありますか?
所 前田さんにも言われたんですけど。「田村選手が相手だからって落とせないよ。いま、厳しい状況にいるんだから」って電話で言っていただいて、改めて「やっぱり、そうなんだよなぁ……」っていうのを物凄く感じていますね。大連立で今後どう変わっていくのか分からないですけど、結果を出してない人間としては、不安は大きいです。
──他に前田さんからは何か言われましたか?
所 あとは技術的なことを。前田さんは田村選手を育てた方なんで、前田さんにしか分からないことを教えていただきました。
──具体的には?
所 そ、それはちょっと……(笑)。
──そうですよね(笑)。一番見せたいものはなんですか?
所 ブラックマンバ戦では弱い気持ちを出して負けてしまったんで、強い気持ちを見せたいですね。常にあの日のことを恥ずかしく思うし、情けなく思います。「格闘家としてどうなのかな?」って凄く考えた時期があったので……。またあんなふうに気持ちの弱さで負けることがあれば、前田さんにも言われているんですけど……、考えないといけないですね……。
──では、今回重視するのは結果?
所 やっぱり攻防ある試合っていうのを意識はしたいですけど、まあそんな余裕はないと思うので、とにかく自分の持っているものを全部ぶつけて、あとは……。
──あとは?
所 田村選手に任せます(笑)。結果と内容、両方大事にしたいと思います。
──分かりました! 頑張ってください!
所 はい! 頑張ります!■

 

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»プロフィール:所英男

大晦日『Dynamite!!』で田村潔司との対戦が決定した所英男


所は「やっぱり“華”が凄いんですね」と“憧れの人”田村を語った

18日に行われた記者会見での一コマ。記念撮影を終えた田村に所は深々と頭を下げた
記者会見で所は「『最後には自分が勝つ』という強い気持ちを持って闘いたいと思います」と力強くコメント
今年7月のブラックマンバ戦の敗戦が心に残っている所。「強い気持ちを見せたいですね」と語った


「またあんなふうに気持ちの弱さで負けることがあれば、考えないといけないですね……」。ただならぬ覚悟を持って田村戦に臨む!

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