【三崎和雄】
いつも通り、穏やかな感じです。練習は追い込みをかけたものを一週間前までやってきたので。総合格闘家としていかなる動きにも対応できるっていうのがポイントですね。このカードが決まった時は「ついにきたな」と。カードが決まる前に、自分の中で彼に対する対戦というのを強く願っていましたんで、「神様ありがとう」っていう気持ちですね。僕の中ではこれまで(秋山とは)正直交わることはないかな、と。彼とは違う道、人生を歩んでるんで。それがある時期を境に180度変わりまして「この男とやりたいな」と思うようになりました。
(ホームリングとなるが?)どうなんですかね? そのへんの意識はないですけど、応援してくれる人達、信じてくれる人達のために闘いますので、それが多い少ない関係なしにリングに上がります。(以前、「秋山は勘が鋭い」と言っていたが?)勘というのは、“闘い=動物的勘”という表現なんですね。動物は自分で自分の身を守りますが、彼も自分の身を守るところに長けていると思います。僕は自分自身すべてにおいて自信は持ってますけど、リングに上がってみなければどっちの本能がより強いかは分かりません。ゴングが鳴って初めて分かると思います。僕はこの試合で「勝つ」という事に全力を尽くしますし、ファイターはみんな「勝つ」という気持ちは持っている。僕自身も勝つという気持ちは持ってますが、それ以上にみんなに何かを伝えたいと思っているんで、この試合を熱望してきました。ここ数年でしょうか、格闘家になった当初は世界で一番強い男を目指して試合をしてきましたが、それだけが目的なのは違うんじゃないかなという気がしてきまして。神様から与えられたメッセージを人に伝えるというのが大事なのではないかと。
(人に何を伝えたい?)言葉で表現するのは難しい事で、僕は格闘家ですから裸でぶつかり合って、それで感じさせる職業ですから、何か僕の心の声が聞こえたらいいなと思います。(秋山の)寝技の技術やフィジカル的な部分はさほど問題ではないんですよ。やはり動物的な本能な部分というものが闘ううえで一番怖い部分だと思ってます。技術の怖さは感じていません。